現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「アクセラ」から「マツダ3」に? 第二世代に変化を遂げるマツダの将来像とは

ここから本文です

なぜ「アクセラ」から「マツダ3」に? 第二世代に変化を遂げるマツダの将来像とは

掲載 更新
なぜ「アクセラ」から「マツダ3」に? 第二世代に変化を遂げるマツダの将来像とは

■車名も変えた! 新型車にかけるマツダの意気込み

 マツダ「アクセラ」が、車名を海外で使われていた「マツダ3」に変えて国内で発売されました。国産車ではあまりみられない雰囲気の車種名ですが、マツダはこのクルマの登場をきっかけに新たなクルマづくりを始めていきます。

マツダ新型「CX-30」は「CX-3」後継ではなかった! 他のCXシリーズとなにが違うのか

 変わるのはひとつひとつの商品だけでなく、クルマづくりをおこなう上でのコンセプトや基本構造まで多岐にわたります。これからマツダは、どのように変わっていくのでしょうか。

 マツダは、以前に比べて国内で販売する車種を減らしたので、海外で使用する車種名のアルファベットと数字を組み合わせた「マツダ3」をアクセラの後継モデルとして国内で使う方針になりました。販売店からは「本当に車名を変えたので驚いた。マツダの『マツダ3』というのは不自然」との意見も聞かれます。

 おそらく、ほかの車種もフルモデルチェンジなどのときにグローバルな車名に変更すると思われますが、OEMの軽自動車は従来通り「フレア」や「キャロル」といった車名が使われるでしょう。

 車名を変える理由は、マツダ3の登場をきっかけにデザインやメカニズムの世代が新しい段階に入るためです。

 新しいマツダ3の外観を先代型にあたるアクセラと比べると、ボディパネルの見せ方がかなり違います。

 アクセラでは、ボディ側面に複数のキャラクターライン(デザイン上の目的で入れられる線)が入り、この線を境目にボディパネルの角度を変えていました。それがマツダ3になると、キャラクターラインは抑えられ、ボディ全体に境目のないウネリが持たせられています。

 映り込みが連続的に繋がることで、ボディが塊感のあるオブジェのように見えます。マツダのデザインコンセプト「魂動デザイン」が新しくなったと実感できることから、車名を変えるタイミングとしても納得いきます。

 マツダ3が革新的なデザインを採用した背景には、以前の「魂動デザイン」の硬直化もあったでしょう。デザインのみならず、外装色も多くの車種が「ソウルレッドプレミアムメタリック」(後に『ソウルレッドクリスタルメタリック』へ進化)をイメージカラーとしているので、どの車種も外観が似通って見えてしまいます。

 マツダ3のボディスタイルは、現状からの脱却と車種の個性化をねらった結果といえるでしょう。

 しかし、これから登場するマツダ車がすべてマツダ3のようなボディ形状になると、再び外観が硬直化します。避ける方法は無いのでしょうか。

 そのヒントは、2019年5月9日におこなわれたマツダの通期決算のプレゼンテーションにあります。

 この発表によると、今後のマツダ車はふたつのアーキテクチャー(基本構造)をそろえ、ひとつ目はスモールアーキテクチャーになるそうです。新しいプラットフォームと、スカイアクティブXやマイルドハイブリッドを採用しており、マツダ3はこの第1弾に位置づけられます。

 ふたつ目は、現時点で商品化されていないラージアーキテクチャーとなり、縦置きの直列4気筒エンジンに加えて、直列6気筒の「スカイアクティブディーゼル」と「スカイアクティブX」を導入すると発表しています。

 FF車に直列6気筒を縦置きで搭載するのは、不可能ではないですが非現実的です。従ってFR車になるでしょう。

■今後マツダはより幅広いユーザーの好みに対応できるのか

 そもそも、ボンネットを長く見せて、チーターが疾走する時のように後ろ足(後輪)に荷重が加わったような今の魂動デザインは、FR車の方が自然に表現できます。

 先代「CX-5」が登場した2012年頃、マツダのデザイナーや商品企画担当者に「新しいプラットフォームをFRで開発することは考えなかったのか」と尋ねたことがあります。説明を聞いていると、デザインから運転感覚までFRに相応しい内容だったからです。

 その返答は「合理的に開発できないからFFにした」という曖昧なものでした。

 現在、マツダはミニバンをはじめとした車内の広さが売りのクルマをつくっていないので、FRのプラットフォームを開発しても問題ありません。今になって直列6気筒エンジンのFR車を開発するのは時代錯誤に思えますが、マツダのクルマ造りを考えると、必然というか当たり前の発展です。

 問題は、FR車をどのようなコンセプトで開発するかです。

 マツダの開発者やデザイナーと話をすると、今の分かりやすいドライバー本位のスポーティ路線とは、少し違うコンセプトを模索していることがうかがえます。運転を楽しめるFR車でありながら、ラグジュアリー性とリラックス感覚を併せ持つ大人っぽいクルマ造りです。

 目指すのはジャガーやマセラティのような雰囲気でしょうか。あるいは駆動方式は違いますが、ボルボのようなイメージかもしれません。仮にそうなると、マツダの2つの商品群が広がり、さまざまなユーザーの好みに対応できます。

 マツダには、安全で快適かつ楽しく使えるクルマを、愚直に造り続けて欲しいと思います。クルマ好きの気持ちを深く理解しているメーカーなので、ブランド力も徐々に育っていくでしょう。今後の展開が楽しみです。

こんな記事も読まれています

オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
オイルクーラー用Oリングやブラックメッシュホースなど、HKSからオイルクーラー補修パーツ各種が発売
レスポンス
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
レクサス「新型“7人乗り”SUV」発表に反響多数! 「イカつカッコイイ」「欲しい」 全長5.1mで3.5リッター「V6」搭載! 後席めちゃ広い「スポーティ3列車」 米で登場
くるまのニュース
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
ローソン予選15番手「とにかくグリップがなくて苦労したが、それは言い訳にはならない」:RB/F1第22戦
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(1)
AUTOSPORT web
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
2024年F1第22戦ラスベガスGP予選トップ10ドライバーコメントまとめ(2)
AUTOSPORT web
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
くるまのニュース
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
角田裕毅と好バトルの末8位フィニッシュのヒュルケンベルグ「ピットストップのタイミングを少しずらしたのがうまく機能した」
motorsport.com 日本版
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
ベストカーWeb
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
BMW初代「M3」に24年! マフラーはE46 325i用をベースに自分で溶接して製作…トヨタ「スターレット」から乗り換えて何が違った?
Auto Messe Web
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
ドラマ連発!エバンス/マーティン組が日本戦でニ連覇、TOYOTAも大逆転でのシリーズ四連覇獲得に「トヨタ(豊田)」が湧いた!!【WRC最終戦ラリージャパン】
Webモーターマガジン
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
BMWが新型「3シリーズ セダン/ツーリング」を発売! PHEVモデルは航続距離がさらに向上。【新車ニュース】
くるくら
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
エメ・レオン・ドレの特注「ポルシェ993ターボ」は、ニューヨークにオマージュを捧げた一台
LE VOLANT CARSMEET WEB
新生ポルシェ、スポーツカーとスキー製造のノウハウを備えた「ヘッド106シリーズ」
新生ポルシェ、スポーツカーとスキー製造のノウハウを備えた「ヘッド106シリーズ」
LE VOLANT CARSMEET WEB
防風 + 輻射熱で防寒効果アップ!「ウインドスクリーン2サイズ」が11/30に VASTLAND から発売
防風 + 輻射熱で防寒効果アップ!「ウインドスクリーン2サイズ」が11/30に VASTLAND から発売
バイクブロス
【ヤマハ】クリエイティブチーム12名が Netflix オリジナルアニメ「Tokyo Override」の制作に協力
【ヤマハ】クリエイティブチーム12名が Netflix オリジナルアニメ「Tokyo Override」の制作に協力
バイクブロス
日産「カクカク“ワゴン”」実車公開! 旧車デザイン×コンパクトボディが超カッコイイ!ウッド内装もオシャレすぎる“斬新キューブ”「SETO」大阪で展示!
日産「カクカク“ワゴン”」実車公開! 旧車デザイン×コンパクトボディが超カッコイイ!ウッド内装もオシャレすぎる“斬新キューブ”「SETO」大阪で展示!
くるまのニュース
[15秒でわかる]世界初のリアウイングライト…テールランプとリアウィングが一体化!
[15秒でわかる]世界初のリアウイングライト…テールランプとリアウィングが一体化!
レスポンス
レアすぎるよ…! 約940万円! ケータハムセブンの[中古価格]が驚愕すぎる件
レアすぎるよ…! 約940万円! ケータハムセブンの[中古価格]が驚愕すぎる件
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

147.8192.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.8172.4万円

中古車を検索
フレアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

147.8192.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

8.8172.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村