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ルクレール最速も、ラッセルがラストアタックで肉薄。RB角田裕毅、5番手|F1バーレーンテスト最終日

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ルクレール最速も、ラッセルがラストアタックで肉薄。RB角田裕毅、5番手|F1バーレーンテスト最終日

 バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催されたF1のプレシーズンテスト。最終日の最速タイムを記録したのはフェラーリのシャルル・ルクレールだった。

 テスト最終日となる3日目は、2日目と同じ排水溝カバーが破損するという不測の事態が発生したことで、セッション開始から実質30分ほどで走行中断。赤旗で走行が中断されていた時間を昼休みに充てるような形で、現地時間11時45分から19時まで午後のセッションが休憩なしで行なわれることとなった。

■2日目に続いてまたもコース破損。セッション序盤ではサインツJr.が暫定トップ|F1バーレーンテスト最終日

 走行が再開されると、各チームが一斉にコースインし、ショートランを繰り返した。中でもメルセデスのルイス・ハミルトンは、最もやわらかいC5タイヤを履いたが、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)やセルジオ・ペレス(レッドブル)に次ぐ、3番手止まりだった。

 一旦各車のショートランが落ち着くと、ロングランを実施するチームが多くなった。中でもRBのダニエル・リカルドは、レースシミュレーションを実施し、実際のレース距離と同じ57周を連続走行。その最終スティントではでグラデーションがほとんどない、光る走りを見せた。

 セッション残り時間5時間前後となると、多くのマシンがピットイン。ウイリアムズ以外のチームが、このタイミングでドライバー交代を実施し、シートやペダルのセッティングを変更するためしばらくガレージに留まった。

 ドライバー交代を済ませた後も、比較的ショートランを行なうチームが多く、C3タイヤでプッシュしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1分31秒058をマークし、午前中にサインツJr.が記録したタイムを上回った。

 フェルスタッペンは残り3時間を切ったタイミングでも、C3タイヤでのアタックを敢行。1分30秒763までタイムを更新した。C3タイヤは開幕戦バーレーンGPでソフトタイヤとなるため、多くのマシンがこのタイヤで感触を確かめた。

 それに反応するかのように、ルクレールはC4タイヤでのアタックを実施。1分30秒409をマークしてトップに立ったが、フェルスタッペンとの差は0.346秒と、タイヤの違いを考えるとライバルを突き離すには至らなかった。

 その後も、多くのチームが主にC3タイヤでタイムを出しにいくなか、ルクレールは新品C4タイヤを連続で投入。テスト2日目のサインツJr.と同じようなプログラムで、1分30秒322までタイムを縮めた。

 日が沈み、サーキットの照明が灯る中、各車はロングランにプログラムを移行。開幕戦バーレーンGPでも非常に重要となるデータを集めた。

 しばらくタイムシートに大きな動きがない時間帯が続いたが、残り1時間を切ると、角田裕毅(RB)が続けざまにタイムを更新。C3タイヤで6番手にポジションを上げると、C4タイヤでさらにタイムを縮め、1分30秒775で3番手につけた。

 しかしさらに、ジョージ・ラッセル(メルセデス)と周冠宇(ザウバー)がセッション終了ギリギリのタイミングでC4タイヤでのアタックを完了。ラッセルがルクレールに0.046秒差に迫る2番手、周が3番手に食い込んだ。

 ルクレールやフェルスタッペンは終盤のパフォーマンスランを行なわないまま、長いセッションが終了。ルクレールがC4タイヤで記録したタイムが、テスト最終日の最速となった。

 結局、6番手アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)までのトップ6のうち、フェルスタッペンを除く5台がC4タイヤで最速タイムを記録している。

 角田はC3タイヤからの履き替えで0.5秒、周は実に0.9秒ほどのタイム向上を果たしており、仮にフェルスタッペンがC4タイヤを履けば、おそらくトップタイムに届いただろう。

 初日にウイリアムズがトラブルに見舞われた以外、クラッシュやマシントラブルによる走行中断はほとんどなく、各車が高い信頼性を発揮し走行を重ねた。

 最後にアタックしたタイミングもそれぞれ異なるため、今季の勢力図はほとんど予想できない結果となった。そんな中でもレッドブルとフェラーリは好調な様子を伺わせる。フェラーリはC4タイヤを積極的に使い、タイムを出しにいった一方でレースシミュレーションを疎かにしておらず、終盤はルクレールが淡々と周回を重ねた。

 レッドブルはフェルスタッペンがC4タイヤを全く使わず、C3タイヤでルクレールを射程圏内に収めているのはさすが。ロングランも安定していたが、燃料搭載量が分からない以上、ライバルとの相対的な競争力は未知数だ。

 テスト2日目に記録されたサインツJr.のタイムをルクレールやフェルスタッペンが上回らなかったことも、お互いが爪を隠しているように見える。

 一歩遅れているように見えたメルセデスも、最後にラッセルがルクレールまで僅差というところに迫っており、勝負できるクルマになっている可能性を匂わせた。

 RBの角田が速さを見せたかと思えば、最後に周が3番手に食い込んでおり、中団争いも大混戦模様だ。

 果たして開幕戦バーレーンGPがどんな結果になるのか。わくわくさせてくれるようなテスト最終日となった。

■F1プレシーズンテスト 最終日結果

1. シャルル・ルクレール(フェラーリ) 1分30秒322, C4 - 74 周
2. ジョージ・ラッセル(メルセデス) 1分30秒368, C4 - 67 周
3. 周冠宇(ザウバー) 1分30秒647, C4 - 85 周
4. マックス・フェルスタッペン(レッドブル) 1分30秒755, C3 - 66 周
5. 角田裕毅(RB) 1分30秒775, C4 - 53 周
6. アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ) 1分30秒984, C4 - 121 周
7. オスカー・ピアストリ(マクラーレン) 1分31秒030, C3 - 91 周
8. フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 1分31秒159, C3 - 75 周
9. カルロス・サインツJr.(フェラーリ) 1分31秒247, C3 - 71 周
10. セルジオ・ペレス(レッドブル) 1分31秒483, C3 - 53 周
11. ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース) 1分31秒686, C3 - 89 周
12. ルイス・ハミルトン(メルセデス) 1分31秒999, C5 - 49 周
13. ランス・ストロール(アストンマーティン) 1分32秒038, C3 - 46 周
14. ランド・ノリス(マクラーレン) 1分32秒108, C3 - 20 周
15. ピエール・ガスリー(アルピーヌ) 1分32秒149, C3 - 47 周
16. ケビン・マグヌッセン(ハース) 1分33秒053, C3 - 80 周
17. エステバン・オコン(アルピーヌ) 1分33秒079, C3 - 55 周
18. バルテリ・ボッタス(ザウバー) 1分33秒528, C3 - 28 周
19. ダニエル・リカルド(RB) 1分37秒015, C1 - 70 周

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