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FF&FRがダメなワケじゃない! 日産雪上試乗会で感じた駆動方式のホント

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FF&FRがダメなワケじゃない! 日産雪上試乗会で感じた駆動方式のホント

 FRが楽しめる駆動方式だというのは間違いない

 日産はじつにさまざまなパワートレインと駆動方式持っているメーカーだ。パワーユニットでいえば3気筒からV8までのガソリンエンジンはもちろん、各種のディーゼルエンジン、リーフに採用されているピュアEV、ノートe-POWERのシリーズハイブリッド、1モーター2クラッチハイブリッド、セレナe-POWERのマイルドハイブリッド……書いているほうがわからなくなるほどだ。駆動方式もFF、FR、FFベースの4WD、FRベースの4WDとさまざまなものが用意されている。

【今さら聞けない】実用車がFFレイアウトばかりなのはなぜ?

 そうしたバラエティーに富んだパワーユニット、駆動方式を雪道で試すことができるイベントが北海道で開催された。当日はじつにさまざまな車種が用意され、特設のクローズドコースと一般道を使っての試乗が予定されていた……のだが筆者の取材日はあいにくの雪。それも地吹雪が吹き荒れるひどい荒天で、あっという間のホワイトアウトとなり試乗は公道NG、クローズドコースのみとなってしまった。試乗車にはすべてブリヂストンのブリザックVRX2が装着されていた。タイヤの性能としては十分で雪道ドライブを満喫できる仕様だ。

 雪道ドライブ・イコール・4WDという考えが多いとは思うが、FRでの雪道ドライブもなかなかのものだ。現在、日産はシーマ、フーガ、スカイライン、フェアレディZといったFRモデルを生産している。また、NV350キャラバンは運転席下にエンジンがあるキャブオーバーと呼ばれるものだが、駆動輪はリヤとなる。今回スカイラインに乗ってみると、あらためて後輪駆動のいいところ、そして同時に弱点を感じられた。

 まず、いい部分。それは圧倒的にコントロール性が素直なことだ。駆動はリヤだけを行っているので、アクセル操作に対する挙動変化は基本的にリヤを中心に発生する。逆にフロントは曲がることに専念できるというわけだ。リヤが滑った際にフロントタイヤをカウンターとして使うときもとにかく素直にクルマを動かすことが可能だ。

 ただし、発進という面では不利な面も多い。動きが繊細なのでちょっとした操作ミスや、路面状況の変化で予想しないような挙動になってしまう部分が後輪駆動の使いにくい部分だと言える。

 安心して走れるのはFRよりもFF

 次はFFだ。今回の試乗車でいえば、ノートなどがそれにあたる。FFは前輪が駆動もステアリング機構もすべてを担当する。タイヤの性能は摩擦円というもので表されることが多い。駆動力に多くの力を使っているとコーリング側に力を使えないことを摩擦円は示す。

 この理論でいうと前輪がすべてを担当するFFは雪道では不利ということになるが、じつは意外に運転しやすい。ひとつはエンジンの下にある車輪が駆動するので、タイヤがしっかりと路面に押しつけられる、つまり駆動輪に荷重がかかっていることが大きな要因だ。

 そしてもうひとつ、クルマは前に進むので路面の変化の影響が現われるのが前輪から起きるということだ。グリップしている路面から滑りやすい路面に入るときも当然前輪から進入する。このときに「おっ滑る」と感じることができるタイミングが早いから対処も早くできるのだ。

 コーナリング中に滑るのも前輪からだから、クルマは外側に膨らむ(これをアンダーステアと表現するむきがあるが、アンダーステアは正しくはアクセル操作に対するクルマの挙動なのでアクセル一定のときにはアンダーステアとは言わない)ので、対処がしやすい。

 後輪駆動の際は同じ場面で前輪が通りすぎたのに後輪が滑るという現象が起きるので、対処が難しいということがある。感度が高く運転技術のある人は後輪駆動の自由度が楽しいし、そうでない人は前輪駆動のイージーさがドライビングを助けてくれる。

 4WDは言うまでもなく雪道に強い。今回の試乗車ならば、ジュークやノートe-POWER 4WDがあたる。雪道で4WDが有効な理由は、駆動力が4輪に振り分けられるので、トラクションをかけやすいことにある。とくに発進時のトラクションがかけやすいのが有利だ。なのでノートe-POWER 4WDのように発進時のアシストのみ4WDになるという方式も存在している。

 4WDが雪道で不利になることはあまりないのだが、走行性能の高さによる過信が大きな問題を引き起こすことがある。2WDに比べてトラクションがかかる4WDはついついスピードを出しがちになる。コーナリング性能やブレーキ性能はタイヤの性能に頼るところが大きいので、直線でスピードを出してコーナーで曲がれない、交差点で止まれないという事態が起きる。雪国の人が「都会もんの4WDが一番たちが悪い」と言うのもうなずける。

 パワーユニットとしてはピュアエンジン、ハイブリッド、ピュアEVという3つに分けられる。ピュアエンジンはガソリンもディーゼルも大きな違いはないが、低速トルクが得やすいという面ではディーゼルが有利と言える。しかしディーゼルは燃料が凍りやすく、非寒冷地で給油したままで寒冷地に行くと、燃料パイプ内で凍り付きエンジンが始動できないこともある。このため、寒冷地に行くときは燃料を減らすことを前提に走行し、現地で給油することを心がけたい。

 ハイブリッドもEVもタイヤとつながっているのはモーターだ。モーターはエンジンよりもずっと緻密な制御ができるので、雪道などで有利に働く。ただし、マイルドハイブリッドはエンジンのアシスト的にモーターを使うのでその影響は小さい。

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