HKS旗艦店ならではの無駄のないアプローチ
GTIII-FXタービンを活かしきるトータルチューニング
スポーツコンパクトの中でも、とくに完成度の高さに定評のあるZC33Sスイフトスポーツ。ポイントを確実に抑えて手を加えることで格上を喰うことさえも可能なパフォーマンスを発揮する。“HKSテクニカルファクトリー”で仕上げられたZC33Sはそのお手本とも言える仕様だ。
HKSの市販パーツオンリーでここまで高いポテンシャルを発揮できるのは、テストを重ねて開発された信頼性の高いパーツが正確にセットアップされているから。しかも、チューニングのポイントは最小限に抑えられているのだ。
エンジン内部はフルノーマル。パワーフローやメタルキャタライザー、マフラーといった吸排気系とGTIII-FXタービンキット、ECUのセットアップのみで実測187.7ps&29.46kgmを発揮。純正インジェクターを使い切るスペックに仕立てている。
通常はHKS本社にECU本体を郵送して書き換えることになる『マスタリーECU』だが、HKSテクニカルファクトリーでは店舗でのセッティングが可能。ECU内でリミッター変更の他、燃料や点火以外にブースト圧やバルタイまで変更できる。
足回りはハードな走りにも対応するハイパーマックスMAX IV SP(F8kg/mm R5kg/mm)を投入。サーキットよりのセッティングとなっているが、乗り心地も損なうことなく、軽快なハンドリングと高いトラクション性能を発揮させている。サーキット走行に備えてクスコのLSD(1WAY)も装着済みだ。
これまで18インチのみだったアドバンレーシングTC4だが、待望の17インチが追加ラインナップされスイフトスポーツにもマッチングするようになった。タイヤもアドバンネオバAD08Rの205サイズをセレクトし、グリップバランスを追求する。
180psオーバーでも軽量ボディのおかげで、ブレーキはサーキット前提でもパッド交換のみで対応できることもZC33Sの魅力。エンドレスのMX72+はペダルフィーリングも制動性も高く、ノーマルローターでも不満なく楽しめる。
このチューンドに試乗した飯田章選手は「ショートホイールベースで軽量ボディといった、ベース車両の特性をさらにアップグレードしている感じ。ショートホイールベースでも高速コーナーでの不安感は全くないし、タイトコーナーでも抜群のハンドリングで曲がってくれる。レスポンス的にはノーマルと大きく変わらないけど、高回転域の伸びは明らかに違うから、アクセルをガンガン踏んでいけるのも良い。これなら、初心者から上級者まで不満を感じることなくパフォーマンスを楽しめるはずだよ」と絶賛。
HKS本社と密接な関係にあり、新商品の開発やテストなどにも積極的に参加している旗艦店だからこその無駄のないパーツチョイスとアプローチ。流石である。
●取材協力:HKSテクニカルファクトリー 埼玉県戸田市美女木5-2-8 TEL:048-421-0508
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