巣ごもり需要が高まるなか売り上げを伸ばすモデルカー
おうち時間が増えたことで人気が高まるプラモデルやミニ四駆。2021年6月にタミヤから発売された1/24スケールの「日産フェアレディ240ZG(以下:240ZG)」は、最新の技術で作られた新作ということもあって売り上げは好調。モデラーたちが動画サイトやSNSでプラモづくりや完成度を披露し合うなど、話題を集めている。リターンモデラーと呼ばれる昔取った杵柄でふたたびプラモ製作を始めた人や、子どもが作るからと、初めて挑戦するお父さんも多く、人気が高まっているという状況だ。
実車さながらの完成度! タミヤはなぜ今「フェアレディ240ZG」を発売したのか
このような現状をタミヤ広報の山本暁さんに聞くと、「巣篭もり需要の影響もあってかプラモデルに限らず、RCカーやミニ四駆なども含めた弊社のホビー製品を久しぶりに、あるいは初めて作る、家族で一緒に楽しむといった方が増えたと感じています。プラモデル自体のほか、工具や塗料などの関連用品の売れ行きも上がったことからも、新しいお客さまが増えたと実感しています」とのことだ。
完成品のプラモ「マスターワークコレクション」に240ZGが登場
そんな状況だが『プラモデル作りに自信がないし、塗装する場所もないよ』という人も多いだろう。そこで朗報なのが、タミヤのプラモデルの完成品を販売するマスターワークコレクションに、240ZGが追加されることだ。マスターワークコレクションとは専門スタッフが製作した完成済みプラモデルで、しかもパーツ自体は同じものながら、一般的なプラモデルがPS樹脂なのに対してマスターワークコレクションは強度が高いABS樹脂製となり、さらに塗装済の完成品となる。
素材にABS樹脂を使うのは、ディスプレイケースに入っているとはいえ完成品ゆえ輸送を配慮したもの。プラモデル作りの専門家からしたら上手に作ってもこうはならないよ、なんて言われてしまうかもしれないが、初心者からみれば、こういう風に作れるようになればという目標にもなるし、単純に完成度の高さが魅力だ。実際にとあるモデルを所有している筆者は、高級感が漂うブラックのパッケージから一度も出すことなく、眺めるだけで満足しているほどだ。
9月にはストリートカスタム仕様の240ZGも発売される
8月発売予定のマスターワークコレクションの240ZGは、グランプリマルーンと呼ばれる240ZGの専用色を調色により表現したほか、プラモデルのキット同様に2.4Lの直列6気筒エンジンはツインキャブレターやオイルパン、ミッションなども精密に再現。もちろんボンネットも開閉できてエンジンルーム鑑賞できるほか、ウインドウモールやヘッドライトカバーのリムはメッキパーツを採用する。パーティングラインはもちろん、接着線もていねいに処理して塗装されているので、作れないけれど欲しいという人には打って付けだ。
そしてもうひとつの注目は、9月に発売予定の240ZGストリートカスタムだ。こちらはグランプリホワイトと呼ばれるボディカラーを調色により表現し、さらに当時の定番であったRSワタナベ製の8本スポークホイールを装着している。もちろん、ネームプレートの付いた台座、モデルをホコリから守るクリヤケース付きだから、飾っても良いし、気分に合わせてボンネットを開けて眺めるなんて楽しみ方もできる。
リアルな再現度が魅力のマスターワークコレクションに注目!
このほかマスターワークコレクションの新作では、マクラーレンが生み出したスーパースポーツ「セナ」のグレイボディを5月28日に、オレンジボディを6月11日に発売する。240ZG同様にこちらも1/24とビッグスケールだ。人間の手で組み立てられた金属製とはひと味違うマスターワークコレクション。240ZGが1万7830円、セナが2万680円(税込)と決して安くはないが、模型作成のプロに頼めばもっと金額はかかるし、しかも何年待ちという状況が続いているという。
世界中の模型ファンから支持される日本のプラモデル。自分で作るからこそ意味がある方はキットを、作れないから完成品が欲しいという人はマスターワークコレクションがオススメであり、自作するか完成品を購入するか、という選択肢があること自体が素晴らしいことなのだ。
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