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モデルYより安い新グレード 日産アリアへ英国試乗 価格競争力を強化 本来の魅力は変わらず

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モデルYより安い新グレード 日産アリアへ英国試乗 価格競争力を強化 本来の魅力は変わらず

廉価仕様で英国の価格競争力を強化

日産の量産バッテリーEVとして、リーフに次ぐ2番手を担うアリア。2022年の発売以来、厳しい生存競争にさらされている。フォルクスワーゲンID.4にプジョーE-3008、ヒョンデ・アイオニック5など、ライバルは少なくない。

【画像】廉価グレードで「価格競争力」を強化 日産アリア 競合サイズの電動SUVと写真で比較 全164枚

そこで同社が取った手段は、価格競争力を強化すること。英国仕様に、新しいグレードが設定された。

現在の英国で、アリアのトップグレードにあるのがエボルブ+。ツインモーターの最高出力は394ps、最大トルクは61.1kg-mと強力だが、お値段は約6万ポンド(約1152万円)。0-100km/h加速は5.1秒と鋭いものの、お高いことは否めない。

今回追加されたのは、その反対側にある廉価仕様で、英国価格は3万9645ポンド(約761万円)から。日産によれば、このエンゲージ・グレードの反応は上々らしく、既に新規契約の20%を占めているという。

エントリーグレードでも、装備は充実。LEDヘッドライトにヒーター内蔵ドアミラー、19インチ・ホイールなどが標準で備わる。ダッシュボード上に据えられる、12.3インチのタッチモニターとメーター用モニターも、上級グレードと変わらない。

ちなみにエボルブ+を選択すると、パノラミック・サンルーフにヘッドアップ・ディスプレイ、ボーズ社製の10スピーカー・ステレオなどが備わる。20インチ・アルミホイールとナッパ・レザーのインテリアも。

最高出力218ps 線形的で直感的なレスポンス

フロントシートが手動式になり、クロス張りになるのは、価格を抑えた結果だろう。それでも、インテリアの全体的な品質は高いまま。衝突被害軽減ブレーキなど、運転支援システムも充実している。

シートの座り心地は良好。ドア側のパネルも、肌触りはソフト。傷が付きやすいプラスティックが露出した部品は、足元付近にしか用いられていない。

パノラミック・サンルーフは装備されないが、車内は明るく開放的。身長が185cmくらいまでなら、車内空間に不満はなし。フロアがフラットだから、リアシートの中央に座っても足の置き場へ困ることもない。

駆動用バッテリーは、2種類ある容量の内の63kWhが載るが、航続距離は403kmと必要充分。これで足りない場合は、5000ポンド(約96万円)を追加することで、87kWhの大容量も選べる。

駆動用モーターはシングルだが、最高出力は218ps、最大トルクは30.4kg-mあり、普段使いに不足はない。車重1907kgの前輪駆動で、0-100km/h加速は7.5秒でこなせる。実際、高速道路への合流も、幹線道路での追い越しも余裕だ。

アクセルペダルの操作に対し、パワーが線形的で直感的に放出される点も強み。ここへのこだわりが甘いモデルも、競合には存在する。ただし、少し乱暴に右足を倒すと、フロントタイヤが鳴くことはある。

魅力は変わらず EVへの乗り換えを受け止める

ステアリングホイールは驚くほど軽く回せるが、反応は正確で予想しやすい。コーナーへ積極的に飛び込むと、アリアが大きく重いクロスオーバーだと実感する。サスペンションも柔らかい。とはいえ、日常的な速度域では運転しやすいと感じるはず。

グレートブリテン島らしい、管理の悪いアスファルトを走らせると、乗り心地の落ち着きが削がれ、乗員が少し揺さぶられることも。高速道路なら、しっとり安定している。風切り音やタイヤの転がり音は、良く遮断されているようだ。

インテリアで低コスト化を感じるとはいえ、アリアが備える本来の魅力は、新しいエントリーグレードでも変わらない。4万ポンド(約768万円)以下という設定は、英国ではテスラ・モデルYやアイオニック5を下回るお手頃さだ。

クラスベストの完成度ではなくても、独自性はしっかり備わる。乗り心地も快適。現行のキャシュカイ(旧デュアリス)などからバッテリーEVへの乗り換えを検討する人を、アリアのエンゲージ・グレードは充分受け止められるように思う。

◯:開放的で上質なインテリア リニアで洗練されたパワートレイン 車内空間と航続距離 エントリーグレードの価格価値
△:前席側の頭上空間がやや限定的 不安定さが現れる乗り心地 トップグレードの価格価値

日産アリア 63KWH エンゲージ(英国仕様)のスペック

英国価格:3万9645ポンド(約761万円)
全長:4595mm
全幅:1850mm
全高:1660mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:403km
電費:5.6-6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1907kg
パワートレイン:励磁同期モーター
駆動用バッテリー:63.0kWh
急速充電能力:−kW
最高出力:218ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

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みんなのコメント

4件
  • cam********
    エクステリアは良いがダッシュボード周りが価格の割にしょぼいな。
    日産はこういう所が下手なんだよな。
  • Lore in
    メルセデス乗ってるんだが、最近増えてきた横基調のナビタイプでもアリアの様に上に傘のない作りだと写り込みなど激しくならないのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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