マツダの新車CX-8が評判を呼んでいます。
なにしろクロスオーバーSUVで3列シート、ディーゼル仕様のみのラインアップで、発表と同時に既存のミニバン二車種を生産中止にするなど、かなり尖った販売戦略をとっています。マツダはこのクルマで「自分たちの得意なデザイン、得意な走行性能に特化したモデルしか作らないし売りません」と宣言しているわけです。
このマツダの「選択と集中」は成功するのか?
発表から半月、まずは販売店とその顧客の反応を調査してもらいました。
文:遠藤徹 写真:平野学
■プレマシーとビアンテは在庫一掃セール開始
マツダは9月14日、新型クロスオーバーSUV「CX-8」を発表。今年12月14日から全国のディーラーで発売開始する。
マツダは当初全国の販売店には11月23日に発売すると伝えていたが、発表時にはこの発売日を約3週間先送りした。配車などの準備が整うのが遅れているとの見方があったようだ。
10月上旬現在ではマツダ各店にはまだ現車がデリバリーされていないが、カタログ、価格表を用意し希望ユーザーには見積書を作成し、予約受注はできる状態にある。
首都圏にあるマツダ店によると「すでに注文は受け付けており、好調な立ち上がりを見せている。初代のCX-5の時よりもお客さんの反応はいい」とコメントしている。
下取り車はプレマシーやMPV、ビアンテ等これまで販売していたマツダのミニバンが最も多いが、他の小型車、他メーカー車も比較的多い状況だという。
そのいっぽうで(CX-8の発表と同時に生産終了が公表された)ビアンテの新車はすでに生産を中止し、在庫一掃セールに入っている。
プレマシーは年内いっぱいでストップとなるが、10月上旬現在はまだ普通のペースで販売を継続させている。
ミニバンからの撤退について販売店の受け止め方は「販売店にとっては、扱いモデルは多ければ多いほど商売がしやすい。ただビアンテ、プレマシーはモデルが古いこともあり、極端な売れ行き不振状態にある。生産継続は難しい状況にあるのでモデル廃止はやむを得ない」との意見が多い。
■納期は来年1月、値引きは5万円!?
CX-8は10月上旬現在では納期が2018年1月末となっている。月販計画は2400台であるから、すでに5000台近く予約が入っていると推定される。
最も多く受注しているのは中間グレードのXDプロアクティブ2WD6人乗りとなっている。ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ、ソニックシルバーメタリック、ジェットブラックマイカなどの引き合いが目立つ。
*証言1(都内大規模ディーラー)
「CX-8の売れ行きはかなり好調な滑り出しと受け止めている。まだ現車を見てないのにカタログの説明だけで買ってくれている。下取り車は今のところMPV、ビアンテ、プレマシーなどの当社扱いのミニバンが多いが、他メーカー車のSUV、ミニバン、ステーションワゴンなども多く含まれている。3列目シートを倒してそのスペースを広く使いたいというお客さんに好まれているようだ。クリーンディーゼル車だけで売り出しているが、これがマツダのウリだし、走りは抜群で燃費もよく燃料代も安いので売りやすいと受け止めている」
*証言2(郊外ディーラー)
「3列シート専用のSUVはCX-8だけだから、これが有力なセールスポイントになっている。エクストレイルは同じボディで2列と3列シートがあるが、3列シートは3列目が狭く使い勝手が悪い。CX-8は3列目に十分な広さを確保するくらいのボディスケールがあるので、3列目をきっちり使いたい層にアピールできる。2.2Lディーゼルターボエンジンを搭載しているわりにはリーズナブルな価格設定で、自動車取得税、自動車重量税が免税、6万円程度の補助金が支給されるので買い得だ。ただ新型車の上に販売店のマージン幅が少ないので、車両本体からの値引きは5万円と引き締められている」
上記の証言をまとめると、買い得感は高いが値引き幅は狭いよう。
東京モーターショーのマツダブースにも出展されるので、実車を見たい人はぜひとも東京ビッグサイトで見てみよう。
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