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アフターコロナの時代はショートレンジの電気自動車が主役になる

掲載 更新 89
アフターコロナの時代はショートレンジの電気自動車が主役になる

アフターコロナがマイカー回帰のきっかけに

新型コロナウイルス(COVID-19)の対策としての緊急事態宣言が続いています。移動することが制限されていますから、テレワークが一気に増えています。自宅で仕事をしたり、Zoomなどのアプリを利用してテレカン(遠隔会議)をしているという人も増えているのではないでしょうか。

こうしたITを利用した働き方改革は長年いわれてきましたが、新型コロナウイルスというある種の外圧が普及を後押ししたといえます。そしてテレカンが当たり前になってくると「なんで対面でのミーティングのために出張していたんだろう」という疑問も浮かんできます。

フェイスtoフェイスの重要性を否定するわけではありませんが、そのために長時間の移動をするのはメリットとデメリットのバランスを考えると見直すべきという意見も出始めています。また、ビジネスにおいては移動するということはコストになります。テレワークやテレカンはコストダウンにつながるのです。

移動そのものが楽しいという人間の欲求もあるでしょうが、アフターコロナの世界では可能な限り移動は避けようというトレンドが主流になるでしょう。さらにCOVID-19が収束したとしても、ソーシャルディスタンスを確保するという流れは続くと考えられます。そうなるとパーソナルモビリティとしての自動車へのニーズが高まりそうです。

今後はシェアリングビジネスが主流になるといわれていましたが、新型コロナウイルスの影響によりマイカー回帰という流れも生まれ始めています。

市内を移動するための短めの航続距離の電気自動車

このように「遠くまで移動するわけではないけれど、パーソナルモビリティは欲しい」という流れにおいて注目なのは、航続距離を短めとすることでコストを抑えた「ショートレンジEV(※筆者の造語)」です。

なぜEVなのか? それは欧米でのロックダウンが大気汚染を改善したというレポートがあがっているからです。人間の活動が続いていくかぎり短期間でCO2排出を大幅に減らすことは難しい面もありますが、都市部の大気汚染についてはエンジン車の利用を抑えることで、すぐに結果につながることが証明されたといえます。

エンジン車では給油の際にソーシャルディスタンスが守れないという声もありますが、EVであれば自宅で充電できます。ましてショートレンジEVの用途やバッテリーサイズを鑑みると普通充電で十分に対応できるのです。

実質的な航続距離が200km程度のショートレンジEVはバッテリー搭載量を30kWh前後に抑えることができますから、価格も手頃になることが期待できます。

アフターコロナの世界において「市内を移動するためのクルマが欲しい」とユーザーニーズが変わっていけば、必要最低限の航続距離でニーズを満たすことができます。

パーソナルモビリティでの移動が近距離メインとなれば、ゼロエミッションのEVを求める声が大きくなることが考えられるのです。

くしくも2020年にはホンダから「Honda e」、マツダから「MX-30」という、いずれもバッテリー搭載量が35.5kWhというショートレンジEVのニューモデルがデビューする予定になっています。偶然かもしれませんが、社会情勢の変化は、こうしたEVの追い風となるかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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みんなのコメント

89件
  • イメージとしては、EV、PHEVは環境に優しい良い車なんだろうけど、現実に購入しようと思うと、一軒家で夜のうちに充電できて、ほぼ絶対に近距離しか乗らない人じゃないとなかなか買えないですよね。
    しかも、そういう恵まれた環境の人でも、年に一回長距離を帰省する必要があるだけで、普通は選択肢から外すと思いますよ。
  • それはない。
    車両価格の高いモノは、庶民が買えなくなる。

    小型車にシフトする
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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