フルモデルチェンジしたマセラティ「グラントゥーリズモ」の日本仕様が、ひと足はやく上陸した。実車を見た小川フミオがリポートする。
古典的な美に、うまく現代的なアレンジをくわえる
2023年4月から受注が始まったマセラティの新型グラントゥーリズモについて、メーカーは「スポーツカーならではのハイパフォーマンスと、長距離移動に適した快適性を兼ね備えたモデル」と、謳う。くわえて「スポーティなライン、優れたパフォーマンス、そしてマセラティならではのラグジュアリー性」も、強調されている。
内容を知れば知るほど、どんどん興味が湧いてくるクルマであることはまちがいない。
スポーティ性と長距離の旅に耐えられる快適性をあわせもったクルマがグラントゥーリズモとかGTとかよばれるのは、ご存知のとおり。同時に、スタイリッシュさもものすごく重要な要素だ。
たとえば、ちょっと前だったら、500km走ってそのままオペラハウスに乗りつけられるとか、サーキットで走ったあと高級レストランにそのまま出かけるとか。そういうことがサマになるのがGTの条件と、言われた。
いまはどうだかよくわからないけれど、しかし、マセラティが送りだした新型グラントゥーリズモを見ていると、古典的な美に、うまく現代的なアレンジをくわえている点に感心した。
東京目黒区にてジャーナリストへ実車がお披露目されたのは、2023年8月中旬だ。本国ではまだ生産が開始されていないのに、早々と日本に1台が送られてきたのだった。
「ボンネットを正面からみると、フェンダーとグリルを含むエンジンフードが独立したようなデザインテーマが採用されています」と、日本法人の広報担当者は説明してくれた。
タイムレスなデザインと機能的な美しさを追求しつつ、ボンネットとフェンダーを一体成型した「コファンゴ」(マセラティの造語)という革新的なテクノロジーが採用されているのだ。
コファンゴは2座のスポーツモデル「MC20」で採用された技術。くわえて、グラントゥーリズモでは、ドア下に“えぐり”を入れて、ボディを細く見せる手法を採用した。
パワフルかつ4人乗れます。日本に入ってくる新型グラントゥーリズモには、V6ガソリンターボエンジンとピュアEV(電気自動車)のパワートレインが用意される。
ガソリンエンジンは、2992ccV型6気筒。「ネットゥーノ」と名づけられ、現代F1エンジンのキー技術ともいえるプレチャンバー方式で効率よく高出力を追求しているのが特徴だ。
トップモデル「トロフェオ」は404kW(550ps)の最高出力と650Nmの最大トルクを発生。「モデナ」はデチューン版で、361 kW(490 ps)と600Nmとなる。
駆動方式はオンデマンド型の全輪駆動で、後輪100%から、前後50対50まで、後輪駆動主体でありつつ、走行や路面の状況でリアルタイムに駆動力配分を変えていく。
4種類のドライブモード(コンフォート、GT、スポーツ、コルサ)も用意され、さらに、すべての電子制御をオフにする ESC-OFFも選べる。
まず、日本では上記「トロフェオ」と「モデナ」のデリバリーが始まり、92.5kWhの大容量バッテリーを搭載し、610kWと1350Nmと大パワーを有するピュアEV「フォルゴーレ」が追って登場する。
内装はいかにもラグジュアリアス。造りの品質もうんと向上している。マセラティがとくに強調しているのは、リヤシートも使える点で「4人で乗っていただけます」(日本法人)という。
印象的なのは、実にすっきりしているダッシュボード。 12.3 インチのセントラルディスプレイと 8.8インチのコンフォートディスプレイをもち、オートマチック変速機のセレクターは「グレカーレ」同様のボタン式だ。
ヘッドアップディスプレイ、「ヘイ、 マセラティ」で起動する会話型音声コマンドでエアコン、メディア、 ナビゲーション、電話などの機能のデジタライゼーションも進んでいる。
アレクサによる車内アシスタントと Wi-Fi ホットスポットや、アンドロイドオートOSなど、いわゆるコネクト機能の充実ぶりも、マセラティが用意したプレス資料ではさかんに謳われている。
価格は、「グランツーリズモ・トロフェオ」が2998万円、「モデナ」が2444万円。「フォルゴーレ」は追って発表される。
また、限定モデル「プリマセリエ75thアニバーサリー・ローン チ エディション」がトロフェオとモデナに用意されるという。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)
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