■税金が約半額、新車時の車検が少し違う
軽自動車には、「4ナンバー」と「5ナンバー」というナンバープレートの種類があります。たとえば、『<地名> 480 の 1234』のように陸運事務所またはご当地の「地名」の次にある3桁の数字で区別されます。
「8ナンバー」は車税安い? かつては節税のため不正も横行 今もメリットはある?
その3桁の最初の1文字目が4なら「4ナンバー」、5なら「5ナンバー」となります。では、その区別で分類、税金、車検、保険の何が違うのでしょうか。
「4ナンバー」は小型貨物車、「5ナンバー」は小型乗用車という扱いです。普通乗用車での「4ナンバー」は毎年車検ですが、軽自動車の「4ナンバー」は、「5ナンバー」と同じ2年ごとの車検になります。
また、毎年5月に払う軽自動車税は、「4ナンバー」のほうが安いです。例えば、2015年4月以降に最初の新規検査を受けた自家用のクルマと仮定した場合、「4ナンバー」の軽自動車税は、5000円なのに対して「5ナンバー」は、1万800円と倍以上です。
軽自動車の車検は、「4ナンバー」、「5ナンバー」ともに2年毎です。新車時では「5ナンバー」だけ3年となり、1年長くなっています。3年経過以降の中古車を買うなら全く同じになります。
■4ナンバーになるには小型貨物車の要件がある
金額感で検討すると「4ナンバー」が有利そうですが、「4ナンバー」を取得するには条件があります。まず、小型貨物車の扱いになるため荷室に関する条件を満たすことが必要です。
スズキ「アルト」には、外見がほぼ同じで「5ナンバー」仕様と「4ナンバー」仕様の「アルトバン」があります。「4ナンバー」仕様は、後席が窮屈で「5ナンバー」仕様よりも乗員空間の余裕はありません。小型貨物車のため荷物優先という構造です。
また、小型貨物車のための貨物用サイズが必要です。一般的な乗用車用の『155/65R13』のようなサイズ表記ではなく、『145R12 6PR』または『145/80R12 80/78N』といった貨物用サイズで耐荷重強度指数に適合したものが必要です。そのため、タイヤの種類の制限からホイールのインチアップはまず難しいです。
ホイールについては、小型貨物車はスチールホイールが必要といわれた時代もあったようですが、2014年に改定された最新の基準では『JWLマーク』が付いたアルミホイールであれば、軽自動車の小型貨物車の重量範囲なら使用できます。
「4ナンバー」と「5ナンバー」は、かかる費用や法的な条件に違いがあるということです。
■4ナンバーの任意保険はあまり差はない
任意保険では、『「4ナンバー」だと違う保険になるのでは?』 と考えている人もいると思います。
事業用の保険に入るつもりなら全く違う保険になりますが、現在の個人向け保険では「4ナンバー」も問題なく対応しており、保険の種類が違ったり、保険料が大きく変わったりすることはまずありません。
個人向け保険ならば、「5ナンバー」の軽自動車や普通乗用車からの乗り換えにも対応していることがほとんどです。いくつかの自動車保険で調べた限り、普通乗用車は「3、4、5ナンバー」と一部の「1ナンバー」に対応、軽自動車は「4、5ナンバー」に対応していることが多いです。
その場合、セダンタイプの乗用車から軽トラックに買い替えたとしても車両の入れ替えを保険会社に連絡すれば変更が可能です。
実際の手続きや保険料については、保険会社とよく相談したほうが良いでしょう。年齢条件などによっては小型貨物車用の保険が安くなるケースもあるようです。
■ホンダの新型「N-VAN」は4ナンバーで登場
「4ナンバー」の軽自動車といえば、軽トラックや配達などで使う軽バンが該当します。
ホンダから新しく発売される軽バン「N-VAN」も小型貨物車のため「4ナンバー」となります。ただし、そのスクエアでシンプルなスタイリングから配達用というよりも個人用途でレジャーなどに使われることが想像できます。
ホンダ「N-VAN」を買った場合、新車購入時にかかる諸費用のうち、自賠責保険と重量税の費用が車検有効期限の2年分です。
車検整備のタイミングと整備にかかる費用の発生が最初だけずれる以外は、何年も乗った場合のコストはほとんど変わらないと思われます。「4ナンバー」だからといって何か手続きが増えたりということはないようです。
軽バンは、後部座席が窮屈だったり、タイヤ選びに制限が出てくることは覚悟しなければなりませんが、荷物をたくさん積んで1~2人で出かけるような使い方では「4ナンバー」のメリットが生かされます。自動車税も安く、気楽に多彩なライフワークが楽しめるクルマになるのではないでしょうか。
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