コロナ禍でもグローバルの販売は堅調!
2020年度は新型コロナウイルスの影響で自動車産業にとって非常に厳しい1年となった。自動車業界の巨人であり、およそ2.2兆円の営業利益を叩き出したトヨタでさえ、販売台数は764.6万台。前年度と比べて85.4%と大きく減っている。
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そんな中でも、トヨタのプレミアムブランド「レクサス」は好調だった。2020年のグローバル販売は71.8万台と前年比93.9%。コロナ禍でのこの数字は、実質的には成長しているといって過言ではないだろう。
実際、レクサスブランドの販売台数を振り返ってみると2011年のグローバル販売台数は40.3万台。ここ10年で倍近くに増えているのだ。そうした成長ぶりは日本においても同様だ。レクサスの国内販売は2011年には4万2367台だったが、2019年には6万2394台まで成長していた。さすがに2020年はコロナの影響を大きく受けたようで4万9059台と沈んでしまったが……。
初代LSの登場で海外でも高級ブランドとして認知された
さて、レクサスブランドの誕生は1989年まで遡る。当初は北米マーケット向けのプレミアムブランドとして誕生した。日本ではセルシオと呼ばれていたモデルが「レクサスLS」として生み出されたのが、ブランドのルーツだ。
そのほか、海外ではレクサスブランドで展開していたモデルも日本では別名で販売されていた。たとえば、「GS」がアリスト、「ES」がウィンダム、「RX」がハリアー、そして「IS」がアルテッツァといった具合だ。日本でもハードウェア的にはレクサス車を買うことはできたが、あくまでトヨタブランドでの取り扱いだった。
そうして海外ではレクサスはどんどんと認知度を上げてブランド価値も高めていったが、日本では展開されることがなかった。その間に日本ではセルシオが3代目まで進化し、トヨタのフラッグシップとして確固たる地位を築いていた。そしてこのままレクサスは日本では展開しないのでは、というのが20世紀当時のムードだったのだ。
世界的に認められたことで高級ブランドとして逆輸入
しかし、海外でレクサスブランドが誕生してから16年経った2005年秋、満を持して日本でレクサスの販売店が整備された。当初、トヨタ系ディーラーで併売するという噂もあったが、ブランドを確立するためにはそうした中途半端な対応をよしとしなかった。この判断が現在の状況につながっている。
これまでの自動車販売店とは一線を画した「おもてなし」をテーマにレクサスディーラーは整備された。そのためにホテルや宝飾品などの接客経験者を採用するなどの工夫もしたというほどだ。日本でレクサス販売をはじめた当初は、セダンの「IS」と「GS」、そしてオープンスポーツのソアラを名前変えした「SC」とい3モデルで、けっして数が売れるラインアップではなかったが、クルマを売るというよりも体験を売るという方針を貫いたことで、レクサスは日本でもブランド力を確立していく。
明らかに国産車と異なる販売店のムードに、一部のユーザーはレクサスを逆輸入車と勘違いしていたほどだという(実際にはもちろん国産車だ)。とはいえ、輸入車を求めるユーザー層の多くは第一候補としてドイツ車をあげるケースが多く、レクサスはドイツ御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)に対抗するほどの商品力をまだ持ち合わせていなかった。
RXの登場により日本でもレクサスが定着
このようにビジネス的には我慢の時期もあったが、レクサスのスケールが拡大していったのはSUVラインアップが充実するようになってから。2009年にSUVモデルの「RX」が誕生してからレクサスの躍進が始まった。
国内でのブランド立ち上げから4年弱、レクサスディーラーの認知度が上がってきたタイミングでの「RX」導入は、後から考えれば絶妙のタイミングといえるものだった。さらにこのあたりからリセールバリュー(残存価値・下取り価格)の高さがレクサス車の魅力としてクルマ好きのあいだで認知されるようになっていった。
じつはリセールバリューというのはドイツ車のウィークポイントのひとつ。その部分においてレクサスというブランドはプレミアムブランドのなかでリードするカタチになった。
加えてSUVラインアップも充実していったこともレクサスの販売台数増につながっている。2014年に「NX」、2018年には「UX」と「RX」の弟分といえるモデルが充実していった。とくに「UX」は手頃なレクサスSUVとして人気を博し、いま日本国内でもっとも売れているレクサス車となっている。
まとめれば、国産であることを感じさせないブランドイメージをしっかりと時間をかけて熟成しつつ、人気のSUVラインアップを充実させ、そしてユーザーメリットであるリセールバリューを高いレベルで維持していることが、レクサスの成功につながったと整理することができる。
ある意味、ハードウェアの特徴に頼らないブランディングというのはユニークなもので、これからも「おもてなし」と「リセールバリュー」で期待値以上のレベルをキープすることができれば、電動化時代になってもそのブランド力は失われないだろう。
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