現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 9年分の進化は凄い!──新型日産エクストレイル試乗記

ここから本文です

9年分の進化は凄い!──新型日産エクストレイル試乗記

掲載 5
9年分の進化は凄い!──新型日産エクストレイル試乗記

約9年ぶりにフルモデルチェンジした新しい日産「エクストレイル」に小川フミオが試乗した。

e-4ORCEなど注目技術満載

価値ある4WD──新型日産キックス試乗記

日産の新しいエクストレイルは、ひとことで言って走りが素晴らしかった。

新型エクストレイルは、シリーズハイブリッド・システム「e-POWER」を搭載したのが大きな特徴だ。駆動はモーターで、発電用に1.5リッター直列3気筒ガソリンターボ・エンジンを使う。前輪駆動と、後輪駆動用にモーターを追加した4WDの2種類が用意される。

まず発売されるのが4WDで、遅れて前輪駆動が登場する。前輪用モーターは、150kWの出力に330Nmの最大トルク(ノート比で1.2倍)。後輪用モーターは100kWと195Nm。こちらはノート比で1.9倍のパワーという。このパワートレインは全モデル共通だ。

特筆したいのは、最初に触れたとおり、走りだ。「e-4ORCE(イーフォース)」と呼ぶ、日産独自の4WDシステムは、期待していただけあって、このクルマがSUVであることを忘れてしまうほどスポーティなハンドリングを実現している。

モーターとブレーキで4輪の駆動力を調整するのがe-4ORCEだ。悪路での走破性、コーナリング能力、それに安定性の向上を謳う。アクセルペダルをパッと閉じるとタイヤの回転のせいで、乗員の頭が振られるのは一般的であるが、e-4ORCEでは、前後輪の駆動力制御でフラットな姿勢が維持出来るとしている。

さらに新型エクストレイルでは、独特の構造をもつピストンによる可変圧縮比エンジン(「VCターボ」と呼称される)を搭載した。走行に応じて圧縮比を変える(出力を変える)ため、1.5リッターから最大2.8リッターの排気量に相当するパワーと、燃費効率のよさを同時に追求出来るとされる。バッテリーへの電力供給のためのエンジンにとって、重要な性能なのだ。

幅広いニーズに対応

実際運転すると、力強い加速力を発揮するうえに、レーン・チェンジ時の素早さと安定感の高さは、目をみはるばかりだ。瞬時に大きなトルクを発生するモーターの特性を活かしているとともに、正確なステアリングと、しっかりしたサスペンションシステムをきれいにまとめあげているという感じである。

3列シート仕様もあって、幅広いニーズへの対応が目指されているのは仕方がないことだけれど、悪路も走れるピープルムーバーに終わっていないところがたいへん良い。

静粛性を高めることも、新型エクストレイルの大事な目標だったという通り、たしかに速度がかなり上がっても、意外なほど室内は静かだ。タンというベージュ系の内装色で雰囲気を出した仕様や、「エクストリーマーX」なる、アウトドアテイストを打ち出した仕様などは、クルマに乗ることを楽しみたいひとに向いている。

個人的に評価したい機能もいろいろあった。ひとつは「3ゾーン・エアコン」。運転席と助手席と後席で個別に温度調節が可能になっている。もうひとつは、後席用のドアシェイド。ウインドウ用の日除けで、フランスのSUVには装着車が多い。これも便利なもの。

日常で使っていて、意外なところの気配りに気がつくクルマかもしれない。「テイラーフィット」と名づけられた人工皮革シートも、動物福祉の観点から同様の人工皮革にこだわるテスラ車並みに肌触りが良い。

AUTECHも同時発売

ボディサイズは、従来型と較べて、2705mmのホイールベースは同一で、全長が30mm短くなって4660mmに、全高は20mm低くなって1720mmになった。後席の前後スライド量は20mm増えて260mmもある。

プラットフォームを共用する三菱「アウトランダーPHEV」とは、ホイールベースは同一。全長は三菱車が50mm長く、全高も25mm高い。いずれにしても両車の窮屈さは皆無だ。

e-4FORCE搭載車の価格はベースグレード「S e-4FORCE」(2列シート)の347万9300円から。「X e-4ORCE エクストリーマーX」(412万9400円)もあり、最上級モデルは「G e-4ORCE」(449万9000円)。同時に「AUTECH e-4ORCE」(446万7100円~)の設定もある。繰り返しになるが、こののち前輪駆動も発売される。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

こんな記事も読まれています

無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web

みんなのコメント

5件
  • デザインは海外モデル持ち越しで新しさがないけど、1.5lで税金安いわりにシステム出力250kW/トルク525Nmは魅力だな。価格もそんなに高くないし。
  • 7年分の間違いじゃないの?って皮肉を書こうかと思ったが、e-POWER が最新版だから、やめとくか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

360.1533.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.5558.0万円

中古車を検索
エクストレイルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

360.1533.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.5558.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村