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ワゴンのようでワゴンじゃない? 超個性的なハッチバック車3選

掲載 更新 10
ワゴンのようでワゴンじゃない? 超個性的なハッチバック車3選

■シューティングブレークと呼べそうなモデルを振り返る

 クルマのボディタイプにはさまざまな種類が存在しますが、そのなかでも日本であまり馴染みがないのが「シューティングブレーク」ではないでしょうか。

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 近年ではメルセデス・ベンツ「CLA シューティングブレーク」やフォルクスワーゲン「アルテオン シューティングブレーク」と車名にも使われており、ボディは一見するとスポーティかつスタイリッシュなフォルムのステーションワゴンです。

 このシューティングブレークは日本語で「狩猟用のクルマ」を意味しますが、その起源は馬車の時代にまでさかのぼります。

 その後1960年代から1970年代には、お金持ちの趣味である狩猟用にと、コーチビルダー(架装業者)が高級なクーペやセダンをベースにステーションワゴンに近いボディに改造して、シューティングブレークを仕立てたことから、ボディ形状のひとつとして確立されました。

 日本車では明確にシューティングブレークと定義されたクルマはありませんが、かつてはそれに近いモデルが存在。

 そこで、和製シューティングブレークと呼べそうな往年のハッチバック車を、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「エクサ キャノピー」

 日産は1978年に、次世代のFFベーシックカーとして初代「パルサー」を発売。1982年には2代目が登場し、ボディラインナップのひとつに2ドアクーペの「パルサーエクサ」が加わりました。

 その後、1986年にはパルサーエクサから「エクサ」に改名され、独立した車種として展開。

 エクサのボディは3ドアハッチバッククーペですがリアハッチの形状が2タイプ設定され、ひとつは比較的オーソドックスなスタイルの「クーペ」で、もうひとつはステーションワゴンに近い斬新なスタイルの「キャノピー」です。

 どちらのタイプもリアハッチの取り外しが可能で、リアシート側をオープンにすることができ、ルーフもTバールーフになっていたので、オープンエアドライブが楽しめるなど先進的な設計でした。

 国内で販売したエクサではクーペとキャノピーでリアハッチの互換性がなく、法規的な措置で載せ替え出来ない構造になっていましたが、海外仕様では互換性があり、1台で2タイプのボディに着せ替え可能となっていました。

 キャノピーのサイド部分は広いグラスエリアとなっており、それだけでもユニークなデザインですが、全体のフォルムはまさに欧州製のシューティングブレークを彷彿とさせました。

●ホンダ「アコード エアロデッキ」

 ホンダは1972年に発売した初代「シビック」のヒットから、さらなる車種拡大を進め、1976年にはシビックの上位モデルとして初代「アコード」が誕生しました。

 ボディタイプは発売当初3ドアハッチバッククーペのみでしたが、後に4ドアセダンが追加され、1981年登場の2代目も継承。そして、1985年に発売された3代目ではハッチバッククーペが廃止され、代わりにステーションワゴンタイプの3ドア「アコード エアロデッキ」がラインナップされました。

 3代目の特徴である、リトラクタブルヘッドライトを採用したシャープなウェッジシェイプのフロントまわりと、ロングルーフのキャビンは、それまでの国産車にないスポーティなフォルムを実現。

 エアロデッキは、まさにシューティングブレークそのものといっていいスタイリングでした。

 その後、1989年に4代目へフルモデルチェンジすると、4ドアセダン、2ドアクーペ、5ドアステーションワゴンのラインナップに改められ、エアロデッキは一代限りで消滅してしまいました。

 なお、エアロデッキは日本と欧州、ニュージーランドなどでも販売されましたが、北米仕様では一般的な3ドアハッチバッククーペとされ、こちらもなかなかスタイリッシュなフォルムでした。

●日産「ブルーバード オーズィー」

 日産は1967年にダットサン「510(日本名:ブルーバード)」をアメリカで販売し、続いて「240Z(同、フェアレディZ)」と2台とも大成功を収めて、本格的な海外進出を開始。

 その後、1976年にはオーストラリアでも現地法人を立ち上げて販売を開始し、1980年代には工場を設立。日本国内と同一のモデルだけでなく、オーストラリア独自の車種も展開しました。

 そのなかの1台が8代目「ブルーバード」の派生車「ブルーバード オーズィー(現地名:ピンターラ)」で、1991年に限定モデルとして日本でも輸入・販売されました。

 ボディは一見すると直線基調のスタイリッシュなステーションワゴンですが、日産はブルーバード 5ドアハッチバックとアナウンスし、「スーパーハッチバック」と呼称しました。

 外観は8代目の「U12型」ブルーバードに準じたフロントセクションに、セダンに近いショートルーフで傾斜角を寝かしたリアハッチなど、現在のクーペワゴンを先取りしたようなフォルムです。

 また、前後バンパーのアンダースポイラー、サイドステップ、リアスポイラーなどのエアロパーツが装着されるなど、スポーティに仕立てられていました。

 エンジンは日本仕様専用に最高出力140馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHC「SR20DE型」を搭載し、トランスミッションは4速ATのみと、ツアラー的なキャラクターでした。

 また、内装ではシートが専用とされ、上位モデルと同等の本革巻きステアリングとシフトノブが奢られています。ほかにも2:1分割可倒式のリアシートなど、ユーティリティの高さもステーションワゴンに近いといえました。

 ブルーバード オーズィーは当初の予定どおり3か月ほどで販売を終了し、今ではかなりのレアモデルです。

 ちなみに、ブルーバード オーズィーを成約すると、オーストラリア製ムートンのシートカバーと、オーストラリア国旗をあしらったキーホルダー、カンガルーのぬいぐるみがプレゼントされました。

※ ※ ※

 近年、ステーションワゴンのデザインは流麗なフォルムが主流で、リアハッチの角度を極端に寝かしたクーペスタイルがスタンダードになりつつあります。

 たしかに、最新のステーションワゴンはどれもカッコイイと認めざるを得ないでしょう。

 一方で、ボルボ「240エステート」のような、無骨なスタイルのクラシックモデルも一定の人気があり、ステーションワゴンのデザインも、原点に立ち返ってみるのもアリかもしれません。

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
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みんなのコメント

10件
  • 兎にも角にも
    この頃のホンダは
    ニュースに溢れてた
  • アコードエアロデッキは発売する時代が早すぎた
    ホンダはナンで「今」こんな感じのクルマ出せないのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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