125ccスクーターで通勤すると、楽チンでしかもコスパがいい!ってホント? どのくらい“お得”なのか検証してみたら……。今まで乗らなかっっていなかったことが悔やまれる結果に⁉️しかもイマドキは125ccスクーターの免許(AT小型限定普通二輪免許)が最短二日で取得できるという、免許取得に追い風も! 情報盛りだくさんでお届けします。
満員電車が辛すぎて……
身長155cm、現役女子大生が足着き性をアレコレチェック!【150~400ccクラス編】/東京モーターサイクルショー2019
首都圏の通勤ラッシュは油断ならない。身体が宙に浮いてしまうほど人口密度の高い車内は、常に殺伐としていて、時に怒号が響き渡る。心と体を毎朝すり減らし、会社に着くころにはもうへとへと。
一方のクルマ通勤はプライベートな車内に自分一人でゆったりだけど、エブリディ渋滞にハマって時間を浪費してしまう。無駄な人生を過ごしているのではないかと、不安になってしまったり……。
そこで活躍するのがバイクだ! それも125ccのスクーターが超オススメ。なぜならシフトチェンジの手間なくスロットル操作だけでスイスイ快適、燃費もヨシ。小柄なので渋滞に強いのも自慢で、徒歩や乗り換えもある電車より通勤時間が短縮&通勤コストも安上がり!なんてこともあり得るのだ。
電車 VS 125ccスクーター どっちに軍配?
モーターファン.jp編集部員の自宅がある東京都中野区(最寄り駅まで徒歩10分)から、職場のある東新宿駅までの約4kmの通勤路をモデルケースに、電車とバイクでどれくらいの違いがあるか、検証してみた。
東京都中野区→東新宿間で比べてみた
■電車通勤の場合
通勤時間:26分
電車代:約160円(定期券購入・片道あたりで算出)
■バイク通勤の場合
通勤時間:約15分
燃料代:約14円(燃費40km/ℓ・レギュラー1ℓあたり135円で算出)
結果:125ccスクーター通勤の方が ”11分早い&146円安い”
片道あたりの違いが ”11分早い&146円安い”という結果となった。
往復なら、22分&292円得していることになり、
1ヶ月なら、660分&8760円、
1年なら、7920分(132時間)、105,120円もの差が生じる!
なお、125ccスクーター通勤をした場合、”遠距離で乗り換えナシ”よりも、”近近距離で乗り換えアリ”のケースのほうが、お得度が増すようだ。
※車両購入代、維持費などは含まずに計算しています。
塵も積もればなんとやら。年間に132時間分も自由になる時間が増えて、10万円分の欲しいものが買えると考えると、とってもハッピーな気分になってきた! 浮いたお金で温泉巡りのツーリングなんてのもいいかもしれない。バイク通勤のお得っぷり侮れず!
また実際に車での通勤も何度かしてるけど、渋滞にはまってバイクの二倍近く時間がかかるなんてザラにあるし、そんな時は「バイクにすればよかったぁ~」っていつも後悔……。
125ccスクーターの長所&短所
■ここが○
・30km/h規制や二段階右折義務がない
・二人乗りOK!
・オートマで簡単操作
・荷物が積めるシート下収納
・ユーティリティも充実!
・税金や保険がリーズナブル
■ここが×
・高速道路や一部走行レーンなどが走れない
・長距離移動はビッグバイクに軍配
原付二種クラスの主流排気量は124cc
さてここからは「そもそも125ccスクーターのことをよく知らないんだけど?」という方のために、車両の特性やさらなるメリットなどについてじっくりと説明しよう。
まず125ccスクーターとは、総排気量が50cc以上125cc未満の「原付二種((第二種原動機付自転車)」のことを指す。運転するには小型二輪免許以上が必要となるけど、これは最後に詳しく紹介。
現行で発売されている原付二種のスクーターは、このクラスでリミットいっぱいの124ccに設定されている車両がほとんど(現行モデルでは110ccなどもあり)。なので厳密には“124ccスクーター”なんだけど、世間一般では便宜上125ccスクーターと表現されることが多い。
30km/h規制ナシ、二段階右折ナシはやはり大きい!
125ccクラスは「30km/hの速度規制」と「二段階右折の義務」がなし! これは50ccクラスと比較した場合の最大のメリットと言っても過言ではない!
法に縛られず(笑)、50ccスクーターに肉薄する取り回しの良さで軽快に街中を駆け抜ける!これこそが125ccスクーターの真骨頂なのだ。
二人乗りできるからデートにもOK!
50cc以上で乗車定員が二名以上のバイクは二人乗りが可能。家族や友達と連れ立って出かけたり、時にはお迎えに行くことできる。当然、125ccスクーターもOK!
とくに大柄な車格の125ccスクーターは二人乗りもしっかりと考慮されているから快適なタンデムが楽しめるのだ。先に述べた通り、パワフルかつスムーズなパワーユニットだから、大人二人が乗車していても十分に走ってくれる。
オートマで簡単・機敏に街を駆ける!
これのなにがいいかと言うと、同じ原付(一種)のスクーター(49cc)と比較して、純粋に2倍以上の排気量、すなわち2倍の出力(パワー)が得られるということ。街乗りで必要十分な加速力や最高速を持ち、幹線道路などのスピードレンジが高いステージでも交通の流れにらくに乗れる。
さらに、スクーター=オートマチック(AT)という駆動機構も扱いやすさに直結する。ミッション車(MT)のようにクラッチ操作&シフトチェンジの必要がなく、スロットル(アクセル)を開くだけで加減速をコントロールできるからビギナーでもとっつきやすく、すんなり運転ができるはず。
燃費は乗り方や気温などに左右されるけど、少なくとも30km/ℓ以上、長い時は50km/ℓ近くまで走れることも。燃費性が良いほどランニングコストは浮くからここも要チェック!
荷物を放り込めるトランクスペース!
さて、車体についてもう少し詳しく見ていこう。スクーターにはシート下に収納スペース(メットイン)があるのはご存じだろう。今でこそ当たり前の機能だけど、初めて登場した1980年代半ばの時代は前カゴやせいぜいインナートランク程度しかなく、ヘルメットがすっぽり収まるこのシステムは革新的なものだった。1990年代以降は一部の車両を除き、ほとんどのスクーターに採用されるまでに浸透したのだ。
この“収納”は年々進化を続けており、近年はシート下スペースにヘルメットが二つ収まるほどの大容量のモデルも登場し、フロントにもカバー付きの小物入れが設けられるなどユーティリティは高級車並みに!?
この収納スペースがあることでとくにお買いもので重宝するし、突然の雨でも荷物を濡らさずに済む。またロック付きだから荷物の盗難の心配も軽減できる。
DCソケットからABSまで、安全・便利な機能が充実!
さらに便利な機能として、近年のバイクは車のようにUSBポートまたはシガーソケットを標準装備している車両が多く、125ccスクーターも例外ではない。安価な50ccスクーターではあまり見かけることのない装備だ。スマホをナビ代わりに常用したり、出先でガジェット類の充電ができるのは嬉しい限り!
これらのユーティリティの他、50ccクラスと比較するとブレーキや足周り、電装系などもグレードが高いものが装着されているケースが多く、ABSやスマートキー、ハイブリッドシステムといった先進的な装備を持つモデルも存在する。
年間たったの2400円! 税金面も優位
さて実際に所有して使用した場合に他にはどのような利点があるのか、具体的に見ていこう。
まずは税金について。125ccスクーターは先述した通り、原付二種(第二種原動機付自転車)に区分される。軽自動車重量税は125cc以上のバイクに課せられるので、原付の125ccスクーターはゼロ! この重量税は最低でも年額1900円は必要だからこの分お得となる。こういった細かなコスト削減が家計に大きく響いてくるものだ。
軽自動車税は2400円/年かかるけれど、50ccクラス(原付一種)の2000円より400円高いだけ(なお125cc以上は3600円)。差額が缶ジュース3本と考えればさほど高くは感じない?
次は保険について。必ず加入しなければならない自賠責保険の2019年度版の料金は、排気量問わず原付は7500円(12か月)。これは50ccクラスと同額だし、一年(12か月)単位で最大五年(60か月)分まで加入することができるので、長く契約すればするほどお得に! 五年年加入した場合の料金は1万6990円で、年単位では約3400円と1年加入時の半分以下!
保険はファミリーバイク特約が人気!
加入義務のない任意保険は、原付での加入率が約3割と言われている。万が一を考えればぜひ入っておきたいところ。任意保険は年齢や走行距離、車種などによって異なるので一概には言えないけど、年額1万円~3万円位が目安。
もし車を所有している人なら、車の保険に付帯するファミリーバイク特約がオススメだ。これは125cc未満のバイクを対象としたもので、保険料にプラス5000円~1万円程度で補償が受けられる。また保険会社によっては125cc未満のバイクなら複数台所有してもこの特約一つでカバーできる、という点もメリットと言えるだろう。
125ccスクーターはセカンドバイクにも適任!
さてビッグバイクとの比較が出たところでもう一つ。バイクを複数台所有している人も多数いて、小型車をセカンドバイクとして購入しているケースが多い。
大きくて重い大排気量車はとにかく出し入れが面倒……。だから、普段使いでは小排気量車に乗るという使い方をしている人が多く、中でも手軽な125ccスクーターが選ばれる率は高い傾向にある。
渋滞に強いのは先に述べた通り、狭い路地でのUターンやスーパーなどの駐車場で停める際にもラクだし、なんなら歩道を押し歩くことも苦労なく行える。
また車体価格だけでなく、消耗品の価格も大排気量車と比べて割安なので、メンテナンス費用が安く抑えられるのも長く乗るなら税金や保険同様に注目したいところだ。
125ccスクーターは、最短二日で取れるAT限定小型免許で運転OK!
最後は免許のお話。ここまで読んで「125ccスクーターが欲しい!」って思っても免許がなくちゃ運転できませんから。
現在、バイクに乗っている人なら当然知っていることかもしれないけど、おさらいの意味も込めてぜひどうぞ!
二輪免許は大きく4つに分類されていて、50cc以下、いわゆる“原チャリ”に乗れる原付免許、125cc未満のバイク(原付二種)が運転できる小型自動二輪免許、次が400cc未満を運転できる普通自動二輪免許、最後が排気量の制限がない大型自動二輪免許となる。
小型以上には『AT限定』免許も!
さて上記は車両の排気量で分けられているけど、小型~大型二輪免許には車の免許と同じく『AT(オートマチック)限定』という項目が2005年から創設されている。つまり原付を除く免許には2種類があり、合計7種類の二輪免許が存在することになる。
バイクにおけるATは一部車種を除いて事実上スクーターが該当し、このAT限定免許の導入のキッカケになったのは当時大流行した250cc以上のスクーター(通称ビッグスクーター)が多分に影響していると思われる。ちなみに、AT限定の大型二輪免許は650cc以下に制限されている。
シフトチェンジの必要がなく、スロットルを開くだけで走れるスクーターは、MT(マニュアルミッション)車よりも操作が簡単なため、バイクに興味がない一般層からも支持を集め、買い物や通勤・通学などの主に日常の足代わりとして1980年代初頭から徐々にユーザーを増やしてきた。そこにAT限定の免許が導入されたことによって、その有用性と認知度が一層高まることに! 中でも125ccクラス(小型二輪)のスクーターの勢いは凄まじく、現在は各バイクメーカーの主力にもなっている。
原付バイク(50cc未満)は車体価格がリーズナブルだし、先述した通り車の免許でも乗ることができるので手軽で便利だけれど、この排気量の規格は車で言う軽自動車(660cc未満)と同じように日本独自のバラパゴス的存在だ。
国によって免許制度は異なるけど、世界規模で見れば124ccが二輪免許の最小区分という位置づけになっていて、50cc未満のバイクはほぼ国内需要だけで完結してしまう、非常にパイの小さいカテゴリーとなっている。
近年は燃費や排ガス規制が強まったことによって生産コストが増大し、生産・販売中止を余儀なくされるモデルも相次いでいて、各バイクメーカーではこの50ccクラスのラインナップが軒並み減少傾向に。かつては二輪全体の売上台数40%以上を占めていた原付は見る影もない……。
また原付(50cc未満)は30km/hの速度規制が設けられていて、幹線道路などでは他車と速度差が生じて交通の流れに乗れず、逆に危険な場合も。
このような背景も手伝って、近年は日本でも原付免許で運転できる排気量を50cc未満ではなく、124ccまで引き上げようという動きが活発になってきている。この制度が採用されるのもそう遠い未来ではないかもしれない。
”小型二輪AT”の免許取得は最短二日
話は変わって、みなさんは運転免許をどのようにして取りましたか? 中には一発試験という豪胆な人もいるだろうけど、多くの人は教習所に通ったはず。二輪免許については、2018年5月31日から道交法規則が見直され、AT限定小型二輪免許の取得期間が最短三日から二日に短縮されることになったのは周知の事実。
具体的には、今までは生徒の疲労などを考慮し、1日に受けられる技能講習が3時間までだったのが4時間までに変更されたことで、計8時間必要な技能講習が二日で修了できることになった(車の免許保持者の場合)。
これも先ほどの「124cc(原付二種)をスタンダードにしよう!」という目論見の一つであり、広くは二輪離れを打開する改正といえるだろう。
二輪免許を取得する人は、原付を除けば普通または大型自動二輪が圧倒的に多いけど、AT限定免許を取る人は年々増え続け、小型二輪免許では半数以上の人がAT限定を取得している(参考資料:平成29年運転免許統計 ※編集部調べ)
取得費用は7万円~
それこそ自転車の代わりとして便利に扱えるのは、やっぱり小型(125cc未満)、しかもスクーター(AT)に他ならず、この機会にバイクに興味がない人でもワンクラス上のステージを味わえるAT限定小型自動二輪免許を取得してみては?
教習所での取得費用は車の免許を持っている人なら7万円前後(免許なしまたは原付免許のみだと11万円前後)。
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