■トランプ関税とは?仕組みと日本の自動車産業への影響をわかりやすく解説!
最近のニュースで「トランプ関税」というワードを見聞きする人は多いでしょう。
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「トランプ関税って何?」「そもそも関税ってどういう仕組みなの?」など、疑問がある方も多いかと思います。
本記事では、関税とは何か分かりやすく解説したうえで、いま話題のトランプ関税についても詳しく紹介していきます。
自動車産業への影響についても触れていますので、本記事を参考に関税への理解を深めてみてください。
■●関税とは?仕組みなどをわかりやすく解説!
関税とは、国境を超えて商品を輸入する際に課される税金のことです。
一般的に、「輸入品に対して発生する税金」として認識されています。国が財政収入を得たり、国内産業を守ったりするうえで重要な税金です。
たとえば、海外から安価な製品が大量に国内市場へ流入した場合、国内の同業者は価格競争で不利な状況に陥る可能性があります。
そのため、国は海外からの製品に対して関税をかけて価格を上げることで、国内の同業者との競争力を調整しているのです。
関税には、主に以下のような目的があります。
・国内産業を守るため
輸入品に対して関税を課すことで、国内産業を守る機能を果たします。安価な輸入品でも関税を上乗せすれば、輸入品の国内における価格競争力を抑制できます。
たとえば、輸入米は1キログラム当たり341円の関税が課されています。高い関税が課されることで、安価な輸入米の流入を抑制して、国内の農業を守っているのです。
・国の財源確保・税収を上げるため
輸入品に課された関税は、国の財源となります。先進国である日本においては、関税による国の財源確保という役割はそれほど大きくありません。
とはいえ、2023年の日本の関税収入は2023年度で約9,100億円もあり、国税収入の約1.3%を占めているため、貴重な財源だと言えます。
・貿易交渉や外交戦略における重要なカード
関税は、貿易交渉や外交戦略において、重要なカードとなる機能も担っています。国と国の関係性を大きく左右することも少なくありません。
最近では、「トランプ関税」と呼ばれる、米・トランプ政権による関税引き上げが大きな話題となっており、日米間の関係性に影響を及ぼしています。
■●関税の種類
関税には、法律で定められている「国定税率」と、条約で定められている「協定税率」「EPA税率」があります。
国定税率(輸入品にかける関税率)は、国会の議決した関税法に基づいて設定されており、協定税率やEPA税率は、国会で成立した条約に基づき税率が設定されています。
税率のそれぞれの意味は、以下の通りです。
■【基本税率】従価税と従量税の違い・メリット・デメリット
関税の課税方法として、「従価税」と「従量税」があります。
従価税は、最も一般的な関税率であり、輸入品に対して一定の割合で課される関税です。
「従量税」は、輸入品の個数や重量などの数量を基準に課されます。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
基本的に、輸入品目によって従価税と従量税を使い分けますが、なかには2つの課税方法を組み合わせた「混合税」というものもあります。
混合税には、従価・従量選択税(選択税)と従価・従量併用税(複合税)があり、選択税は同じ輸入品に対して従価税と従量税で計算して、基本的に関税額が高いほうが課されます。
複合税に関しては、従価税と従量税を同時にかけるのが特徴。従量税は輸入価格が高くなると関税率が低くなってしまうため、一定の従価税を課して国内産業を守る機能を果たします。
■●いま話題の日米関税って何?自動車産業に及ぼす影響は?
●いま話題の日米関税って何?自動車産業に及ぼす影響は?
いま話題の日米関税は「トランプ関税」とも呼ばれており、大きな注目を集めています。
もともと、日米間では本来の関税率が15%未満の品目については一律15%、15%以上の品目は関税を上乗せしないことで合意していました。
しかし、大統領令にそのような記載はなく、結果的にアメリカが日本から輸入するすべての品目に関税が15%上乗せされたため、世間の注目を集めているのです。
赤沢亮正経済再生担当相は、「米側から今後、適時に大統領令を修正する措置を取るとの説明があった」と話しており、自動車や自動車部品に関しても日本とアメリカが合意して、27.5%(追加関税25%・基本税率2.5%)から15%(追加関税12.5%・基本税率2.5%)に引き下げることになっています。ただし、実施時期は未定です。
問題なのは、「日米間で自動車関税の引き下げに合意しているのに、アメリカ側が時期下げ時期を明言していないこと」です。
2025年4月から現在にかけて27.5%まで引き上げられた自動車関税により、日本の自動車メーカーは以下のように営業利益を押し下げたとしています。
トヨタ:4,500億円
ホンダ:1,246億円
マツダ:697億円(赤字)
スバル:556億円
日産:687億円(赤字)
三菱:144億円
※前年同期比
上記6社の2025年4~6月の関税影響は、合計7,830億円にものぼります。
また、今年度1年間の業績見通しとして、トヨタが1兆4,000億円、ホンダが4,500億円、営業利益を押し下げると見込んでいます。
ただし、これは日米交渉で合意した、15%の自動車関税を前提とした影響額です。
自動車関税の引き下げが先延ばしになるほど、自動車メーカーの負担は巨額になります。
※ ※ ※
果たして、関税の引き下げはいつになるのでしょうか。
赤沢亮正経済再生担当相は8月9日、自動車関税の引き下げ時期について「(5月に合意した)英国が実施されるまで54日間かかっているので参考にする」と述べています。
英国と同程度の時間がかかる場合、自動車関税の引き下げは9月中旬頃になると考えられます。(マツ)
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