モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、グループCカーの『メルセデス・ベンツC11』です。
* * * * * *
『ザウバー・メルセデスC9(1989年)』完全復活したシルバーアローで37年ぶりにル・マン制覇【忘れがたき銘車たち】
1990年はグループCにおいてひとつの時代が終わる年だった。それは1991年よりF1との共用も狙いだった3.5リッターNAエンジンを搭載する新規定グループCカーが世界選手権の主役になることが決まっていたため、ターボおよび大排気量NAマシンによる争いは、1990年が最後となるはずだったからだ(実際は1991年も旧規定Cカーは世界選手権やル・マン24時間レースにも参戦していた)。
そんな旧規定時代を締めくくる1990年の世界スポーツプロトタイプカー(WSPC)を制したのが『メルセデス・ベンツC11』だった。
メルセデス陣営は1989年、前作『ザウバーC9』でWSPCおよびル・マン24時間レースを制したものの、『C9』自体が投入より3シーズンを戦っており、急速に進化するライバルたちに対峙できないと判断し、1990年に『C11』を開発、投入した。
『C9』と同じくレオ・レスの設計によって生まれた『C11』の最大の特徴は、モノコックがカーボンになったことだった。実はこのカーボンモノコック車は、1989年に登場させる予定もあったのだが、設計ミスなどがあり、デビューが1年ずれてしまったという経緯もあった。
さらにモノコックに加えて、ボディデザインも一新された。スイスの軍用ムービングベルト付き風洞を使って空力開発が行われ、ノーズがスリムなシェイプになるなど各部が改良された結果、『C9』と比較してダウンフォースを20%もアップさせていた。
また、カーボンブレーキを新たに採用したほか、エンジンのモディファイも実施。M119型という5.0リッターのV型8気筒ツインターボという基本はそのままに、制御系を最新のものへ変更し、燃費や出力がさらに向上していた。
『C11』は鈴鹿サーキットで行われた1990年のWSPC開幕戦でデビューを果たす。この開幕戦では、2台中1台しか新車が間に合わず、1台が『C11』、1台が『C9』という体制で戦うはずだったが、予選で『C11』がクラッシュ。これによって2台とも『C9』で戦うことになってしまった。しかし陣営はそんなアクシデントも乗り越えて見事に1-2フィニッシュを達成し、幸先のいいシーズンスタートを切った。
続くイタリアのモンツァが舞台となった第2戦では2台ともが『C11』となり、いよいよニューカーが実戦デビューを果たすと、開幕戦に続いて1-2フィニッシュを決めてみせた。
その後、第3戦のシルバーストンラウンドこそトラブルなどでジャガーに優勝を奪われてしまったものの、第4戦以降は『C11』が全勝し、結局、『C9』での優勝を含めて全9戦中8勝という圧倒的な強さでメルセデスは、WSPC王座を防衛したのだった。
これで『C11』はお役御免となるかに思われたが、1991年にも活躍の機会が巡ってきた。1991年のスポーツカー世界選手権(SWC)に参戦する2台のメルセデスのうち、シーズン途中まで1台は『C11』とされたためだった。しかもその『C11』が新規定車よりも安定した速さを見せ、勝利こそなかったものの上位入賞を繰り返して、シーズン序盤はポイントリーダーにつける場面もあった。
加えて新規定車の信頼性が確保できていなかったこともあり、メルセデス陣営は1991年のル・マン24時間レースに旧規定車である『C11』で参戦した。
しかし『C11』は、予選ではトップタイムをマーク(スターティンググリッドは上位10台が新規定車に割り当てられることになっていたため、11番手に)、決勝でも終盤までレースをリードしていたが、トラブルによって後退、2年ぶりの総合優勝を果たすには至らなかった。
そしてル・マン後のSWCにおいてメルセデスは、2台目の『C291』を投入し、これによって『C11』は一線を退いたのだった。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?