■10代目のアコードはどう進化した?
ホンダは、2020年2月に発売を予定している新型「アコード」の詳細情報を、2020年1月23日に明らかにしました。成熟した新型アコードは、どのような進化を遂げているのでしょうか。
ホンダ新型「アコード」ちょいワルセダンにフルモデルチェンジ! 2020年初めに国内発売へ
アコードは、1976年に初代モデルが発売されて以来、今回の新型モデルで10代目となるホンダを代表するセダンです。
2020年1月時点で、世界120か国を超える国や地域で累計2000万台を販売。新型アコードでは、プラットフォームから見直し、走行性能や室内空間の快適性、洗練されたデザインを進化させています。
新型アコードのボディサイズは、全長4900mm×全幅1860mm×全高1450mmとなり、ホイールベースは先代モデルから+55mm延長した2830mmです。また、Aピラーを約100mm後方に移動させて全高を下げたことで、ロングノーズでクーペのようなスタイルを実現。
内装においては、コンサートホールのような上質な空間を演出するために、本革シートや金属や樹脂の質感を感じさせるインパネの素材を採用したほか、正確に操作できるスイッチ類や握り心地の良いグリップとなったハンドル形状も見直しています。
また、後席空間では先代アコードに対して、足元の広さを70mm、膝周りの空間を50mm拡大。トランクスペースでも、ハイブリッド車のセダンモデルにおいてトップクラスとなる573リットルの大容量となっています。
新型アコードの内外装について、開発責任者の宮原哲也氏は、次のように話します。
「新型アコードの日本仕様では、海外仕様とは異なる部分がいくつかあります。そのひとつがフロントバンパーの形状で、海外仕様に比べてバンパー下部の先端がやや尖っていますが、これは歩行者保護のためです。
接触した歩行者を跳ね上げるようにボンネット上へ持ち上げ、ボンネットがつぶれてエネルギーを吸収することで歩行者へのダメージを軽減します。
室内空間では、たとえばトランクルームにおいて、日本仕様に設定されるのは、ハイブリッド車のみですが、従来のハイブリッド車は後席の後ろに駆動用バッテリーを搭載する影響でガソリン車(日本では未設定)に比べて奥行きが狭くなっていました。
しかし新型アコードでは、駆動用バッテリーの搭載場所を後席座面の下にしたことで、ガソリン車と同等のトランクスペースを得ており、容量は先代モデルに比べて149リットルも増えています。
一方で運転席は、着座位置を低くして、よりスポーティな感覚にしました。その結果として、車両の重心も下がっています」
※ ※ ※
新型アコードのパワートレインは、2リッターガソリンエンジン(最高出力145馬力)に2モーターハイブリッドシステム(モーター最高出力184馬力)を組み合わせた仕様となり、WLTCモード燃費は22.8km/Lです。
任意で変更できる走行モードには、「ノーマル」「コンフォート」「スポーツ」の3種類を設定し、ダンパーの減衰力やハイブリッドシステム、ハンドリング、エンジンサウンドがそれぞれ適した状態に変えられます。
安全面では、先進安全運転支援システム「ホンダ センシング」を標準装備。さらに、後方誤発進抑制機能とオートハイビーム機能も追加されました。
パワートレインや足回りについて、宮原氏は次のように話します。
「動的性能面ではハイブリッドシステムの制御も新しくなり、走行中において急にエンジン回転が上がったりせず、より自然でドライバーとの一体感が高めるフィーリングに仕上げています。
たとえば、北米仕様に装着するタイヤはオールシーズンタイヤ(M+S)なので構造がやわらかく、それを前提としてハンドリングを良好にするために少し硬めのサスペンション設定としています。
しかし日本仕様は、剛性の高いタイヤを履くので、もっとしなやかに動いてスポーティだけど乗り心地もいい味付けです。ちなみに新型アコードは電子制御による減衰力可変式のダンパーを搭載しています」
※ ※ ※
現在、ホンダが国内でラインナップするセダンは、「グレイス」「シビック」「インサイト」「アコード」「クラリティ」「レジェンド」です。
最近では、2018年12月にインサイトがフルモデルチェンジ。今回の新型アコードは、2017年10月にアメリカで一足先に発売され、その後、前述のような日本の道路事情や使用環境に合わせる開発や改良がおこなわれて登場します。
現時点で新型アコードの発売日や価格などは明かされていませんが、既存ユーザー以外に新しいユーザーもターゲットにしているため、発売後にどのような反響があるのか楽しみな1台です。
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みんなのコメント
インサイトとの立ち位置も微妙な感じだし