■ほかの新型「クラウン」シリーズとは全く異なるモデルに
2023年11月2日に正式発表となったトヨタ「クラウンセダン」は、通算16代目となる「クラウン」のバリエーションのひとつであり、「クロスオーバー」「スポーツ」「エステート」とともに新世代のクラウンを形成するモデルとなっています。
そんな新型クラウンセダンですが、ほかの3種類のクラウンとは大きく異なる点が複数存在していますが、果たしてどんな違いがあるのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが「新型クラウンセダンの内装」です!(99枚)
まず最も大きな違いとして挙げられるのが、異なるプラットフォームを用いることに由来する駆動方式の違いです。
セダン以外のクラウンはエンジンを横置きしたフロントエンジン、フロントドライブをベースとしたE-Four(電気式四輪駆動システム)を採用していますが、セダンのみエンジンを縦置きし、後輪を駆動するFRレイアウトが採用されているのです。
クラウンは1955年に登場した初代モデルから、2022年まで販売されていた先代の15代目モデルまで、一貫してFRレイアウトを採用しており、クラウンセダンこそが歴代クラウンのキャラクターを踏襲する、正当な後継車種であるという声もあるほど。
そのため、従来までのクラウンファンからすれば、新型クラウンセダンは待望のモデルということが言えそうです。
またパワートレインも、ハイブリッドモデルに搭載される直列4気筒2.5リッター「A25A-FXS」型エンジンこそ他のクラウンシリーズと共通です。
しかし、新型クラウンセダンはモーターと有段ギアを組み合わせたトヨタ車初となる「マルチステージハイブリッドシステム」を採用し、あらゆる車速域からのアクセル操作に応える駆動力を実現しているといいます。
さらに、従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hからでしたが、新システムでは約43km/hから使用可能と、動力性能も大幅に向上していることがわかります。
そしてハイブリッドモデル以外に、クラウンとしては史上初となるFCEV(燃料電池車)が設定されているのもセダンのみの特徴で、新世代のクラウンにふさわしい先進性を持ち合わせているのも特徴と言えるでしょう。
ボディサイズも全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mmと、クラウン4種の中では最も全長と全幅が大きく、最も全高の低いスタイルとなっています。
サイドビューの印象も、先代モデルに近しいクーペ風のセダンスタイルとなっていて、3000mmという非常に長いホイールベースによって、ゆとりのある後席空間もショーファーユースでも活用されるクラウンらしいものとなっています。
このような特徴を見るに、新たなクラウンの価値を創造しようとする3つのモデルに対し、新型クラウンセダンは従来のクラウンが持ち合わせていた魅力をさらに昇華させたモデルとも言えます。
幅広いニーズに応えつつも、従来のユーザーも大切にしたいというトヨタの心意気が伝わってくるモデルと言えるのではないでしょうか。
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みんなのコメント
どこか先代の面影を残しつつ先代より洗練された印象を与えるのが理想的なモデルチェンジ。
特にクラウンは国産車で最も長い歴史を持つ保守の中でも最右翼だから、歴代モデルとは似ても似つかないものを作るくらいなら潔く別の車名に変えた方がまし。
そういう意味では、ここ数代のクラウンはもはやクラウンではない。