WEC世界耐久選手権でBMW MハイブリッドV8をドライブするドリス・ファントールは、8月31日に行われた第6戦『ローンスター・ル・マン』の予選でBMW Mチーム WRTの両車が初めてそろってハイパーポールに進出したパフォーマンスについて、ハイパーカークラスのデビューイヤーにおける彼らの努力に対する「ささやかなご褒美」と称賛した。
15号車BMW MハイブリッドV8をドライブするベルギー人ドライバーは、この日の2次予選『ハイパーポール』で姉妹車20号車のロビン・フラインスに次ぐ8番手を記録。これは、7号車トヨタGR010ハイブリッドの小林可夢偉を上回るポジションとなった。
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シーズン開幕戦のカタール1812kmを除き、このドイツブランドはこれまで各イベントでハイパーポールに1台ずつを送り込んできたが、2台がともにトップ10に入りハイパーポール進出を決めたのは、ここサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での第6戦が初めてのこととなる。
ファントールは、ハイパーポールはBMW Mチーム WRTにとって「ポジティブなセッション」だったと述べたが、チームがクラスのトップランナーとの差を縮めようとするなかで「まだやるべきことはたくさんある」と付け加えた。
「最後に、まだ縮めなければならないギャップがある」とファントールはSportscar365に語った。
「だけど、僕らが心血を注いだ仕事に対して、これは僕らが受け取れる小さなご褒美だと思う。今日は満足すべきだと思うね」
「明日は新しい日、新しい挑戦なので、僕らはそれを違った見方で捉えなければならない。僕ら全員が、とても満足して眠りにつけるというわけではない。まだやるべき仕事がたくさんあることは確かだ」
BMW Mモータースポーツディレクターのアンドレアス・ルースは、金曜日と土曜日の進歩に満足しており、同ブランドは「いまのところ週末全体に、概ね満足している」と述べた。
「最初のフリープラクティスセッションから、我々はかなり良いペースを見せたと思う」とルースは語った。
「数週間前にここでテストしたことも確かに役立った。でも、ハイパーポールに2台の車が出場できたことには満足できると思う」
「全車が非常に接近している。一般的に、2台のクルマがどれだけ接近しているかを見ると、すべてをまとめる上げることが重要だと思う」
「我々の2台の車両は非常に接近しているので、最後にはパフォーマンスを発揮したと思うが、ポールポジションにはまだ道のりがある。ただ、良い第一歩だったと思う」
■得意とするのは高速コーナー
WRTチーム代表のヴァンサン・ボッセは、2台のクルマがグリッド2列目に進出する可能性があったと見積もっている。その列は、最終的にはキャデラックVシリーズ.RとアルピーヌA424の手に渡った。
「すべてをうまくまとめたとしたら、4番手が目標だった」とボッセ。
「フェラーリは非常に強力に見えるが、キャデラックやアルピーヌと戦うことはおそらく可能だったと思う」
フラインスがドライブし7番手でハイパーポールを終えた20号車BMWは、4番手となったアルピーヌのシャルル・ミレッシに対して0.131秒遅れでハイパーポールを終えていた。
フラインスは予選後、最終セクターが低速でなければ、もっと速いラップも可能だったかもしれないと示唆した。
「最初のプッシュラップの後、次のラップではもっといいラップを刻んでいた」とフラインスは語る。
「ターン9を抜けた時点では0.25秒ほど速かったが、最終セクターですべて失ってしまった」
「だから、もっとタイムがあったと言える。でも、コンマ1秒かコンマ2秒速く走れたかもしれない瞬間は、誰にだってあると思う」
このオランダ人は、高速コーナーが多いCOTAのトラック特性も、Mハイブリッド V8に適していると考えている。
「エッセの高速セグメントでは、かなりいい感じだ」とフラインスは語った。
「とくに(高速)セクターでは、僕らは常に非常に強かった。僕らは低速では少し速さが欠けていているが、(前戦)サンパウロはとくに低速コーナーが多かった。だから、それが少し痛手になったと思う」
「僕らは確実に進歩している。BMWとWRTはより良くなるために懸命に努力している。良いレースと良いポイントを獲得できることを祈るばかりだよ」
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