2020年6月、マツダのコンパクトSUV「CX-3」に、待望の1.5Lガソリンモデルが登場した。これまでCX-3は、1.8Lのディーゼルモデルと2.0Lのガソリンモデルのラインナップだったが、そこに1.5Lガソリンが追加されたかたちだ。
マツダはここ10年ほど、マツダ2からCX-8に至るまで、クリーンディーゼル推しであったのはご存じだろう。
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また、昨年マツダは、ディーゼル並みの燃費と、ガソリンエンジンを超える動力性能とを持ち合わせた「夢のガソリンエンジン」スカイアクティブXエンジンを、マツダ3に採用(現在はCX-30 にも採用)するなど、国内他メーカーとは異なる、パワートレイン戦略を展開している。
そのマツダが、なぜここにきてCX-3に1.5Lガソリンモデルを追加したのか。そこには、マツダの「背に腹は代えられない」事情があったと考えられるが、こんな意外な効果ももたらしていた。
文:吉川賢一/写真:MAZDA
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モデル廃止もささやかれたCX-3
CX-3がデビューしたのは2015年2月、すでに5年目を超えている。デビュー当初は1.5Lのディーゼルのみであったが、その後の改良で、2.0Lガソリンエンジン追加され、さらに1.5Lディーゼルが1.8Lディーゼルに置換、そして2020年5月に1.5Lガソリンエンジンが追加となり、現在のCX-3のパワートレイン構成となった。
CX-3が属するコンパクトSUVジャンルは、いま最も激戦区であり、もともとC-HRやヴェゼルが売れていたところにトヨタライズが参入して売れまくり、近くヤリスクロスが投入される超人気ジャンルだ。本来CX-3は、そこでパイオニアとして存在感を示せていた可能性もあったのだが、苦戦が続いていた。
そして、このCX-3よりもひとまわり大きいクロスオーバーSUV「CX-30」が2019年10月にデビューすると、「CX-30はCX-3の後継なのでは?」との憶測が飛び交った。
マツダ2のクロスオーバーSUVとしての立ち位置で登場したCX-3
CX-30 が登場した際、CX-3とパワートレイン構成が重なっていたことと、価格帯も重なっていたこと、などが理由だ。前述したように、CX-3は販売台数で苦戦していたことも、憶測に信ぴょう性を持たせていた。
2019年10月にデビューしたCX-30は、CX-3の後継車か?との憶測が飛び交った
しかし、CX-30 はマツダ3をベースとするクロスオーバーSUVであり、マツダ2をベースとするCX-3とは、車格がちがう。マツダのエントリーSUVとしての役割を担ったCX-3を残したことで、マツダのSUVは、トヨタのそれに負けず劣らず、強固なラインアップとなっている。
CX-3、CX-30、CX-5と、ボディサイズを少しずつずらしており、ユーザーが好みのスタイルを選択できるよう、手厚いラインアップを構築している
1.5Lガソリンモデルが追加となったワケ
今回、1.5Lガソリンモデルが追加となった理由はほかでもない「車両価格を下げたかった」これに尽きるだろう。
CX-30 とのキャラ分けを図った、という言い方もできるが、実際、CX-3のベースグレードにあたる1.5Lガソリンモデル(15S/2WD:189万2000円)は、ディーゼルモデル(XD/2WD 車両価格249万2600円)に対し、約60万円も価格を下げ、一気に手が届きやすい価格帯までおりてきた。
15Sの2WDが税込189万2000円と、非常にリーズナブルな価格から手に入るようになったCX-3
その効果はてきめんで、2020年1月~5月までは登録車販売台数ランキングで圏外(50位以下)であったが、1.5Lガソリンが追加となった翌月(6月)は38位にランクイン(1145台)、前年比1.5倍の売り上げとなった。
高価なディーゼルと、車格に対して贅沢な2.0Lガソリン、というラインアップは、エントリーSUVであるCX-3には、やや無理があったといわざるを得ない。価格を理由に敬遠していた顧客が、購入できるグレードが登場したことで、販売が盛り上がったのは容易に想像つく。
しかし、実はこの1.5Lガソリンモデルこそが、最も「マツダらしさ」を体感できるモデルだと、筆者は感じている。
CX-3 1.5Lガソリンモデルは「隠れた名車」だ!
先日、このCX-3の1.5Lガソリンモデルに試乗させていただく機会があった。率直な感想は「これは面白い!」だ。
ディーゼルモデルに比べ、1.5Lガソリンモデル(15S)は約90kgも車重が軽くなっている。エンジンが軽くコンパクトになったことで、コーナーでクルマの鼻先が、意のままに動かせるように感じられた。軽い車体をひらひらと操っていく、という楽しみ方ができたのだ。
マツダ3にも、1.5Lガソリンエンジンモデルがあり、隠れた名車だ
15Sの111ps/14.7kgfmというエンジンパフォーマンスは、XD(1.8Lディーゼルエンジン・116ps/27.5kgfm)や20S(2.0Lガソリンエンジン・150ps/19.9kgfm)と比べると非力で、それなりにエンジンを回してやらないと、胸のすく加速を得られないが、むしろそうした操作が、とても楽しく感じられたのだ。
昨今、ノイズが少なくエンジンも静かで速度も速いクルマが続々と登場するなか(元エンジニアとして、技術を否定するものではないことは、補足しておく)、シャシー性能が高く、操縦安定性に優れたCX-3は、ドライバーがクルマの特性を理解して操るという、「クルマの楽しみ方の原点」を、最も感じられるようなモデルだった。
まさに、マツダのキャッチコピー「Be a driver」を実感することができた。
マツダは、この1.5Lガソリンエンジンを、CX-3以外にも、マツダ2、マツダ3ファストバック/セダン、そしてロードスターへ採用している。クリーンディーゼルエンジンやスカイアクティブXといった、主役級のエンジンが目立つ陰で、これほどにも楽しくさせてくれるエンジンには交換を抱かざるを得なかった。
マツダの「よいしょ記事」として読まれているかもしれないが、15Sは間違いなく「隠れた名車だ」と感じた。筆者ならば、まちがいなく15Sを選択する。
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みんなのコメント
とはワシら普通の車好きのおっさん達も 発売直後から言っていた
マツダは勘違いをしている
ユーザーは工芸品のような車を望んではいない
トヨタの作るような、張りぼてでもいい 見てくれがよくて 安い車なら何でも良いのだ
あのいかしたボディのクルマに200万円以下で乗れるなら 誰だって買うわ