エコカーカップは富士スピードウェイが主催する「速く」、「安全に」、「低燃費で」総合力で競う参加型レースだ。2013年に第1回大会が開催され、2019年で7年目を迎えたエコカーカップ2019にベストカーWeb編集部チーム、ベストカーClubチームが参戦。
2019年で5年連続の参戦となるが、楽しみながらもレースでは苦い思いの連続という試練を味わっている我がベストカーWebチームの躍進はあるのか?
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文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】超絶盛り上がったエコカーカップ2019
キャンセル待ちが出るほどの人気
エコカーカップは富士スピードウェイが、クルマのユーザーの燃費志向、エコランへの関心の高まりという風潮のなか、ただのエコランではなくタイム、ドライブする楽しさを加味したレースを実現したいという思いで冒頭のとおり2013年に第1回大会が開催された。
3時間耐久のチャレンジ180はエントリーが80台だったため、予選を2組に分けてもゲートオープンを待って長蛇の列ができるほどだった
何しろ前例のないレースということで手探り状態。興味はあっても実際に参戦しようというユーザーは少なくマニア受けしても一般受けせず苦戦。
それがどうよ。エコカーカップのエントリーは基本的に先着順で定数に達した時点で受付終了となるのだが、最近ではキャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。参戦台数確保に苦労していたのが嘘のよう。
参加可能な車両は多岐にわたり、ガソリン車(G-1~4)、ディーゼル車(D-1~3)、ハイブリッド車(HV-1~6、競技車&車検対応外のSHV)、プラグインハイブリッドのPHVというかたちで排気量などによりクラス分けがされている。
レースは3時間耐久の『チャレンジ180』と1時間耐久の『エンジョイ60』の2タイプが用意されていて、好きなほうに参戦するほかWエントリーも可能だ。
2019年はエンジョイ60に57チーム、チャレンジ180に80チームがエントリーするという史上最大規模で開催された。
ライブの観衆ではなくレース前のブリーフィングに集まった参加者。1チーム平均5人としても500人近い数になる。エコカーカップは大人気イベントに成長
初の2台体制で参戦!!
大人気のエコカーカップ2019の開催にあたり、5年連続参戦中で常連となっているベストカーWebチームに加え、ベストカーClubチームが初参戦となり2台体制で参戦。
ベストカーWebチームは、自動車評論家の鈴木直也氏+4名のベストカーClub員というメンバーが現行プリウス(HV-4クラス)でチャレンジ180にエントリー。
いっぽうベストカーClubチームは5名全員がベストカーClub員というチーム構成で、参戦マシンはプリウスPHV。
PHVはチャレンジ180とエンジョイ60のWエントリーが義務付けられているものの、まだレギュレーションの整備ができていないため総合順位からは除外されている。
ベストカーWebチーム(プリウス)
ドライバーに自動車評論家の鈴木直也氏を招聘。HV-4クラスに現行プリウスで参戦。予選は鈴木氏がアタックし、総合36位とまずまずのポジションを確保
チームの目標は無事故は当然ながら、エコカーカップはレース順位よりも燃費順位のほうがポイントが優遇されているため目標燃費を18.5km/Lに設定。
予選アタックは鈴木氏が担当し、コースがクルマで混雑するなか、上手くクリアラップをまとめて予選は総合36位、HV-4クラスでは14台中7位を獲得と幸先いいスタート。
レースは過去の経験からオープニングラップでピットインし、ドライバー交代をしてクリアな状態で走る作戦をとったが、考えることはみな同じで、それほどクリアな状態では走れなかったものの、大混雑状態で走るより効果はあった。クルマがひしめき合うオープニングラップは燃費も10km/Lそこそこという悪条件は最低限で回避できた。
細かなところではピットインしてドライバー交代でのロスタイムが大きく影響。1回で10秒ロスすれば、5回で1分近いロスになる。これは次回参戦時の課題のひとつ
エコカーカップのチャレンジ180は1ラップ3分15秒という規定タイムがあり、それより早いと早着ペナルティが10ポイント加算されるため、闇雲に速く走れない。かといって50周の規定周回数があるため、エコランに徹することもできない。ホントよく考えられていて参戦者の頭を悩ませる。
ピットとクルマはアマチュア無線を使って交信し、前車とのギャップ、順位、ピットストップタイミング、現在の燃費などを確認しあう。
ピットストップで順位を下げ、コース上でライバルを抜くというパターンの繰り返しだが、遅い車に引っかかったりするとタイムロスだけでなく燃費も悪化していいことなしなので、プリウスに装着されているACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を駆使するなど、速く走るドラテクも必要だが、頭も必要なのがエコカーレースだと痛感。
クリアな状態で走ることができればラップタイムは安定し、燃費も上がっていく。しかし渋滞に巻き込まれればすべてが悪い方向になるのがエコカーカップの難しいところ
3時間、燃費と順位に翻弄されながら240.2kmを走行し、総合46位でフィニッシュ。その間使用した燃料は15.107L、平均燃費15.9km/Lをマーク。
ちなみにチャレンジ180で優勝したのは同じHV-4クラスのプリウスで参戦したTGRT with AF御殿場市役所モタ・スポ部でレース順位は総合7位、燃費順位は3位!! その燃費は19.7km/Lというから恐れ入る。燃費がよくて速い、まさにマイスターだ。
ペナルティは1回。インラップの落とし穴にはまり、3分15秒より6秒早い3分9秒のラップがあり、早着ペナルティを科せられてしまった。レース順位も芳しくなく、目標燃費にも届かず、ペナルティもありということで意気消沈していたが……。
最終の総合結果を見てビックリ。ベストカーWebチームは総合16位というこれまで参戦したなかでもベストのリザルトでエコカーカップ2019を終えた。
同じHV-4のプリウスとサイド・バイ・サイドのバトル。奥側のマシンがベストカーWebチームのプリウスで、次のコーナー手前で見事オーバーテイク!!
ベストカーClubチーム(プリウスPHV)
ベストカーClubチームは、未知のクルマであるプリウスPHVで参戦。バッテリーの使い方などわからない点は多いが、それだけにやりがいがある挑戦
前述のとおり、エコカーカップにおいてプラグインハイブリッドはまだ参戦台数も少ないためレギュレーションが整理されていないため、ベストカーClubチームは実験的な参戦となった。
PHVクラスに参戦したのは全部で3台。つまりライバルはほか2台となる。
しかしノーマルハイブリッドのプリウスと違い、プリウスPHVはEVモードが長く使えるが、レースでは実際にどのくらい使えるかはわからない。何しろみんなプリウスPHVをサーキットで走らせるのは初めてで、バッテリーの使い方など未知数なことだらけでドライバーも手探り状態であることは否めず困惑気味。
レース前にバッテリーを充電。EVモードによる航続距離は長いが、ラスト1時間に効率よく使うため、序盤、中盤はバッテリーを温存する作戦で奏功
そんななか、予選ではベストカーWebチームの鈴木氏のタイムを上回るタイムを刻み、総合29位となった。実は総合優勝したTGRT with AF御殿場市役所モタ・スポ部よりも予選順位は上だったとドライバーはニンマリ。
PHVだから燃費がいいだろう、と思っていたが、燃費はベストカーWebチームのプリウスと大きく変わらない。レース中は16.0~16.5km/Lの間を行ったり来たり。
並みいる強敵がいるなか、ノーマルよりパワーはあるが思いプリウスPHVで予選で総合29位を獲得したのはすばらしい!! これは自慢してよし!!
イマイチ燃費が伸びなかったのは、バッテリーを最後の1時間に効果的に使えるよう温存する作戦に出ていたため。
実際にEVモードを駆使したラスト1時間で燃費を伸ばすことに成功。レース順位は総合58位と低迷したものの3時間243.0kmを走行し、平均燃費は総合燃費順位で8位の17.8km/Lでフィニッシュ!!
ただし、素直に喜べないのは、同じプリウスPHVで参戦したTGRTチームは燃費総合1位の22.3km/Lをマーク。おいおい、というくらい差がついている。
燃費2位のディーゼル車クラスのデミオが19.9km/Lだからそのすごさが際立つ。今後PHVが本格参戦するようになると、その燃費は大きな武器になることが証明された。
ベストカーClubチームは1時間耐久のエンジョイ60にも参戦。こちらは1ラップの規定タイムが4分45秒というほぼエコラン。しかし前のクルマに近づきすぎる→アクセルを緩め減速→再びアクセルを踏んで加速という流れで燃費が悪化するなど苦行を強いられた。
エンジョイ60ではレース順位は57台中19位、27.9km/Lの好燃費をマークして総合燃費順位18位でフィニッシュして、チャレンジ180のリベンジを果たした。
バッテリーを温存している状態では重いプリウスということで燃費を想うように伸ばすことができなかったが、EVモードを駆使して総合燃費順位は8位でフィニッシュ
デジスパイスはサーキットで絶大な威力を発揮
ベストカーWebチームのプリウス、ベストカーClubのプリウスPHVにはともにデジスパイスIIIを装着して参戦。
このデジスパイスIIIは超小型GPSロガーと解析ソフトを組み合わせたスポーツドライビング解析システムでデータロガーとして人気絶大の商品だ。
デジスパイスIIIの本体は、サイズ 48×37×15.5mm、重量はわずか28gの超軽量コンパクトだからどんなクルマにも装着できるのが魅力
手のひらサイズで軽量コンパクト。ルーフなどに貼り付けるだけでOKの優れもの。充電式なので配線の必要がないものうれしい。無料アプリをスマホやタブレットにダウンロードすればすぐに使用できる手軽さも魅力だ。
最高速、走行距離といった車両の各種データを取得し、解析することができるのはもちろんのこと、データをダウンロードすることでプロドライバーの走りやスーパーGTマシンとの違いなどを比較することもできる。
今回エコカーカップでは主にラップタイマーとして使用し、3分15秒という規定タイムとの差が一目瞭然でわかりドライバーからも大好評。
サーキット走行で使用する場合、国際コースからミニサーキットまで幅広く対応しているので「速く走りたい」、「タイムを縮めたい」人にお薦めしたい。
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チャレンジ180、エンジョイ60を終えた後に開催された表彰式。いつかはこの舞台に立ってみたいと誰もが思うが、そのハードルはとてつもなく高い
大盛況のまま幕を閉じたエコカーカップ2019だが、すでに次回開催候補日が決まっていて、2020年2月11日(火・祝)、22日(土)のどちらかで開催するという。
正式な日程が決まり次第ホームページで告知するとのことなので、エントリーに漏れないためにも要チェック。
エコカーカップは、サーキット初心者、レース初心者でも参加できるし、いろいろなクラスが用意されているから自身の愛車でも必ず出られるクラスがある。ゲーム感覚で楽しめる21世紀的参加型モータースポーツのエコカーカップは参加する価値が高いのでぜひ参戦してみて!!
レースを終えて満足げなベストカーClub員。富士スピードウェイのピットにてグランドスタンドをバックに記念撮影。またこの場に戻ってきたい!!
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