日本を代表するMクラスミニバンとして150万台を突破
日本を代表するジャンルと言ってもいいミニバン。なかでもMクラスはボディサイズや使い勝手、価格面などからも子育てファミリー世代から絶大な人気を誇る。画期的な機能や装備、高い運動性能などが魅力のホンダ・ステップワゴンについて解説していこう。
【試乗】ライバル対抗策はバッチリ! ホンダ・ステップワゴン・ハイブリッドの恐るべき商品力
ホンダ・ステップワゴンとは?
ホンダのミニバンを語る上で外せないロングセラーモデル。1995年の第31回東京モーターショーにコンセプトモデルが登場し、翌96年に発表された。現行モデルは5代目にあたる。3代目において累計販売台数が100万台を突破し、4代目では2010年に年間販売台数トップに返り咲いた。現行モデルの5代目は、2017年に累計販売台数150万台を突破するなど、長く親しまれているミニバンである。
初代(1996年~2001年)
ホンダのSUVやミニバンといったRV車シリーズ「クリエイティブムーバー」第3弾として誕生。5ナンバー最大クラスの室内空間を確保し、家族みんなの使い勝手を徹底追求した。125馬力/185kgmを発揮する2リッターエンジンに4速ATを組み合わせていた。グレードは8人乗りのWとG、5人乗りのNという3グレードが用意された。2001年の生産終了まで、約47万台が販売されている。
2代目(2001年~2005年)
大ヒットした初代のコンセプトを受け継ぎ、「子供を中心とした家族のバンザイ」をコンセプトに誕生。「広さと機能を追求した空間設計」「心地よさと経済性と扱いやすさを融合させた走り」「空間の広さや楽しさを映すスタイリング」という3つの要件を満たすように開発されている。スタイリングは先代の雰囲気を残しつつ、室内は前モデル比で室内長は70mm、室内高は15mm、室内幅(頭上部)は40mm拡大。さらにゆったりとした空間が与えられた。
搭載するエンジンは、新世代2リッターDOHC i-VTECを全タイプに採用。最高出力160馬力、10・15モードで13.2km/Lという低燃費を実現していた。スポーティな内外装の「スパーダ」は、2代目から登場している。累計販売台数は約28万台。
3代目(2005年~2009年)
開発コンセプトは「使って、過ごして、走って楽しいファンダフル・ムーバー」。ユーティリティ・ミニバンの空間のゆとりやセダンの走りの質を高次元で併せ持つという、次世代のユーティリティ価値を追求している。
ホンダ自慢の低床・低重心プラットフォームを採用し、従来同様の室内高を保ちながら、さらに60mmの低床化と40mmの低重心化を達成している。さらに、75mmの低全高化、全長を45mm短縮させるなど、ゆとりある室内空間を持ちながらもボディサイズはコンパクト化させている。そのほか、乗用ミニバンとして初となるフローリングフロアや、自然光を取り入れるトップライトルーフなど、リビングルームでくつろいでいるかのような快適空間を演出している。
搭載するパワーユニットは、最高出力155馬力/最大トルク188Nmの2.0L DOHC i-VTECエンジンと、最高出力162馬力/最大トルク218Nmを発揮する2.4L DOHC i-VTECエンジンの2タイプが用意されていた。約29万台が販売されている。
4代目(2009年~2015年)
3代目の特長でもある低床・低重心パッケージをベースにフルモデルチェンジし、「みんなの楽」=“皆楽”をキーワードに開発されている。2.0L i-VTECエンジン+CVTで力強い走りとクラストップの14.2km/Lという低燃費を両立している。
スクエアな雰囲気をもつエクステリアデザインに生まれ変わり、全長は50mm、全高は45mm拡大。室内高は1395mmとクラス最大のゆとりある室内空間を実現した。開放感と広さ感を高めるため、ガラスエリアを拡大。当時世界最大級のガラス面積を誇るスカイルーフの採用により、開放感あふれる室内空間としていた。累計販売台数は、約32万台。
5代目(2015年~)
新開発の1.5L VTECターボエンジンを搭載。2.4L自然吸気エンジン並みのトルクにより力強い走りと17.0km/Lという低燃費を実現。2017年9月にマイナーチェンジが施されている。累計販売台数は150万台を突破した。
現行版の詳細スペックをおさらい
基本スペック
現行モデルは、2.0L DOHC i-VTEC+i-MMDを組み合わせるハイブリッド、1.5L VTECターボを組み合わせるガソリンエンジン車の2モデルがラインアップされる。ベーシックなGグレードはガソリンエンジンのみ、スポーティなスパーダは、ハイブリッドとガソリンエンジン車から選択可能だ。また、スポーティな走りが楽しめるグレード「モデューロX」も設定され、こちらもハイブリッドとガソリンエンジン車の両方から選択可能だ。
・1.5L VTECターボ(WLTCモード燃費:13.6km/L)※FF車
G・Honda SENSING 271万4800円(FF)/295万6800円(4WD) G・EX Honda SENSING 291万9400円(FF)/313万9400円(4WD) SPADA・Honda SENSING 292万500円(FF)/316万2500円(4WD) SPADA・Cool Spirit Honda SENSING 312万2900円(FF)/332万900円(4WD) Modulo X Honda SENSING 359万9200円(FF) Modulo X Honda SENSING(10インチナビ) 395万4500円(FF)
・2.0L DOHC i-VTEC+i-MMD(WLTCモード燃費:20.0km/L)
e:HEV SPADA G Honda SENSING 342万7600円(FF) e:HEV SPADA G EX Honda SENSING 364万1000円(FF) e:HEV Modulo X Honda SENSING 409万4200円(FF) e:HEV Modulo X Honda SENSING(10インチナビ) 444万9500円(FF)
・ボディサイズ(スパーダ)
全長×全幅×全高(mm):4760×1695×1840(4WDは1855)
・ボディサイズ(G)
全長×全幅×全高(mm):4690×1695×1840(4WDは1855)
特長その1 わくわくゲート
ミニバンと言えば、大きなテールゲートが特長のひとつ。リヤウインドウ部分から上のみも開閉するモデルもあるが、基本的にはボディ下部からガバっと上へ開くタイプが一般的。もちろん、ステップワゴンも同様だが、注目したいのが横開きも可能なわくわくゲートだ。
マンションやショッピングモールの駐車場など、車両後方に余裕のない駐車スペースでは自由に開閉させることができない場合もある。その際に、テールゲートの約半分を横開きで開けることができるという、画期的な装備だ。荷物の出し入れのみならず、3列目シートへの乗り降りも可能となるので利便性は非常に高いと言えるだろう。
特長その2 最新の安全運転支援システムを搭載
ハイブリッド車、ガソリンエンジン車に関わらず最新の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を搭載している。衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、車線維持支援システム、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能を備えている。これにより、G Honda SENSINGとG EX Honda SENSINGはサポカーSベーシック+、それ以外のグレードはサポカーSワイドに該当。
また、雨や雪の日での横滑りを抑制するVSA、急ブレーキした際に後続車へハザード点灯で状況を知らせるエマージェンシーストップシグナル、坂道発進での車両後退を防ぐヒルスタートアシスト機能、4つのカメラで周囲の状況を判断できるマルチビューカメラシステムなど、安心して運転することが可能だ。
走る楽しさを際立たせたモデューロXにも注目
モデューロXは、ホンダ車を知り尽くす熟練のエンジニアが、ベース車両のもつ走行性能を引き出して磨き上げたコンプリートカーブランド。走りのみならず、居住性やデザインにも手を加え、魅力を高めている。
ミニバンでありながら、サスペンション設定と空力特性をチューニングしたことで、車体前後のリフトバランスを高めて4輪の接地性を向上。専用17インチアルミホイールも装着し、運動性能をアップさせた。
専用のエクステリアデザインのほか、インテリアもモデューロX専用となるブラックコンビシートや本革巻きステアリングなど、ベースグレードとは異なる世界観を演出する。
パワートレインはハイブリッドとガソリンエンジン車の両方が設定されているが、ベースグレードに対して変更はなし。サスペンションや空力特性の見直しで、ミニバンらしからぬ走りを披露する。高速道路での安定性はもちろん、ワインディングでのスッとインを向く軽快なハンドリングなど、もちろんスポーツカーには敵わないが気持ちいい走りを楽しめる。結婚し、子供が生まれたことでスポーツカーを手放したパパにオススメの1台だ。
今秋に新型登場の噂も?
発売から6年が経ち、そろそろ新型モデルが気になるころ。2021年4月の新車販売台数では、ステップワゴンは16位で3611台。ライバルはというと、トヨタ・ヴォクシーが5593台で8位、兄弟車のトヨタ・ノアが3701台で14位。日産セレナは3342台で18位となっている。ちなみに2020年度の販売台数では、ステップワゴンが3万6091台に対し、トヨタ・ヴォクシーが7万1903台、トヨタ・ノアが4万6755台、日産セレナが6万5302台となっており、ライバルに対して差をつけられている。
価格においても、ステップワゴンは271万4800円~364万1000円、ノア&ヴォクシーが250万9920円~328万6440円、セレナは257万6200円~380万9300円(すべてFF)で、エントリーグレードではライバルに対して約20万円も高いため、少しでも安く乗りたいユーザーはノア&ヴォクシーやセレナを選択する可能性は大いにあるだろう。
一部ウワサでは、2021年秋には発売されるのでは? という声もあるが現状定かではない。注目の装備だったわくわくゲートは、一部改良によって非搭載モデルが用意されることもあり、次期型では採用されない可能性もあるだろう。
2040年には全車EV&FCV化を宣言しているが、まだ次期型ステップワゴンではガソリンエンジン車も用意されるだろう。しかし、メインとなるグレードはハイブリッドとなるはず。現在は2.0Lガソリンエンジン+モーターだが、新型ヴェゼルに搭載されている、1.5Lガソリンエンジン+モーターになるのではないだろうか。
次期型がどのような技術を投入するか期待!
各世代で画期的な技術を採用してきたステップワゴン。ライバルにはない魅力があり、多くのファンに支持されてきた。ファミリー層に人気のMクラスミニバンだけに、これからも運動性能と実用性を兼ね備えたモデルとして、進化を続けてほしい!
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みんなのコメント
オデッセイを廃止して、ステップワゴンを1ランクアップさせるような価格設定で
アルファード対抗車種として再出発・・・
ホンダお得意の大失敗なシナリオですねw
目的に過ぎず、現実はもう役目を終えたでしょ。
だって過去のステップワゴンに乗ってる
周りの人達はフリードやN-BOXに乗ってるもの。