競技として成熟したドリフトコンテスト
かつてドリフトブームの最中、全国各地でカー雑誌が主催となるドリフトイベントが開催されていた。その中でも、よりストリート目線で読者との距離が近かったのが、BM(=Battle Magazine)誌の主催する「BM杯」だ。その後、残念ながら雑誌が休刊となったのに伴い、イベントの歴史にも幕を閉じることとなったが、その復活を望む声は意外と多かったそうだ。
魅せるドリフトが評価ポイント!審査委員は土屋圭市など豪華なメンバー【ドリフトキングダム2019第1戦】
話は2018年に戻るが、チューニングショップ・風間オートサービスの風間社長が、高橋慎一氏(当時のBM編集長)にひょんなところで話を持ちかけ、トントン拍子でBM杯復活は現実味を帯びてくる。決して「あの頃は良かったよなぁ~」という懐古主義ではなくて、「あの当時のピュアな思いで、純粋に走りを楽しみたい!」という人達に、場所を提供できたら…。
どんどん話は実現へ向けて動き出し、日程と場所も決定! ドリフト業界で顔の広い風間社長と高橋元編集長が声をかけると、あれよあれよと参加希望者が増えていく。
「どうせなら、プロ級の人でも楽しめる“レジェンドクラス”もやっちゃおう」となり、気づけばD1GPやフォーミュラドリフトジャパンなどのトップカテゴリーでバリバリに活躍しているドリフターまで次々と参戦。しかもこれ、ゲストとして呼んでるんじゃなく、みんな実費で遠方からエントリーしてきたというから驚き!
中村直樹、アンドリューグレイ、松井有紀夫、小橋正典、末永直登、時田雅義、古口美範、平岡英郎、前田謙、伊藤満紀などなど、もうお金払ってでも見たくなる豪華なドリフトドライバーだ。
外国人や若手は例外として、多くのレジェンドドライバーが、昔ストリート時代にBM杯に参加していたそうだから、これもまたビックリ。
14年振りの開催となった4月14日。会場となった日光サーキット(栃木県)は、早朝から熱気いっぱい。すんごいマシンもいっぱい並んでる。ギャラリーも、この奇跡を見届けようと、たくさん駆けつけている。審査員だってD1チャンピオン高橋邦明氏、フォーミュラドリフトに参戦する山下広一氏と、これまた豪華。
レジェンドクラスのツワモノが練習走行を始めると、ギャラリーの視線もコースにクギ付け。超絶テクでマシンを全開ドリフトさせっぱなしのレジェンドたち! こりゃ、レベルが高すぎて審査するほうも大変だ。
上位16位までのドライバーが、当時はなかったコンテンツの「追走」に進出。トーナメント方式で優勝を争う。決勝は村山梯啓と福田浩司の組み合わせで、現役D1ドライバーの村山が見事にレジェンドクラスの優勝を飾った。
2台の「ツインドリ」クラスは、圧巻のパフォーマンスで中村直樹・高木美紀のPINK STYLEが制したが、ここも各チーム、ハイレベルな超接近ドリフトで観客を沸かせてくれた。イベントはこれ1回に終わらせることなく、違うサーキットでも「復活BM杯」を開催していきたいそう。歴史の証人となるべく、今回BM杯の復活を知らなかった方も、次のチャンスを見逃すな!
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