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【レクサスLC詳細解説】ドライバーの意図を読み取るハイブリッドシステム

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【レクサスLC詳細解説】ドライバーの意図を読み取るハイブリッドシステム

 エンジン出力を余すところなく引き出し0-100km/h加速は5秒以下

 パワートレインはハイブリッドのLC500hが3.5リッターV6エンジンと10速マルチステージハイブリッドシステムの組み合わせ、LC500は5リッターV8+Direct Shift‐10速ATとなっていて、いずれもレクサスの最新テクノロジーが凝縮された革新的なユニットに仕上げれられている。今回はLC500hのシステムを紹介しよう。

【開発陣に直撃】レクサスLCは幸運から生まれた奇跡のデザイン

 エンジンは8GR-FXSという新型式で、3.5リッターの2GR系をもとに、GR系エンジンの集大成として開発された。排気マニホールド一体型シリンダーヘッド、EGRシステム追加、運動系部品の軽量化により主要部は作り変えられている。

 圧縮比の13:1は同じだが、バルブ駆動系やピストンといった往復運動系の軽量化が実施され、GS450hの2GR-FXEと比較すると最高出力回転数は6000rpmから6600rpmへ高められ、最高出力は3kW(4馬力)プラスの220kW(299馬力)を発揮。最大トルクの356N・mは同じだが、発生回転数は4500rpmから5100rpmと引き上げられてエモーショナルな味付けに仕立て直された。

 可変バルブタイミング機構は、Dual VVT-iを採用。オイルコントロールバルブをVVT内部に配置するセンタースプール構造を採用し、応答性、低温域での作動性を向上させた。燃料供給方式は、ポート噴射とシリンダー内直接噴射を併用したD-4Sを採用する。

 またヘッドカバー、冷却系部品は樹脂製を採用して軽量化を行なった。

 ハイブリッドシステムで注目されるのが、世界初のマルチステージハイブリッドシステムだ。従来のFR用THS-IIはモーター部のみ2段変速(Lo:3.9 Hi:1.9)でモーターアシストの使用域を拡大してはいたが、エンジンの最高出力を使用できる車速域が120km/h以上だった。

 新システムでは、THS後部にプラネタリーギヤ2組を使った4速ステップ変速機構が加わる。変速比は、1速が3.538、2速が1.881、3速が1.0、4速が0.653だ。発進加速ではガソリン車と同等の約60km/hからエンジンの最高出力を発揮でき、速度上昇にともなってギヤ段を上げていくことで、モーターのもっとも効率のよいポイントを幅広い速度で使うことができる。

 さらに純エンジン車のLC500と同じ10速の変速段を持たせたリズミカルな加速特性を実現するために、発電機でエンジン回転数を変化させる電気変速制御も取り入れた。

 従来のハイブリッド車では無段階変速の電気式CVTで、加速時にはエンジン回転数が先に上がって加速感があとから上昇するというタイムラグがあったが、新システムではエンジン回転数を有段的に制御することでダイレクト感のあるものとしている。10速の構成は、ステップ変速機構の1-3速までは電気式変速の3段がそれぞれ組み合わされて9段、ステップ変速機構の4速では電気式1段の合計10速が作られており、1速目は実現できるもっとも低いギヤ比である4.701に設定されている。

 この機構によって低車速域からエンジン最高出力を使用できるため、エンジンから取り出せる出力が向上し、従来の5リッターV8ハイブリッド車を超える駆動力を生み出せるようになった。10速は全域クロスレシオ化されているので、つながりのいいシフトとどの車速でもアクセルに即応する加速力を兼ね備えている。

 高速でのクルージングなど最高ギヤ段の選択時は、CVT制御によって可能な限りエンジン回転数が低く抑えられ、静かで燃費性能に優れた走りを実現。さらに頻繁な変速が起こるビジーシフトを抑制して、滑らかなクルージングをもたらす。

 ハイブリッド駆動用バッテリーは従来のニッケル水素からリチウムイオンとなり、34kgの軽量化と20%の小型化を達成し、車両中心への搭載によって低重心化にも貢献している。バッテリーのセル数は84個で電圧は310.8Vとなっている。

 制御面でもレクサスならではの新機軸が盛り込まれた。従来は燃費志向が強く、コーナーの入口などでエンジン回転数が下がるなどしていたため、減速・ターンインから脱出の際のリズムを乱すところがあった。LCでは、ドライバーの意図を読み取って最適な駆動力を発生するギヤ段を選択するAIシフト制御を開発し、Dレンジのままでも随時シフトスケジュールを変更するようになっている。

 これは車両の前後左右の加速度の変化から算出したDMI(ドライバーズマインドインデックス)指標によって、ドライバーの気持ちを推測していて、DMI値が一定値を超えた場合、Dレンジでドライブモードの切り替えを行なわなくても、ギヤ段をロー側にしたり、ブレーキングで積極的にシフトダウンする。さらにアグレッシブな走りと判定した場合は、バッテリーからの出力アシスト量を増やして、再加速での駆動力を高めて、トルク感ある走りを生み出す。

 さらにLCでは、力強い加速が必要なときにアクセルを踏み込むと、ドライバーの意図を汲み取り、システム最大出力を活用した加速力を生み出す制御もある。これは変速比を可変に切り替える制御でエンジン回転数を最高回転数まで活用。回転数低下を抑えるクロスレシオ変速を行うことで、ハイブリッドシステムが持つパワーを最大限に発揮する。5リッターV8ハイブリッド車も上まわる、0‐100km/h加速タイム5秒以下を達成している。

 また、ギヤ段を固定あるいは選択できるMモードをレクサスのハイブリッド車として初採用し、よりマニュアルライクな操作も楽しめる。

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