この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権で「初心者マーク」をつけたドライバーが活躍中
サーキットの名門が「悪路に降臨」したらもの凄い強かった! そもそもなぜ「HKS」がダートラに挑戦しているのか?
■正体はジュニアカート出身の木内秀柾選手
■第4戦「久万高原ラリー」ではクラスで3位に入賞
若葉マークが久万高原ラリーを駆け抜けた!
2022年のWRC第13戦「ラリー・ジャパン」では初心者マークを付けた外人ドライバー、ブルーノ・ブラシアが活躍していたが、2023年は全日本ラリー選手権でも初心者マークを付けた日本人ドライバーが活躍している。
そのドライバーとはトヨタ・ヤリスを武器にJN5クラスに参戦している木内秀柾で、第2戦「新城ラリー」で全日本ラリー選手権はもちろん、ラリー競技にデビューすると5月5日~7日、愛媛県久万高原町を舞台に開催された第4戦の「久万高原ラリー」ではJN5クラスで3位に入賞。
ちなみに昨年のラリー・ジャパンで初心者マークを付けていたブラシアはジュネーブ協定を締結していないボリビア出身であることから、運転歴が長くても簡易試験で日本の運転免許を取得していたが、日本人ドライバーの木内は弱冠18歳で、運転免許証も2022年の12月に取得したばかり。運転歴わずか5カ月という正真正銘の初心者ドライバーなのだが、その木内がラリー競技に参戦して2戦目で、いきなり最高峰シリーズの激戦クラスでポディウムフィニッシュを果たしたのである。
もともと木内は5歳でレーシングカートを始め、小学校4年生から高校2年まで全日本カート選手権を戦ってきたドライバーだが、「もともとレースよりラリーの映像を見て興味があったので、次のステップとしてラリー競技を考えていました」と木内。さらに「レースのほうだったんですけど、トヨタの若手育成プログラムの応募で“ラリーに挑戦したい”と書いたところ、トヨタさんから奴田原(文雄)選手を紹介して頂きまして、昨年の秋にヌタハララリースクールに参加しました」とのことで、新天地への挑戦が始まったのである。
こうしてラリー競技へ転向した木内は、陸別オフロードコースを舞台にしたヌタハラレーシングスクールを経て運転免許証およびJAFの国内ライセンスを取得し、前述のとおり、全日本ラリー選手権の新城ラリーでデビューを果たしたが、「サーキットではなく、公道を舞台にしているのでかなり緊張していました」とのこと。それでも5位入賞を果たした木内は前述のとおり、雨に祟られた参戦2戦目の久万高原ラリーでコンスタントな走りを披露、3位に入賞した。
レジェンドの奴田原氏も太鼓判!
ヌタハララリスクールを主催し、全日本ラリー選手権でも木内の活動をサポートする“師匠”の奴田原は「小さい時からカートをやっていたから、クルマを操る能力は高かったですね。マニュアル車のシフトチェンジに最初は手こずっていたけれど、すぐに慣れると思う」と木内を評価。
さらに奴田原は「日本では運転免許証をとってからラリーを始めるドライバーが多いから、なかなか若手ドライバーが活躍できないけれど、レーシングカートみたいにほかの競技でも運転免許証を取得する前から経験しておけば十分に活かせると思う。勝田貴元選手もカートやフォーミュラをやってからラリーを始めたけれど、経験を重ねることでラリーに対応した。ラリースクールに協力してもらっているTRDとしても若手ドライバーを育てたいという意向もあるので、今後は木内選手のようにカート出身の若手ドライバーも育てていきたい」とのことで、いわば木内がヌタハララリースクールの新しいモデルケースになっている。
ちなみに奴田原をサポートするシートメーカーのレカロも若手育成を掲げているようで、木内をそのサポートドライバーとして抜擢。フルカラーのマシンを提供するなど、充実の体制となっている。
もちろん、実戦のなかでドライバーの育成を図るヌタハララリースクールは、木内とコンビを組むコ・ドライバーにベテランを起用しており、第2戦の新城ラリーでは藤田めぐみ、第4戦の久万高原ラリーでは島津雅彦をラインアップ。いずれも全日本ラリー選手権でチャンピオン経験を持つだけに、ルーキードライバーにとっては充実した顔ぶれだと言えるだろう。
「1ループ目はギグシャクしていましたが、2ループ目からは抑えすぎることもなく、きちんとペースノートを聞きながら走れていました」と島津も語っているだけに、上位につけていたドライバーの脱落があったにせよ、木内の3位は賞賛に値する。
「新城ラリーの5位を上まわることができましたが、タイム的にはまだまだトップに大きく離されているので、今後もしっかり完走しながらギャップを詰めていきたいと思います」と語っているだけに、今後も若手の逸材として木内の動向に注目したい。
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みんなのコメント
こういう経験を持つ人を「免許を取って5か月」って書かれてもな。
若手選手を応援するなら普通に記事を書いたらどうなの。
アクセス数目当てでくだらない煽りを入れるのは選手に失礼だ。