Hispano Suiza Carmen Boulogne
イスパノ スイザ カルメン ブローニュ
イスパノ スイザ カルメンに、5台限定ハイパフォーマンス仕様の「ブローニュ」が登場
スペイン・バルセロナにおいてアンベール
かつて航空機エンジンなどで得た技術を自動車に投入し、ヨーロッパで高い人気を誇ったスペインの自動車メーカー「イスパノ スイザ」。同社は2019年3月のジュネーブ・モーターショーにおいてフルEVグランドツアラー「カルメン」を発表し、復活の狼煙を上げた。
そのクラシカルなエクステリアに注目が集まるカルメンに、モータースポーツからインスパイアされた5台限定のハイパフォーマンス仕様「カルメン ブローニュ」が登場。3月3日にスペイン・バルセロナのサン・ペレ・デ・リベスにおいてアンベール・イベントが開催されている。
最高出力1114psから最高速度290km/hを達成
「ブローニュ」というネーミングは、1921年に初開催されたジョルジュ・ボワイヨ・カップにまで遡る。フランス・ブローニュで開催された耐久レースには当時多くの自動車メーカーが参戦し、3時間半以上にわたり激闘を繰り広げた。このレースにイスパノ スイザは「H6クーペ」を投入した。
イスパノ スイザは、ジョルジュ・ボワイヨ・カップで3連覇を達成。1921年にアンドレ・デュボネ、1922年にポール・バブロ、1923年にレオンス・ガルニエが、H6クーペのステアリングを握り、レースを制している。
このイスパノ スイザが誇るモータースポーツの遺産に敬意を評し、カルメン ブローニュは大幅なパフォーマンスアップを実現。電動パワートレインの開発を担当するQEVテクノロジーズ社は、ベースモデルの1019psから95psものパワーアップを実現、最高システム出力は1114ps(820kW)にまで向上した。
この結果、最高速度は40km/h向上した290km/h、1630kgの車重ながらも0-100km/h加速は2.6秒を発揮する。
クラシカルな外観に採用されたカーボン製ボディワーク
カルメンのシャシーとパワートレイン技術をベースにしたカルメン ブローニュは、並外れたパワーだけでなく、ラグジュアリーさとエレガントなデザインを融合させた存在となった。イスパノ スイザのテーラーメイド部門から誕生したカルメン ブローニュは、無限とも言えるカスタマイズにも対応する。
ハイパフォーマンス仕様の追加は、復活を果たしたスペインの高級車ブランドが次なるステップへと踏み出したことを意味している。 バルセロナで設計、開発、製造されるフルEVグランツーリスモは、ベースモデルのカルメンからクラシカルなデザインを踏襲しているが、レーシーなカーボンファイバー製ボディワークを採用し、スポーティな空力パーツも追加された。
19台の生産台数のうち5台を“ブローニュ”として製造
インテリアはブラウン基調を採用していた標準モデルからは一転、バルクヘッドとドアパネル全体にスエードとブラックのアルカンターラをチョイス。アクセントとして、カッパーカラーが組み合わされている。
カルメン ブローニュの欧州における価格は165万ユーロ。19台の製造を予定しているカルメンのうち、5台がカルメン ブローニュとして販売される。現在、カルメンは走行テストを含む開発が続けられており、最初のカスタマーへのデリバリーは2022年を予定している。
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