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MINI MINI クーパーSコンバーチブル試乗レポート MINIファンの心を揺さぶるドライブ・フィーリング

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MINI MINI クーパーSコンバーチブル試乗レポート MINIファンの心を揺さぶるドライブ・フィーリング

2016年3月、MINIにコンバーチブルが加わった。これで、MINIファミリーは、クラブマン(F54)、5ドア(F55)、3ドア(F56)、そして追加されたコンバーチブル(F57)とラインアップがそろったことになる。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

もちろんこの第3世代のシリーズ以外に、マグナ・シュタイヤー社で生産される5ドア・SUVのクロスオーバー(R60)、3ドア・クロスオーバーのペースマン(R61)もラインアップしており、プレミアム・コンパクト・カテゴリーの中で、追随を許さない圧倒的に多彩なバリエーション展開だ。これは単なる商品企画ではなくオールドMINIの遺産を生かしながら、MINIの世界を巧みに広げる戦略だ。

MINIのユニークさはそれだけではない。2016年3月から「MINI Yours(ミニ・ユアーズ)」と名付けられた多数のオプションのフルチョイスイス・オーダーシステムを採用。職人の手作りのスペシャル装備からMINIの定番のカラフルなアクセサリーパーツ類すべてを事前に注文でき、購入者オリジナルのデザイン・モデルを仕立て上げることができるようになっている。

多彩なパーツの組み合わせの選択肢は1万種類以上なのだ。技術的にはハードルの高いこうしたカスタマイズに対する取り組みもMINIブランドならではといえる。

現在のMINIシリーズは、3ドア/5ドア・モデルはUKL1プラットフォーム、クラブマン(F54)はBMW 2シリーズ・アクティブツアラーと共通のUKL2プラットフォームを採用し、もちろんいずれもFF用のモジュラー設計を採用している。

エンジンは、ONE用の1.2L・3気筒ターボ、クーパー用の1.5L・3気筒ターボ、クーパーD用の1.5Lディーゼル、クーパーS用の2.0L・4気筒ターボ、クーパーDS用の2.0Lディーゼル、そして最強モデルのジョンクーパーワークス用の2.0L・4気筒ターボと、いずれもモジュラー設計の最新エンジンをラインアップしている。

■インプレッション
さて今回、F57タイプとして登場したコンバーチブルは、1990年代に設定されたオールドMINIコンバーチブルの伝統を引き継ぐモデルだ。その後、初代BMW MINI(R52)、2代目のR57と代を経るごとに販売台数も拡大し、MINIシリーズの中で重要なモデルという位置付けで、右肩上がりのMINIの販売を象徴している。

今回登場したコンバーチブルはトランク容量を従来型の160Lから215Lに拡大。また電動ソフトトップは新設計となり、開閉は18秒、30km/h以下では走行中も開閉できるようにアップグレードされている。

グレードは、1.5Lターボのクーパー、2.0Lターボ搭載のクーパーS、そして5月末以降に遅れて登場予定のジョンクーパーワークスの3種類だ。もちろんいずれもインターネット接続を前提の最新インフォテイメント、プリクラッシュブレーキやアダプティブクルーズ・コントロール、ヘッドアップ・ディスプレイなど最新の装備も充実。

試乗したのはコンバーチブル・クーパーSだ。試乗車のソフトトップはMINI Yoursで設定されているヘリンボーン生地にユニオンジャック模様(8万5000円)が織り込まれており、高級感とクールさを両立させた仕上げだ。またシートなどインテリアもオプションの高級な本革張りで、このあたりを選択するとプレミアム・コンパクトセグメントのレベルをはるかに超えた、贅沢な上質さを味わうことができる。

搭載されるエンジンは2.0L直噴ターボで、192ps/280Nmを発生。6速ATと組み合わされている。もちろん、ベースモデルのMINI クーパーSと同じ組み合わせだ。このコンバーチブルの車両重量は1360kgで、ベースのMINI クーパーSより90kg重い。(クーパーの場合は+120kg)もちろんこの重量増加分はボディの補強と電動ソフトトップ機構に相当する。

とはいえ、このタイトなサイズのクルマには十分すぎるほどのパワー、トルクだ。低速トルクが強力で、市街地でも扱いやすく、空いた道路でアクセルを踏み込み、エンジン回転数が4000rpmあたりから上になるといきなり迫力のあるスポーツサウンドに切り替わる。もちろんオープントップだから、その野太いサウンドは、ダイレクトに耳に入ってくる。

試乗車はオプションのダイナミック・ダンパーコントロール(MINIドライビング・モードとセットオプション)が装着され、グリーン、ミッド、スポーツの3モードが選択できる。スポーツを選ぶと最高のゴーカートフィーリングが楽しめるのだが、市街地、郊外路、高速道路ではグリーンかミッド・モードで十分だ。いや、ミッドを選択しても乗り心地としてはかなり固めだ。このミスマッチ感もMINIのDNAだ。

エンジンのパワーを生かした走りでも、いかにもオープントップにありがちな振動感はなく、まるで走りのフィーリングは屋根付きモデルと同じような剛性感が感じられる。ボディの補強も含め、しっかりとしたつくりであることが分かる。

現代のプレミアムクラスのオープンモデルは、ルーフを格納したオープン走行でも室内に風の巻き込みが少ないが、このMINIコンバーチブルは昔のオープンモデルのようにかなり風が巻き込むので、市街地での走行でも風を感じて走ることができる。

このクラシック感も貴重といえば貴重だ。ただトランク内に収納されている折りたたみ式のウインドデフレクター←を後席部分に取り付ければ風の巻き込みは大幅に低減できるが、このクルマはわざわざそんなことをしなくてもよいだろう。

もうひとつMINIならではの特徴だが、全長が短いモデルなので、ソフトトップを後方に折り畳んだとき、幌はトランク上にせり出した形のままになっている。バックミラーでもその形がわかるのだ。これもスマートに格納されるより、現在のコンバーチブルと比べるとクラシックな風味があって味がある。

一方、ソフトトップを閉じると厚手でしっかりしたキャンバス生地としっかりした骨組みにより、ハードトップと同等の居住空間が確保できる。なおこの幌を折り畳んだ状態でも、リヤエンドのトランクリッドは下側ヒンジによって開口させることができる。

MINIコンバーチブルは、日常での使い勝手を十分確保しながらも、MINIの世界観や独自の趣味性はベースモデルより色濃く感じられ、ある意味、現在のMINIの中で一番MINIらしさを楽しめるモデルといえるかもしれない。

ただクーパーSに乗ってみると動力性能は日常では有り余るほどで、1.5L・3気筒ターボのクーパーで十分コンバーチブルライフを楽しめると思う。

MINI コンバーチブル諸元表


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