もくじ
ー ふたつのフラッグシップ SクラスとEQ S
ー EQ SはEV専用プラットフォームを採用
ー EQ SのAMGモデルは600ps越えか
ー 革新的なデザインに
ふたつのフラッグシップ SクラスとEQ S
メルセデス・ベンツは、新型Sクラスに電動パワートレインや運転支援機能、数々の技術や優れたコンフォート性能を組み込むことで、アウディA8やBMW 7シリーズを圧倒しようとしている。
英国では来年配車が開始される予定のSクラスだが、これは史上初めてふたつのまったく異なるモデルに作り分けられるのだ。
標準バージョンはプラグインハイブリッドが採用される通常のSクラス。最大100kmのEV走行が可能だ。組み合わされる四輪駆動システムの4マティックも進化し、自由に駆動力の前後配分を変更できる。
もう一方は、ピュアEVとして空力性能を重視したボディが与えられ、内部情報によればEV専門のサブブランドであるEQのフラッグシップモデルとなる。 このモデルにはEQ Sの名前が与えられ、2022年に発売予定。WLTPサイクルで499kmを超える航続性能を持つという。
メルセデスは90億ポンド(1兆2400億円)を投資し、今後6年以内に英国でのピュアEVの普及を目指している。EQ Sもこのプログラムの一環だ。
EQ SはEV専用プラットフォームを採用
さらに、Sクラスには伝統的に2種類のホイールベースが用意されるが、内部でW223と呼ばれる新型Sクラスでは1種類に抑えられるという。
まだ公式に発表されてはいないものの、Eクラスの全長が4920mmにまで拡大していることを受けて、新型Sクラスではロングホイールベースのみとなり、全長は5280mmほどになる見込みだ。
SクラスにはMRAプラットフォームが採用される一方で、先進的な四輪駆動システムを備えるEQ Sには新しいモジュラー・エレクトリック・アーキテクチャ(MEA)が使用される。
小型のEQモデルには既存のものを元にしたプラットフォームが使用されているが、EQ Sにはバッテリーを搭載するためフラットフロアになっているEV専用の新規開発のプラットフォームが採用されている。
EQ SのAMGモデルは600ps越えか
新型Sクラスは直列6気筒の3.0ℓガソリンまたは2.9ℓディーゼル、AMG製の4.0ℓV8エンジンが搭載される。すべてのモデルがディスク型の電動モーターを組み合わせたATを搭載し、リチウムイオンバッテリーはトランク下に収められている。
ピュアEVのEQ Sはふたつの電動モーターを備え、それぞれが前後を駆動する四輪駆動システムを備える。
今後登場するEQ Cは同様のシステムで400ps、71.3kg-m以上を発揮するが、開発を担当するエンジニアによれば、EQ Sはさらにパワフルで、AMGモデルでは600ps以上にもなるという。
プラットフォームこそ異なるものの、SクラスとEQ Sは同じアクティブサスペンションシステムを採用する。現行Sクラスのエアマティックプラスを改良したもので、48Vシステムとステレオカメラを備えている。カメラが路面状況を読み取ると各車輪のスプリングとダンパーが調整され、車体の傾きやピッチングをコントロールする。
革新的なデザインに
新型Sクラスは脈々と続く伝統の上に新境地を切り開くという。
メルセデスのデザインスタジオに務める情報筋によると、この新しいデザインが新世代のモデルすべてに影響を与えるようだ。
最近入手したプロトタイプの目撃写真をみると、3本のラインが入ったLEDヘッドライトやクラシックメルセデスを解釈し直した新しいグリル、空力性能にも寄与する収納式のドアハンドルなどが特徴的だ。
一方のEQ Sは特徴的なスタイリングを纏うようだ。ボンネットは短く、CLSのようにフロントガラスを大きく傾斜させ、デザインの自由度が高いEVのアドバンテージを生かす。
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