「重要な枠割」を担うクルマばかりに目が奪われる!?
国内外問わず、TVドラマや映画には、しばしば強烈な印象のクルマが登場する。例をあげると「西部警察」「ナイトライダー」などがそれにあたる。これらの作品では、もはや「クルマも主演級」だ。
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そのいっぽう、クルマはあくまでも話に必要な「小道具」「脇役」程度の扱いで、かつ主演する俳優陣が超豪華な注目作なのに、登場するクルマにばかり目がいってしまう……なんてこともある。そこで今回は、クルマ好きなら俳優陣よりもクルマに目がいってしまうTVドラマや映画と、そこに登場するクルマたちを5つ集めてみた。
1)「刑事貴族」×「マスタング・ソアラ・ヴァンプラ」
1990年から1992年まで、3部にわたって放送されたTVドラマ「刑事貴族(でかきぞく/日本テレビ系列放送)」。初期は舘ひろしを主演としたハードボイルドなアクション刑事ドラマで、舘ひろしの「男らしさ」「カッコよさ」が光っていた。なにしろ、乗っていたクルマが、舘ひろしの提案で、あえてボコボコ・傷だらけになった(涙)黒い「フォード・マスタング・マッハ1」なのだからシビれる。舘ひろしの荒々しい「一匹オオカミ」的なキャラクター・牧俊介ともマッチしていた。
ところが、舘ひろしは諸事情により16話でマッハ1とともに降板してしまい、そのあとを郷ひろみが継いで「トヨタ・ソアラ」とともに活躍するも、第2シーズンの「刑事貴族2」からは、主演が水谷豊にチェンジ。ファッショナブルでスタイリッシュな印象を押し出した内容に大きく路線変更が行われ、以降はそのイメージが定着した。そして主演や豪華俳優陣以上に、水谷豊演じる本城 慎太郎が乗る「ヴァンデン・プラス・プリンセス1300(ヴァンプラ)」の存在が光る。こちらも、マッハ1同様に登場人物のイメージにぴったりだった。
2)「グッドラック」×「40ランクル」
SMAPの木村拓哉(キムタク)といえば、1990年代半ば以降に主演したTVドラマや映画の多くがヒット作となり、各作品でいろいろな話題を生み出した。プライベートでもクルマが好き、というキムタクだけに、作中でもいろいろなクルマ・バイクを颯爽と乗りこなし、中には、2000年放送の「ビューティフル・ライフ」で登場した「ヤマハ TW200」のように、バイクのスタイルまで流行らせてしまったほど。
そんなキムタク主演のTVドラマで思い出されるのが「グッドラック(TBS系列)」(2003年放送)で出てきた「トヨタ・ランドクルーザー(40系)」だ。キムタクが演じるのは、ANAのパイロットで熱血漢の主人公・新海元(はじめ)。完璧を求められるパイロットが、無骨でアナログなランクル40系をあえて乗る……というチョイスが素晴らしい。
しかも劇中のランクルは「ホロ」で、よりワイルドなイメージが強調されていた。このほか、「プライド」(2004年)でもキムタクは「トヨタ・ハイラックス」のダブルピックアップにも乗っていたことが思い出される。
3)「トリック」×「パブリカDX」
2000年から2003年までレギュラー放送、そのほかTVスペシャルが3本・劇場版が4作作られて、2014年にシリーズが完結した「トリック(テレビ朝日系列)」。全編を通してコメディタッチで、登場人物のクセが強いことも特徴だ。主人公は、仲間由紀恵演の売れないマジシャン(自称は天才マジシャン)の山田奈緒子と、阿部寛が怪演する「どんな怪奇現状も科学で解明できる」という(自称)天才物理学者・上田次郎のコンビである。
その上田次郎の愛車は、「次郎号」と名付けられた「トヨタ・パブリカデラックス(UP10D型)」。劇中では恩師のクルマを譲り受けたという設定。いわゆるポンコツ扱いで、ドアが頻繁に外れるクセ(?)があったが、それものちにお笑いネタに。終盤にはなんとハイブリッド化や自動で動くように改造されるなど、謎の進化を遂げていた。
4)「8年越しの花嫁 奇跡の実話」×「86トレノ」
結婚を約束した中原尚志と麻衣。でも麻衣は、その直前に突然原因不明の病で倒れて意昏睡状態に陥ってしまった。それから数年後、麻衣は意識を取り戻したものの、記憶は失われており、尚志のことすら思い出せない。しかし2人はその後、困難を乗り越えて、ついに8年越しに結婚の約束を果たす……という映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話(配給:松竹)」。2017年12月に佐藤健・土屋太鳳主演で公開され、初登場3位・満足度1位を記録した。 この作品では、主人公の尚志が自動車整備工場に勤めているという設定で、愛車が「トヨタ・スプリンタートレノ(AE86)」だったことでも注目された。撮影には、岡山県在住のAE86オーナーの個体を使っているほか、ガレージや部屋の小道具もそのオーナーが提供したことで、クルマ好きのリアルさが追求されている。また、劇中には「トヨタ2000GT」なども登場。クルマ好きにも必見ポイントが多い作品だ。
5)「ザ・ファブル」×「ハコスカGT-R」
冷酷な凄腕の暗殺者「ファブル」が、佐藤明という偽名の“一般人”として大阪の街に1年間暮らすことになった。ファブルはありきたりなふつうの暮らしを楽しんでいたものの、裏社会の人々が起こすトラブルに巻き込まれていく……というストーリーの漫画「ザ・ファブル(講談社発行)」。無敵に近いファブルが巻き起こす、笑いも交えた高いエンターテインメント性から大ヒット作になった。そして2019年には、岡田准一・木村文乃・山本美月・福士蒼汰・柳楽優弥・向井理などそうそうたる面々で実写映画化(配給:松竹)もされており、2021年には第2作もスタンバイしているという。
このファブルにも、そんな豪華俳優陣から目を奪うような一台が登場する。それが、「日産・スカイラインGT-R(KPGC10型)」、いわゆるハコスカGT-Rだ。ファブルと関係が深い真黒組の若頭・海老原剛士の愛車で、倉庫に大切に保管されていた。劇中ではどんな活躍を見せるのかは、漫画・映画を見てのお楽しみだ。
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