■「CR-V」がFCEVとして再登場 なぜSUVに?
ホンダは2024年2月28日、新エネルギーに関する展示会「H2 & FC EXPO」で新型FCEV(燃料電池車)の「CR-V e:FCEV」を世界初公開しました。
これまでホンダは量産FCEVとしてセダンタイプをメインに展開してきましたが、なぜSUVとして登場させたのでしょうか。
ホンダのFCEVは、2002年に初のモデルとしてコンパクトカー「FCX」を限定リース発売後、2007年には世界初の量産FCEV専用車としてセダンタイプの「FCX クラリティ」を発表しています。
そして2016年3月には、量産型FCV市販モデルとしてミディアムセダン「クラリティ フューエル セル」を個人向けにも発売するなど、FCEVの開発や普及に取り組んできました。
今回登場した新型CR-V e:FCEVは、北米や中国ですでに販売しているSUV「CR-V」をベースに、米国GM(ゼネラルモーターズ)社と開発したFCEVユニットを搭載しました。
CR-Vとしては6代目にあたりますが、日本では2022年12月をもって5代目の販売が終了しており、以後6代目の標準モデルが国内で展開されていなかったことから、約1年半ぶりの復活となります。
一方で、ホンダのFCEVでは、FCX クラリティやクラリティ フューエル セルなど、セダンタイプをメインであり、SUVは登場していませんでした。
今回、SUVのCR-Vをベース車として選択したことについて、本田技研工業 電動事業開発本部 BEV開発センター LPL(開発責任者)の生駒 浩一氏は次のように説明します。
「FCEVの本格普及へ向け、人気の高いSUVをベースにFCEVを作ることとしました。
また、プラグイン機能を持たせることで水素を用いずとも走行することができ、さらに給電機能によっていつでもどこでも電力供給が可能になるなど、様々な可能性を想像できるモデルとなっています」
現在、SUVは人気のボディタイプとなっており、ホンダではコンパクトSUV「ヴェぜル」、ミディアムSUV「ZR-V」が主力モデルとなっており、さらにエントリーモデル「WR-V」も登場するなど、ラインナップを拡充しています。
ホンダによると、SUVは高い車高から来る視界の良さや広い居住空間、高い積載性と走破性が支持されており、FCEVとして日常使いしていくなかでも親和性が高いと言います。
使い方としても、都市部ではEVとして自宅や商業施設などを行き来するような利用を、休日に郊外に出る際は3分ほどの短時間で水素の充填を済ませ、自然のなかでのアクティビティやロングドライブを楽しむというものを想定していると説明します。
ここに、キャンプなどの屋外活動で家庭用電源を利用できるEVとしてのメリットと、CR-Vの持つ高い走破性能や積載性が融合され、FCEVの普及を目指す主力モデルとして位置づけられているようです。
デザインでは、標準モデルの持つ上質さやタフさはそのままに、FCEVらしい知的さとプラスする専用品を装着することで、差別化を図っています。
フロントではボンネットやグリル、フロントバンパー、フェンダーなどを専用デザインに変更し、リアはクリアの専用テールランプに加え、ライセンスガーニッシュやフェンダーガーニッシュ、サイドシルガーニッシュなどを専用デザインとしました。
インテリアも標準モデルと同様にしつつも、バイオ合皮のシート素材を採用するなど、内外装もCR-Vよりもさらに環境に配慮していることを表現しています。
※ ※ ※
新型CR-V e:FCEVの国内での正式発表・発売は2024年夏を予定しています。
また、北米でも販売されることになっています。
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みんなのコメント
というかFCEVなんて買う人少ないでしょ…都市部しかインフラが整ってないんだから。
ガソリンとハイブリットを先に出してほしかった