現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 古参ファンには微妙なモデル! 「プリンス」から始まったスカイラインの難しい立ち位置

ここから本文です

古参ファンには微妙なモデル! 「プリンス」から始まったスカイラインの難しい立ち位置

掲載 更新 11
古参ファンには微妙なモデル! 「プリンス」から始まったスカイラインの難しい立ち位置

 2代目スカイラインの途中に日産はプリンスと合併

 スカイラインというと、歴史的に見ても日産を代表するモデルといえるが、その立ち位置は長い間微妙なものであった。スカイラインの初代モデルは1957年に当時の富士精密工業(のちのプリンス自動車工業)より発売されている。1963年に2代目が登場しており、この2代目の途中となる1966年にプリンス自動車は日産自動車と合併している。

5世代すべてが絶対王者のスカイラインGT-Rに挑み続けたライバル車たち

 合併後には、1968年に3代目(ハコスカ)、1972年に4代目(ケンメリ)、1977年に5代目(ジャパン)、1981年に6代目(ニューマン)、1985年に7代目(7th)、1989年に8代目、1993年に9代目、1998年に10代目が登場しているが、多くの歴代モデルで愛称がつけられるほどの人気モデルとなっている。

 ただ前述したように、スカイラインの日産内における立ち位置は微妙にも見えた。あくまで私見であるが、メーカーである日産のスカイラインに対する姿勢には、日産だけでなく、日本車全体で見ても高い人気を誇るモデルながら、冷たいものを感じる部分もあった(合併したプリンス自動車のクルマという認識が強かったためとも聞いている)。

 購入者目線でみると、もちろんクルマ自体のパフォーマンスなどに惚れて購入するひとが大半なのだろうが、日本人は“判官びいき”なひとも多いので、“ブランドは日産だが、プリンス車の血筋を感じる”など、ことの真偽は別としてもその微妙な立ち位置に、かえってエキゾチックなものを感じて乗るひともいたようで、そのような部分もあって、長い間不変の人気モデルとしての地位を維持してきたといっても過言ではないだろう。

 いまは日産の販売会社名として残るのみ

 1999年に日産自動車はフランスのルノーと資本提携を結び、ルノーグループ傘下となる。2001年にGT-R以外となる10代目が生産終了となり、しばらく間をおいてから、2002年に11代目が登場する。しかし、この11代目は海外ではインフィニティGシリーズの3代目として販売されていた。

 日本国内でインフィニティブランドを展開していないこともあるが、日本であえてスカイラインと命名して日産ブランド車としたのは、海外市場でも認知度の高いスカイライン(それほどグローバルな輸出実績はしていないのだが)として日本で販売されているということが、海外市場において(主に北米)インフィニティGシリーズの販売促進になるものと考えられたとも聞いている。事実、筆者がアメリカを訪れていた時に、「G35って日本ではスカイラインなんだろ」と好意的に声をかけられたことを覚えている。

 その後、2006年に12代目、2013年には現行13代目が登場しているが。10代目のタイミングでスカイラインだけでなく、日産自体もある意味“リセット”されていることもあり、11代目からは、“日産だ”とか“プリンスだ”といった話は影を潜めてしまったといえるだろう。

 現状では、日産自動車のラインアップをみると、スカイライン以外でプリンス自動車モデルの車名ではクリッパーが残っている。しかし、これはスズキからのOEMとなる軽商用バンをラインアップする時に復活して命名している。また、日産の販売会社名として“日産プリンス〇〇”というのが、いまも残るのみとなっている。

 直近では、セダンとしてのスカイラインが現行型で最後となるとの報道があり、日産がこれを否定するコメントを出すなど注目されている。メディアとしては日産の象徴的な車名を持つモデルの廃止というのは、センセーショナルなものであると捉えるが、仮にスカイラインという車名自体がなくなる、もしくはセダンスタイルではなくなるとしても、100年に1度の自動車産業の変革期に加え、新型コロナウイルス感染拡大収束後の“ニューノーマル時代”や“アフターコロナ”というものも注目されているなかでは、大英断として前向きな姿勢として捉えるべきことではないかと考えている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

11件
  • 901運動しかりゴーン体制末期しかり、目新しい技術重視・マーケティング軽視で利益率を悪化させ、結局経営不振に陥る体質はそのまんまプリンス自動車から引き継いだものでしょう。
  • プリンスどころかゴーン以前の日産を知らない人が多くなって来てるのに何時までプリンスの影を引っ張りスカイラインを神格化するんだろう?
    その呪縛の結果が今の中途半端な日産じゃないの
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村