この記事をまとめると
■トヨタは小型のプレミアムカーを数台ラインアップしていた
トヨタといえば6気筒……ばかりじゃない! 陰に隠れたトヨタの直4エンジンの「名機」4選
■セールスは芳しくなく2代目が出ることはなかった
■どれもこだわりのコンセプトを持っていたことは間違いない
絶好調のトヨタでも販売に苦戦した残念モデルがあった!
トヨタと言うと無難な車種が多いイメージを持つ人は未だに多いのではないだろうか。しかし、今では一般的となったハイブリッド車も、プリウスが先陣を切っていなければここまで普及したかどうか分からないし、スバルとの共同開発で生まれた86/BRZもトヨタがいたからこそ世に出たモデルと言える。
そんなじつは斬新でチャレンジングなモデルも少なくないトヨタだが、なかにはイマイチ人気にならずにひっそりと消えていってしまったモデルたちも少なくない。今回はそんなトヨタでもコケてしまった斬新なモデルをご紹介しよう。
1)プログレ/ブレビス
「小さな高級車」という新たな価値観を創造するために1998年にリリースされたプログレ。
全幅が5mmほど5ナンバーサイズからはみ出しただけという、ほぼ5ナンバーサイズのボディに、2.5~3リッターという大排気量のエンジンを搭載したプログレは、2代目センチュリーのチーフエンジニアが手掛けた本格的な高級車だった。
一部グレードにはクラウンにすら設定されていなかった本木目の内装をおごり、本革シートといった高級マテリアルだけでなく、レーダークルーズコントロールやナビ協調シフトなど、先進的な装備も多く備えていた。
しかし、そのあまりに保守的なエクステリアは年輩のユーザー以外には刺さることがなく、販売台数が伸びることはなかった。2001年には丸みを帯びたミニセルシオ的なルックスの兄弟車、ブレビスも設定されたが、やはり高級車=大きな車体という概念を打ち崩すことはできなかったのだ。
欲張り思想が仇となってしまった悲しきモデルたち
2)オーパ
1999年に開催された東京モーターショーに展示された、セダンでもありワゴンでもあるという新たなコンセプトを持ったオーパ。
実際の販売は翌2000年の5月で、当初は1.8リッターのみでスタートし、8月にはトヨタ初のCVTを搭載した2リッターモデルが登場した。
2700mmのロングホイールベースと、コラムシフトを備えてウォークスルーを可能としたり、リヤシートにスライド機構を持たせたりしたフレキシブルな室内空間を持っており、フロントはグレージュ、リヤはブラックという前後でカラーを変えたシートなど斬新な試みが多くなされていた。
しかし、ワゴンとしてもミニバンとしてもセダンとしても中途半端なキャラクターが災いし、およそ5年で生産を終了。後継車種も存在しなかった。
3)ブレイド/ブレイドマスター
「大人しくない大人に、ショート・プレミアム」というキャッチコピーで2006年に登場したブレイドは、比較的コンパクトなボディに余裕のある2.4リッターエンジンを搭載したプレミアムコンパクトカーというキャラクターを持っていた。
当時プレミアムハッチバックとして人気となっていたフォルクスワーゲン ゴルフに対抗したともいわれており、コンパクトカーでありながら、リヤサスペンションにダブルウイッシュボーンを採用するなど、プレミアムという冠に相応しい性能を持ち合わせていたのだ。
また、2007年には3.5リッターV6エンジンを搭載したブレイドマスターもリリース。これは5代目ゴルフなどに設定された3.2リッターV6エンジンを搭載したR32を意識したモデルと言われているが、当のゴルフは6代目でダウンサイジングを図っており、肩透かしされた格好となってしまった。
また、いくらプレミアムといってもベースが大衆車のオーリスだったことも災いし、ブレイドはヒットすることなくプログレの二の舞となってしまったのだった。
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