2月に入ってからバイクでキャンプに出掛けてきました。前回は真夏、なぜか厳しい時期にばかりにキャンプをしたがる編集部の面々。今回参加した3人の寒さ対策をまとめてお伝えします!
レポート:西野鉄兵
冬キャンとはいっても、暖かいところに越したことはない!
空前のキャンプブームは衰えることを知りませんね。年末年始でも富士五湖周辺の湖畔のサイトは大盛況だったとか。
ホンダ「CT125 ハンターカブ」の発売時期と予定価格が判明!
『ゆるキャン△』のドラマも面白いです。まだご覧になっていない方、アニメもドラマもAmazonのプライム・ビデオでも観られますよ~。
さて、そんな『ゆるキャン△』にならって、舞台となっている富士周辺に行きたいとも思ったのですが、凍結が怖いし、さすがに寒すぎるんで、軟弱な僕らは関東の南国、房総に向かいました。
今回の参加メンバーは以上、3人でした。オートバイキャンプ部は原則、現地集合・現地解散。誰が来て誰が来ないか分からないのも特徴です(汗)。
天気予報の最低気温は5度、最高気温は12度という、まさに暖冬の環境下で行なった、いまいち説得力に欠ける僕らの冬対策をここからお見せします!
食事は鍋料理があるといい!
鍋料理は簡単に作れることから、ツーリングライダーのキャンプ飯の定番ですよね。
しかも真冬なら、「絶対に鍋」と僕は決めています。
ステラさんの設営が完了した後、松本先輩も何やら料理を開始しました。
僕はそんな手間のかかることはできないので、これです。
カレー鍋とキムチ鍋。普段は「鍋キューブ」や「プチッと鍋」を使うのですが、今回は積載スペースにかなり余裕があったということと、水が使いにくいかもしれない、と思ったので、パックの鍋スープを採用しました。
つるんつるん温泉のHPに水に温泉が混ざっているので、飲用は控えてください、と記されていました。ただ、沸かしてから料理に使うのはOKなようです。
スープタイプの鍋の素は嵩張るのですが、水に制限がある野宿のときも、重宝します。
さて、カレー鍋とキムチ鍋は完成しました。中身の具材は両方同じで、カット野菜・豚肉の細切れ・ウインナー・冷凍肉団子。
いっさい刃物は使わず、次々と投入するだけでできてしまう人類の発明品です。
なんで両方辛い鍋なんだよ、と思った方も多いでしょう。ひとえに寒さ対策です。口から喉、そして胃がソッコーで温まる、辛い鍋こそ冬キャンにおける正義です。
味の良さは、松本先輩と西野はカレー鍋派。ステラさんはキムチ鍋派、と分かれました。どっちも美味しかったですが、個人的にCoCo壱番屋の素は、本気でおすすめしたい。
あと、使ったガスストーブなのですが、SOTOの名品「レギュレーターストーブ」は風にも負けず、寒さにも負けず、大活躍。カセットガスタイプでありながら、火力の微調整も可能で、ホント優秀だと思いました。
この記事で、SOTOのストーブの実験をしております。
Amazonでもお買い求めいただけます。
B6君はゆるキャン△ブームでなかなか手に入らないといわれていましたが、いまはAmazonでも手に入るようです。2月6日現在、セットで6820円。
同じタイプの製品が2月6日現在、2,400円で手に入るようです。
冬のキャンプツーリングに適した服装とは?
西野が着ていったウエアについて解説します。
上着は、綿のTシャツ・ネルシャツ・フリース・ダウンジャケットの4枚
下は、パンツ(下着)・防寒ジーンズの2枚
それだけです。それには秘密があります。
まず、暖冬で暖かかったということ(苦笑)。本気を出すまでもありませんでした。
そして、ジーンズとフリース、ダウンジャケットは、マックスフリッツ製のものを着用しています。
マックスフリッツは、機能とカジュアルさを両立したバイク用ウエアメーカー。キャンプツーリングのことを想定された製品が多いというのも特徴です。ダウンジャケットは火の粉が当たっても簡単には穴が開かず、ジーンズはストレッチがきいていて動きやすくなっています。
とくに同社の防寒ジーンズは、まるで寝袋に入っているかのように暖かく、冬も走るライダーに大ヒット。
パンツ一丁で寝袋に入る何とも言えない背徳感を帯びた心地よさを常時体感できるのです。もちろん、高機能インナーを下に履くともっと暖かくなりますよ。
マックスフリッツのウォームパンツの紹介記事
最新のダウンジャケットもいい感じです。
そして、表から見えない一番の立役者は、みんな大好き「貼るカイロ」です。夜中は、Tシャツに計4枚貼っていました。
肩甲骨の間・腰・心臓のあたり・お腹。これをダウンジャケットで包み込むとデッドエアが溜まりに溜まってもう無敵。
使い捨てカイロは、いまかなり進化しています!
靴はGORE-TEXが入った透湿防水トレッキングシューズでしたが、ほとんどサンダルで過ごしていました。使っていたサンダルは指が隠れるタイプです。
ちなみに松本先輩は、この日のためにキャンプ時に履くシューズを入手。ワークマンに売っていたという防寒シューズです(税込2,500円・ワークマンブランドではありません)。デニム地に見える下の部分までが防水設計で、ソールも滑りにくいつくりとなっていました。
僕は、防寒着をかねて、レインウエアも携行していました。さらに、保険でもう1枚フリースとオーバーパンツも持っていきました。出番はありませんでしたが、それが一番!
このキャンプで「寒っ!」と思わず声が漏れたのは、わずか数回。Tシャツが不意にずり上がってしまったときだけです。
夜中の暖かさには、焚き火も大きく貢献しています。
勝浦つるんつるん温泉キャンプ場は、直火OK。しかもご覧の通り、車両の乗り入れも可。このふたつが可能なキャンプ場、いまではだいぶ少なくなったと思います。
ちなみに松本先輩は、こんな文明の力を利用していました。BMW F1200GSをフルパッキングにして、何を積んできたのかと思えば……完全な個人プレーです。
ちょっと貸してもらうと……ガスヒーターって無茶苦茶暖かいんですね。知りませんでした。しかもこれがいまでは3000円以下で手に入る時代に。
ガスの消費量が気になりましたが、一晩で使用したOD缶は500サイズ1本弱でした。日が暮れる頃からまあまあな威力で使い始め、夜中の0時になってもまだ使えていましたから、ありだと思います。
Amazonでは同様のものが2/6現在、2,650円で販売されています。
一方、電気で動かすセラミックヒーターはというと……野外だとほとんど力を示せず。編集部で試しに使ってみたときは暖かったんですがね。
「いや、これが活躍するのはまだこの先だ」と強がってみせる松本先輩。
まさか、そんな使い方があったとは……!?
冬キャンプ対策の寝具
テントの中で焚き火はできないし、火事や一酸化炭素中毒になるためガスヒーターも使えません。
そこで、野外でほとんど活躍しなかった電気セラミックヒーターの出番が来ました。
寝る直前に松本先輩は、外に放置されていたセラミックヒーターのスイッチをオン。テント内へ向けて温風を送り出しました。
これが効果てきめん。テントの中に入るとまるで暖房の利いた部屋のように暖かく、冬キャンをしていることを忘れてしまうほどです。
同じような要領で、夜中に目を覚ましたとき、何度かテント内を温めたのだとか。要はこのセラミックヒーターなるものは、ドライヤーと似た構造のようです。
テント内で常時つけておくのは危険でしょうが、火事にもならないし、なかなか優秀ですね。
Amazonでは2月6日現在、2,999円で販売中です。
サイズと重さ:19.3 × 13.8 × 12 cm ・ 522 g
さて、そんな文明の力を持たない僕はどうしたのか。
きわめてオーソドックスな対応をしました。
寝袋を重ねて、最後にシュラフカバーです。
使った寝袋は、羽毛量350g(写真中央)と500g(写真左)のダウンシュラフ。それらに入ったのち、シュラフカバー(写真右)にも入れば、まあだいたい何とかなるというのが経験則。
シュラフカバーなしで雪上キャンプ(-15度)をしたときも、寒かったけれど何とか耐えられました。これにシュラフカバーが加われば+5度の房総なんてへっちゃらです。
しかも念のためと、宴会をお開きにする少し前に、貼らないタイプの使い捨てカイロを寝袋内に投入しておきました。
これが効果抜群なんです。足が冷えて眠れないという方、ぜひお試しください。
西野が使っているものと同じ製品だと思われるイスカのシュラフカバー。
シュラフカバーとずっと言っていましたが、製品名がライナーだったので、内側に入れて使うのが正解なのかも。
真夏はこれ一枚しか持っていかないこともあります。2/6現在3,568円。
偶然ですが、コンプレッションバッグもイスカ製。現行品はこちら。2月6日現在Lサイズは3,621円。お買い求めの際は、サイズにお気をつけください。
あと、冬キャンでは、マットも大事。空気を入れるタイプのエアーマットやインフレータブルマットは、空気が冷えて底冷えにつながるので、今回はウレタンマットのみとしました。
夏はエアーマットが快適なんですが、冬はいくら高価なエアーマットよりも、ホームセンターでも手に入る銀マットの方が暖かいと思います。
西野が使用しているのは、これと同じキャプテンスタッグのもの。Amazonでは2月6日現在2,154円。買ったとき、そんな安くなかった気がするんですが……悔しい!
木川田ステラさんは、雪が降る中でのキャンプでも耐えきったという寝具を見せてくれました。
インフレータブルマットの上に寝袋、そしてその中にクッションにもなる布団のようなブランケットを投入。
赤い寝袋は化繊製。ペラペラの夏用タイプ。「嘘でしょ、こんな貧弱な装備で昨夜寝てたの……」思わず声が漏れてしまいます。
便利なクッション&ブランケットの紹介はこちら!
「これが私の秘密兵器でした!」と登場したのが、湯たんぽです。
寝る前に焚き火でせっせとお湯を沸かしているとは思っていましたが、湯たんぽを作るためだったんですね。
この湯たんぽの本体は、ぺったんこになるシリコン製。バイクでも携行しやすくて、いいですね。
それでもやっぱりみなさまには、冬キャンプでは冬用寝袋の利用をおすすめしますが。
湯たんぽは2個セットで2000円以下で買えるようですよ。
さらに靴下も大事なんだとか。これはバイクに乗るときに履くのではなく、テントの中で履くために用意した分厚いもの。
さすが「ステラ☆キャンプのお姉さん」という名でTwitterをやっているだけあります。
ちょこちょこひとりでもキャンプをしているそうなので、ぜひチェックを!
「く、くつが、脱げないよぉ……脱げたっ!」
【まとめ】冬場はいかに「加温」できるかがポイントになる!
冬場はツーリングでもそうですが、防風・防寒はあたりまえ。そのうえで「加温」につくづくありがたみを感じます。
グリップヒーターや電熱ウエア、そして使い捨てカイロ。走っているときに、寒さをしのぐではなく、「あったかーい」と思える部分があるのは何より心強い。
今回のキャンプでも、使い捨てカイロは大活躍。そして、食事の鍋。ビールはきんきんに冷えてしまったので、途中で缶からシェラカップに移し、ホットビールにしました。これも加温。
さらに松本先輩はガスと電気のアイテムを駆使し、ステラさんは湯たんぽを利用しました。体温より暖かいものを用意すればするほど冬キャンは快適になります。
そして加温の主役は、やはり焚き火でしょう。
一晩で使った薪は、『ゆるキャン△』でもりんちゃんが言っていたとおり、約3束分でした。
焚き火のありがたさを心底感じ、キャンプがより好きになり、また出かけたくなっちゃうんですよね。
「次はお花見キャンプ?」「いや、その前にもう一度もっと寒い冬キャン」「それいいね」
オートバイキャンプ部の活動はこれからも続きます。
文・写真:西野鉄兵
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