各社から発売されているカーナビの中で、一部に熱狂的なファンを持つのがパイオニアより発売されているカロッツェリア サイバーナビシリーズだ。その人気の秘密は、サイバーナビならではの独創的な機能にあるといえるだろう。
市販商品として常にトップを走り続けているカロッツェリアブランドより、2021年の秋冬商戦に向けての新製品が発表された。
やっぱり儲かるの? なぜディーラーマンはコーティングを勧めてくるのか
一見オーソドックスに見える商品ラインナップではあるが、そこには同社の次世代に向けてのひとつの答えが見え隠れするのだ。
文/高山正寛 写真/パイオニア
【画像ギャラリー】カロッツェリア秋冬期新製品!! サイバーナビ&最新スピーカー登場!!
■サイバーナビの先進性は不滅
カロッツェリア AVIC-CQ912-DC
まず最初は同社のハイエンドカーナビである「サイバーナビ」の新型である。
今や当たり前になりつつある「カーナビと通信の融合」に関して、カロッツェリアは2006年に「スマートループ」というサービスを宣言、サイバーナビには翌2007年に搭載し、進化を続けながら現在に至っている。
スマートループに関してはここでは多くは語らないが、車両からのプローブ(走行)情報を取得し活用、渋滞を避けた効率の良いルートを提案することで高く評価を受けてきた。
当然今回のサイバーナビにも搭載されているわけだが、目的地に確実かつ早くナビゲートする機能に関しては継続と進化を続けており、その先進性は不滅とも言える。
■ネットワーク時代に即した新サービスへの対応
カロッツェリア AVIC-CL912-DC
これまでも通信やエンタテインメント領域で新提案を続けてきたサイバーナビだが、新モデルにも注目機能が搭載されている。
それがNTTドコモの車内向けインターネット接続サービスである「docomo in Car Connect」への対応である。
このサービスはドコモが持つ高速データ通信網(LTE)を使い、同梱または別売りのネットワークスティックを接続することで車内にWi-Fi環境を構築できるというものだ。
すでに2020年モデルのサイバーナビには搭載済みだが、3種類の定額料金プラン(1日500円、30日1500円、365日1万2000円(各税別)が用意され、いずれも高速データ通信が使い放題となる。
昨今はYouTubeなどの動画、またサブスクリプションの音楽配信サービスなどが人気だが、これらを通信料を気にせず思う存分楽しむことができる。まさに「クルマのオンライン化」を実現したサービスとしてユーザーからの評価は圧倒的に高い。
また、これらの機能を単体で実現できる車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」があまりの人気で一時期入手困難であったことからも、このサービスのニーズの高さは証明されている。
さらにユニークな仕組みとして自宅に設置されたブルーレイレコーダー内の映像コンテンツを遠隔操作できる「レコーダーアクセス」機能を搭載。
専用アプリ「DiXiM Play for carrozzeria」をスマホ側にインストールすることでコンテンツをわざわざDVDなどにダビングすることなく、サイバーナビ内でストリーミング再生ができる点も継承されている。
■AV機能の充実度はカロッツェリアの十八番
カロッツェリア AVIC-CW912
画質や音質に関してもカロッツェリアならではのこだわりがあり、ディスプレイには高精細HDパネルを採用、映像コンテンツはもちろん、基本となる地図表示も圧倒的な高解像度で再現できる。
音質面に関しても今や常識になりつつある「ハイレゾ音源」の再生だけでなく、CDや圧縮音源、さらにネットワーク動画などの映像ソースの音までもハイレゾ相当にアップグレードできる「マスターサウンドリバイブ」も搭載する。
■選択の自由度の高さもサイバーナビならでは
カロッツェリア AVIC-CZ912-DC
今回のサイバーナビは大画面ニーズにも対応するLS(ラージサイズ)メインユニットタイプが4機種、その内訳は9V型と8V型がそれぞれ2機種ずつ設定される。
その他は7V型の200mmワイドメインユニットが2機種、180mmの2Dメインユニットタイプが2機種と合計8機種のワイドラインナップとなる。
それぞれサイズ別の機種ごとに前述した「ネットワークスティック」の同梱/別売り扱いのモデルを設定しているが、同梱モデルの場合「docomo in Car Connect」を1年間無料で使える特典が付いてくるので買い得度は高くなる。
カロッツェリア AVIC-CL912
これだけの内容を持つサイバーナビ、ハイエンド系を嗜好するユーザーには当然高く評価されているが、それでも昨今のスマホアプリの台頭やスマホとの連携をメインとしたディスプレイオーディオとの差別化などが求められる。
言い換えると価格に見合った性能やライフスタイル提案をどう提案できるかがポイントだ。もちろん“車載専用品”と開発されていることで、耐久性や耐候性、さらに自車位置精度などの点でスマホに対して圧倒的なアドバンテージがある。
しかし、進化のスピードが早いスマホアプリにどう対抗していくかは、サイバーナビに限らず多くのカーナビが抱える問題でもある。
その市場環境下においてサイバーナビの場合はすでにカーナビ専用機の枠を大きく超えている点が魅力と言える。
Wi-Fiルーター機能は言わずもがな、スマホやタブレットとの連携、言い換えれば、スマホと対抗するのではなく「寄り添う」ことを重視しており、一方で通信の使い放題によりエンタテインメントや地図更新、渋滞情報などを積極的に活用できる。
この点ではまだまだスマホには負けてはいない。2021年前半は半導体不足もあり、出荷台数の点で苦戦した市販カーナビ市場であるが、この後は「反転攻勢」に転じてくるはずだ。その先鋒としてのサイバーナビに注目している。
■まさに原点回帰!かつてないほどのスピーカーラインナップ!
カー用品ではカロッツェリアが有名なパイオニアだが、元々は歴史ある音響機器メーカーだ/カロッツェリア TS-C1730S II
今回、特に注目したいのが「音の出口」であるスピーカーラインナップの充実だ。
元々パイオニアは1937年に純国産のダイナミックスピーカーの開発に成功した音響機器メーカーだ。
現在は車載音響機器にシフトしているが、サウンドビジネスの拡大を目的に「サウンド事業統括グループ」を新設するなど、デジタルオーディオ時代へのさらなる対応を目指している。
■「Open & Smooth」コンセプトを踏襲
カロッツェリアはこれまでのサウンド作りに加え、車室内の取り付け環境を意識した開発・設計による「Open & Smooth」コンセプトを提唱している。
「低歪み」と「広指向特性」を持たせることで従来以上にリアルな音場空間を実現しているが、今回の新商品群もこのコンセプトを踏襲した商品となっている。
●まずは定番の「Cシリーズ」
カロッツェリア TS-C1630S II
カロッツェリアスピーカーの中で定番と呼べるカスタムフィットスピーカー「Cシリーズ」。今回はハイレゾ音源の再生に対し、パーツ素材の厳選や構造自体を見直しているという。
ラインアップはカスタムフィットスピーカー5機種とチューンナップツゥイーター2機種で17cm/16cmサイズとセパレート/コアキシャル(同軸)の組み合わせ。
「TS-C1730S II」と「TS-C1630S II」にはトゥイーターの角度を変更できる「ロータリー機構」を搭載することで中高域の指向性を制御することで,自然な音場を再現できる。
●エントリーモデルの「Fシリーズ」
カロッツェリア TS-F1040S II
より手軽な価格でチューンナップを可能にする「Fシリーズ」もハイレゾ音源への対応などレベルアップしている。
ラインナップは17cm/16cmのほか、コンパクトカーなどにも最適な10cmを用意。それぞれセパレート/コアキシャルの2ウェイ構造とした6機種、この他にチューンナップトゥイーター「TS-T440 II」も設定する。
●重低音の「黒船襲来」か!
カロッツェリア TS-W312S4。今回のラインナップの中でも注目のユニットサブウーファーだ
今回のスピーカーラインナップの中で最も注目を集めそうなのがユニットサブウーファー「TS-W312S4」(3万3000円:税込)だ。
元々、これらの商品は海外市場で「チャンピオンシリーズ」として発売されているグローバルモデル。「チャンピオンシリーズ」は北米で開催された音圧コンテストで優勝したサブウーファーのコンセプトを踏襲し進化させたモデルで、世界累計500万台という出荷台数を誇る人気商品だ。
入力に対し忠実に駆動する「高剛性シームレスコーン」などの独自構造によって大入力時でも正確かつ歪みの少ないクリアな重低音を実現している。
また普段は見えないサブウーファーでありながらアクティブな印象を与える大型のハニカムデザインキャップの採用やチャンピオンシリーズの力強さを感じさせるボトムデザインも魅力のひとつである。
■ジムニーユーザーに朗報!
カロッツェリア UD-K301。スズキ ジムニー/ジムニーシエラのピラー近くに取り付ける専用トゥイーターキット
現行型のスズキ・ジムニー/ジムニーシエラ用に開発されたトゥイーター取り付けキット「UD-K301」(6050円:税込)だ。
これは適合するカロッツェリアのツィーターをジムニー/ジムニーシエラのピラー部近くに取り付ける専用キットである。
スリムなデザインは視界を妨げることなく、最適な音場とスムーズな高音再生を可能にする魅力的なキットとして注目である。
この他にも純正スピーカーから手軽に音質を向上させるチューンナップトゥイーター「TS-T930(3万円:税込)などラインナップも充実。コアシステムとしてのサイバーナビとハイレゾ対応のスピーカーシステムの組み合わせにより、インフォテインメント領域はさらに強化されるだろう。
軽に音質を向上させるチューンナップトゥイーター「TS-T930」
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みんなのコメント
嘆かわしいかぎりで...
ユーザーはApple製品が車載できると飛びついて買うと思いますよ。
車載Androidはすでに海外メーカーが出しているのでパイオニアがAppleと提携して端末を出してほしい。
Carplayなんて中途半端なものでお茶を濁さないでほしいですね。(対応アプリ少なすぎ)