【アルファロメオ トナーレ試乗】その見た目で選びたくなるSUV

アルファロメオ初のマイルドハイブリッドを搭載した次世代のSUV。スポーティネスを謳う本モデルの実力を、ミニサーキットで体感した。（Motor Magazine2023年3月号より）

ストレスフリーの加速感はアルファロメオブランドならでは
長い歴史と華麗なヒストリーに裏打ちをされた、いかにも多くのクルマ好きの琴線を刺激しそうなブランドであるアルファロメオ。そんなイタリア発のブランニューモデルが、ステルヴィオ同様にイタリアの有名な峠に由来するネーミングを与えられた『トナーレ』である。

CセグメントのSUVという昨今のボリュームゾーンに投入された、待望だったこのモデルが、いよいよ日本にも上陸した。限定されたコースで短時間ながら「初乗り」を体験することが出来た。

どのようなアングルから目にしても、このブランドの作品らしく躍動感に富んで魅力的なボディは全長と全幅が4530× 1835mmと、日本でも持て余すことのなさそうなサイズが、まずはこのモデルの大きな特徴。それでいながら、今や星の数ほど存在するSUV群の中に置いても決して埋没することのない存在感の強さをアピールするのはさすがの仕上がり。

端的に言って「まずはその見た目で選びたくなるSUV」という点においては、このカテゴリーの輸入SUVの中にあっても最右翼の存在と紹介したくなる魅力がある。

ドライバーの操作に対するレスポンスは、スムーズ＆リニア
「二眼式」のメータークラスターなど、ドライバーオリエンテッドの設計思想が感じられるインテリアのデザインも、前述のエクステリアの雰囲気とのマッチングがピタリという印象を受ける。このモデルの場合、一番の特等席がドライバーズシートであることは明らかだ。

グループの電動化の先頭を行くことが表明されたこのブランドの最新作らしく、日本に導入されるトナーレが7速DCTと組み合わせて搭載するのは、最高15kWの出力を発するモーターを軸としたマイルドハイブリッドとして完成された1.5Lのターボ4気筒エンジン。

決して「爆速」の持ち主ではないがその加速感はストレスフリー。同時に、SUVでありながらもステアリングゲインが高く、わずかな操作に対して俊敏に向きを変える走りの感覚がいかにもこのブランドのモデルらしく感じられた。（文：河村康彦／写真：伊藤嘉啓）

アルファロメオ トナーレ エディツィオーネ・スペチアーレ主要諸元
●全長×全幅×全高：4530×1835×1600mm
●ホイールベース：2635mm
●車両重量：1630kg
●エンジン：直4DOHCターボ＋モーター
●総排気量：1468cc
●最高出力：117kW（160ps）／5750rpm
●最大トルク：240Nm／1700rpm
●モーター最高出力：15kW（20ps）／6000rpm
●モーター最大トルク：55Nm／2000rpm
●トランスミッション：7速DCT
●駆動方式：FF
●燃料・タンク容量：プレミアム・55L
●タイヤサイズ：235／40R20
●車両価格（税込）：578万円

[ アルバム : アルファロメオ トナーレ試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]