ホンダがリリースした「SmaChari(スマチャリ)」は、電動アシスト自転車(e-BIKE)そのものではなく、モーターとバッテリーのアシストユニットと、それらを制御するスマートフォン用アプリの3点で構成されたシステムです。それらを既存の自転車に取り付けることでe-BIKEに変身させることができる、というものです。
「SmaChari」の取り付け方はシンプルで、ペダルが装着されている棒状の「クランク」の根元で回っている回転軸とベアリングが一体になった「ボトムブラケット(通称:BB)」をズボッと抜いてBBとフロントギア、クランクがセットになったモーターを差し込み固定。そして電源となるバッテリーをボトルホルダーを留めるためのダボ穴を利用して装着すれば完了です。後は専用アプリをインストールしたスマホを用意すればe-BIKEとして利用できます。
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シンプルな取り付けと言いつつ、BBを外して交換するには専用工具などが必要となるので、素人にはハードルが高いかもしれません。ある程度の知識と技術があれば取り付けることも可能ですが、基本的には自転車屋の仕事になります。
ホンダは今後「SmaChari」をあらゆる自転車に搭載できることを目標としていますが、現時点では取り付けの汎用性や、販路、価格などは決まっていません。市販に向けては段階的とのこと。
まずは通勤・通学といった実用用途を目的に、日本ブランドの「KhodaaBloom(コーダーブルーム)」のクロスバイクにあらかじめ搭載された完成車「RAIL ACTIVE-e」(予定価格22万円・消費税10%込み)を、スポーツサイクル専門店「Y’s Road(ワイズロード)」にて2023年10月に発売予定です。
後付けの電動アシスト自転車はどのようなものなのか、発売を前に試乗してみました。
試乗コースは「豊洲市場」がある豊洲と対岸の晴海をつなぐ「晴海大橋」を往復するショートコースです。緩やかに長い登り坂が続くので、普通自転車で走るにはなかなか厳しく、電動アシストの機能を確かめるには十分です。
「後付け」ということで、試乗前は既存のe-BIKEのように走ってくれるのか半信半疑でしたが、実際に乗ってみるとその不安は払拭されました。漕ぎ出しや坂道でしっかりとアシストしてくれます。既存のe-BIKEと遜色のないレベルです。
そして特筆すべきは、専用アプリによるアシスト機能の制御です。
自分の好みでアシストの強さなどを変更できますが、AIが制御するモードでは、平地ではアシストを弱くし、坂道では強くなるなど、漕いでいる状況に合わせて自動的にアシストの強さを変更してくれるので、ストレスを感じることなく走ることができます。他メーカーにも同じような機能がありますが、「SmaChari」の場合は漕ぎ出し時のアシストの強さも調整してくれるので、きめ細かな調整という点では目を引くものがあります。
今回リリースされた「RAIL ACTIVE-e」は、フル充電で約100km走行可能ということで実用性に問題はないでしょう。また、後付け電動アシスト自転車として初めて、日本交通管理技術協会の型式認定を取得しており、子供の通学用にも安心して使うことができます。
注意点としては、アプリがインストールされているスマホのバッテリーが切れてしまうと、電源を入れることができなくなってしまう点ですが、それも「SmaChari」のバッテリーから給電できるという機能でカバー。いざという時はバッテリーからスマホを充電して電源を入れることができます。モバイルバッテリーとしても充分な容量があるので、万が一の際にも心強い味方になってくれそうです。
前述の通り、現在は「SmaChari」単体での販売はありませんが、将来的にはあらゆる自転車に搭載できることを目指しています。
これまでのe-BIKEは各メーカーが用意した車種から選ぶことしかできませんでしたが、「SmaChari」が搭載可能となれば、体力の衰えを感じても長年の愛車に乗り続けることや、「タンデム自転車」に取り付けるなど、自転車の新しい楽しみ方が広がりそうです。今後の展開にも期待したいと思います。
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みんなのコメント
あとは汎用性がどれだけ高められるのか。ブリヂストンの自転車にも付くかな?うちにあるんだ、ビートって自転車が。