■非日常的ハイパワーのセダン3車種
いま日本で売れているクルマは軽自動車やコンパクトカーですが、渋いオトナが乗るセダンもまだまだ健在です。車種は少ないながらも、ほとんどの国産メーカーがセダンをラインナップしています。
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そんな数少ないセダンですが、流麗なデザインや、超弩級ハイパワーの個性的なモデルが存在しています。イメージは『ちょいワル』なセダンです。そこで『ちょいワルオヤジ』に乗ってもらいたいセダン5車種を紹介したいと思います。
●レクサス「GS F」
レクサスのラインナップで「F」が付くのは特別なモデルです。なかでも「GS F」は一般道からサーキット走行までこなす、ハイパフォーマンスセダンになっています。
エンジンは5リッターV8で最高出力は477PSを誇ります。このエンジンを受け止めるためにシャシもチューニングされ、サスペンション、ブレーキも大幅に強化されています。さらにエクステリアにはカーボン製のエアロパーツが装着され、軽量化と空力性能を高めています。
トランスミッションは8速ATを採用し、最短0.1秒で変速できるなど本格的なスポーツドライビングも楽しめます。一般道ではなめらかに走り、ワインディングなどではスポーツモードに切り替え、ダイレクト感ある走りを実現。見た目も中身も「ちょいワルオヤジ」に最適なセダンです。
●ホンダ「レジェンド」
ホンダの最高級セダン「レジェンド」が、なぜ「ちょいワルオヤジ」に似合うのか。それは「レジェンド」がセダン版「NSX」と言ってもいいほどの内容だからです。
エンジンは3.5リッターV6で、トランスミッションにモーターを配置し、フロントを駆動します。さらにふたつのモーターをリアに配置して左右を駆動し、トータルの出力は382PSにもなります。このシステムは新型「NSX」のものを前後逆にしたかたちになっています。
3モーターハイブリッドシステムにより4輪を制御し、コーナリング性能もハイレベルで、ラグジュアリーな見た目とは裏腹に、スポーティな走りのセダンになっています。
エクステリアはアメリカで売っているアキュラ「RLX」に準じていて、どことなくアメリカナイズされています。渋いオトナがラフな装いで乗るのもカッコイイ一台です。
●日産「スカイライン」
「スカイライン」といえばスポーティなセダン/クーペとしてその地位を築いてきましたが、現行モデルではセダンのみをラインナップしています。
エンジンは2リッター直4ターボと、3.5リッターV6ハイブリッドの2種類ですが「ちょいワルオヤジ」にはぜひ3.5リッターハイブリッドをチョイスしていただきたいです。なぜならエンジンとモーターの出力を合わせた“システム出力”は364PSとなっており、エコとハイパワーを両立しているからです。
フロントグリルには日産の海外ブランドである「インフィニティ」のマークが装着され、エクステリアに派手さはありませんが、ハイパワーなエンジンを内に秘め、かつての「スカイライン」の代名詞だった「羊の皮をかぶった狼」が蘇ります。
■反骨精神あふれるセダン2車種
●トヨタ「マークX」
トヨタのミドルクラス・セダンといえば「カムリ」がありますが、ここはあえて「マークX」を選びました。フロントにエンジンを搭載し、リアを駆動する、いまや数少なくなったFRのスポーツセダンだからです。
しかもハイブリッドはラインナップせず、エンジンは3.5リッターV6と2.5リッターV6のみでダウンサイジングも行なわず、世の中の潮流に逆らう「反骨精神」が垣間見られます。これは重要な「ちょいワル」ポイントです。
3.5リッターエンジンは318PSを誇り、ターボを使わない自然吸気ならではの気持ちのよい走りが期待できます。
また「マークX」にはスポーティなモデルである「GR SPORT」があります。これはエクステリアとインテリアに手が加えられただけではなく、シャシの補強やブレーキの強化、サスペンションがチューニングされ、見た目だけではなく、走りの質もアップしています。
●マツダ「アテンザ」
伸びやかかつ流麗なデザインで「オトナの色気」すら感じられる「アテンザ」は、横から見ると、とくに美しさが際立ちます。
「アテンザ」ちょいワルの5車種か…、という疑問も聞こえてきそうですが、マツダ以外のメーカーにはない、セダンで唯一無二のクリーンディーゼルエンジンが選べます。2.2リッター直4のディーゼルターボエンジンは最高出力190PSと他の車種に比べ控えめながら、ディーゼルならではの大トルクで、力強い走りを獲得しています。
さらに「アテンザ」はディーゼルエンジン搭載車のみですが、6速MTをラインナップしています。このクラスのセダンでは、やはり唯一無二の存在です。
ほかと同じでは嫌、という「ちょいワルオヤジ」にはピッタリのモデルではないでしょうか。
※ ※ ※
昔はファミリーカーといえばセダンでしたが、いまでは子育てが終わったオトナのためのクルマというポジションに変化しています。そう考えるとセダンは、もっと落ち着いたモデルとなっていても不思議ではありません。ところが、今回紹介した5車種は、どれもハイパワーであり、際立った個性もあります。
クルマのニーズは時代によって代わりますが、おそらく日本では今後もセダンが脚光を浴びることは難しいでしょう。それでも、セダンに対するニーズはなくならないはずです。メーカーにとっては販売台数的に苦しいところですが、もっと新たなセダンが登場することに期待したいところです。
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