現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > コーナリングも維持費も「ポルシェ水準」 カイエン(初代) ブランド初のSUV UK中古車ガイド

ここから本文です

コーナリングも維持費も「ポルシェ水準」 カイエン(初代) ブランド初のSUV UK中古車ガイド

掲載 1
コーナリングも維持費も「ポルシェ水準」 カイエン(初代) ブランド初のSUV UK中古車ガイド

潤沢な収益を与えた初代カイエン

何を美しいと感じるかは、人それぞれ。2002年に発表されたポルシェ・カイエンを、美しいデザインだと感じた人も少なくないと思う。

【画像】コーナリングも維持費も「ポルシェ水準」 カイエン 最新3代目と同社のSUVたち 全103枚

すっかり違和感は消えてしまったが、初代カイエンはポルシェ初のSUVだった。シュツットガルトのブランドらしく、お値段は高く、内装は豪華で、強力なエンジンを搭載していた。燃費は、少々褒めにくかった。

しかし、ポルシェでありながらボディは肉厚で、フロントマスクも精悍とは呼べなかった。古くからのポルシェ・ファンや一部のメディアから、スポーティさの欠ける容姿へ批判的な声が上がったことも事実だ。

それでも、市場では大きな支持を獲得。カイエンは、ポルシェに潤沢な収益を与えた。現在では市民権を獲得し、裕福な人が集まる住宅街には、必ずといっていいほど新しいカイエンが止まっていたりする。

今回振り返る初代は、2002年から2010年まで販売された。当初は、ベースグレードに載った253psの3.2L V6ガソリンターボと、カイエン Sに載った344psの4.5L V8自然吸気、カイエン・ターボの450ps V8ターボという3種類のエンジンが用意された。

3.2L V6エンジンのパワーは、ポルシェとしては少々物足りない。0-97km/h加速に要する時間は、9.0秒だった。条件が許すなら、Sかターボが望ましいだろう。それ以上を望むなら、521psのカイエン・ターボSが2006年に登場している。

コーナリングは機敏 維持費はポルシェ水準

2007年にフェイスリフト。3.2L V6は3.6Lへ拡大され、4.5L V8ターボは4.8Lへ拡大された。同時に、自然吸気で405psを発揮する、4.8L V8のGTSも登場。燃費に優れる3.0L V6ターボのディーゼルも、欧州市場へ投入されている。

トランスミッションは、低グレードで6速マニュアルを指定できたが、殆どのオーナーは6速オートマティックのティプトロニックを選んだ。駆動方式は、リアアクスル主導の四輪駆動。カイエン・ターボ以上には、エアサスペンションとロックデフが装備された。

ベースのカイエンと、カイエン Sにはスチールコイルのサスペンションが組まれるが、乗り心地は少々悪い。2007年のフェイスリフトで、若干改善されている。

とはいえ、サスペンションを問わず、ポルシェらしくコーナリングは機敏。優れた操縦性は、2代目カイエンのハードルを上げることになった。2014年に登場したポルシェ・マカンにも、その特長は受け継がれたといえる。

標準装備は充実。ハーフレザーのパワーシートとエアコン、トラクション・コントロールなどがベースグレードにも与えられ、ターボ以上にはクルーズコントロール、メタリック塗装、スポーツシート、パーキングセンサーなどが追加された。

2024年に1番安いポルシェをお探しなら、間違いなく初代カイエンがその答え。ただし、車両価格はお手頃でも、維持費はポルシェ水準でかかる。魅力を感じたのなら、可能な限り状態の良い1台を、じっくり探してみてはいかがだろう。

新車時代のAUTOCARの評価は

ポルシェの技術力と開発力を新しいカテゴリーへ投じることで、驚異的な能力を備えたモデルが登場した。達成した動的能力の高さを考えると、カイエン最大のウイークポイントが、スタイリングだという事実は惜しい。

それでも、能力の幅の広さには前例がない。見た目を受け入れれば、素晴らしいクルマだ。(2003年3月19日)

オーナーの意見を聞いてみる

アンドリュー・ドイル氏

「2007年式カイエン Sを新車で購入し、今も所有しています。素晴らしいファミリーカーといえ、欧州各国を家族で旅行するなど、これまでに20万km以上を走りました」

「電気的な不具合は起きましたが、基本的に信頼性は悪くないと思います。自分は正規ディーラーへ定期的に整備をお願いしていますが、正直なところ、維持費は安くありません」

「それでも、ドライビング体験は素晴らしい。インテリアデザインには、ポルシェらしい雰囲気があります。まだしばらく、乗り換えは考えていません」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

カイエンのボディは錆びにくい。目立つサビがあるなら、事故の修復が完璧ではない可能性を疑う。オフロード走行の可能性は低いが、シャシー底面などの状態も要確認。

フロントガラス付け根のドレインが詰まると、フロント・バルクヘッドへ雨水が溜まってしまう。電気系統のダメージを生む。

エンジン

2006年式までのV8エンジンでは、プラスティック製のクーラントパイプが割れがち。その後、アルミ製へ置き換えられた。カイエン Sでは、12万km前後でシリンダーに不具合が生じる場合がある。アイドリング時に異音が聞こえるなら、購入は見送りたい。

ディーゼルエンジンでは、インジェクターの状態に注意。エンジンオイルは0W-40の全合成にこだわりたい。エンジンオイルの消費が激しかったり、ノッキング症状が出るなら、不調を抱えている証拠。

クーラント漏れは、エンジンを問わず珍しくない。ラジエーター下部のパイプが錆びていないか観察する。

トランスミッション

ティプトロニックは、12万km前後で内部バルブが故障することがある。積極的な加速中にパワーが不自然に途切れないか、試乗で確かめたい。

カイエンで共通して、プロペラシャフトのセンターベアリングが壊れがち。低速域でゴロゴロと、高速域でバタバタと唸るようなら要交換。トランスファーのアクチュエーターも、12万km前後で駄目になることがある。

スペンションとブレーキ

エアサスペンションは、ボディが水平に保たれているか確認する。エアコンプレッサーは、11万km前後から故障し始める。フロントロアのウィッシュボーン・アームも、不調になりやすい。

純正のブレーキパッドは減りやすく、1万6000kmほどで交換が必要になる。タイヤは、2万4000km程度で寿命を迎える。予算は予め組んでおきたい。

インテリア

リアシートを折りたたむときは、中央のシートベルト・バックルの位置へ注意。レザーシートへ穴を開けてしまうことがある。電気系統がすべて正常に動くか確かめる。メーターパネルの警告灯もチェックポイント。

知っておくべきこと

ほぼすべてのカイエンには、6速ATが組まれている。6速MTは非常に珍しい。

ポルシェへ詳しい人は、2007年式より前のカイエン Sは避けるべきだとしている。シリンダー内のコーティングが駄目になり、エンジンの不調を招く可能性があるという。新しいエンジンは、中古車価格を上回るはず。

日常的なメンテナンス費用は、メルセデス・ベンツやBMWより遥かに高い。燃費も、ガソリンエンジンでは7.0km/L以上を期待しない方が良い。

英国ではいくら払うべき?

2000ポンド(約37万円)~5999ポンド(約111万円)

走行距離の長い、前期型のベースグレードが英国では出てくる価格帯。価格帯の上位には、カイエン Sも含まれる。望ましい状態へ仕上げるには、相応の費用が必要だと考えたい。

6000ポンド(約112万円)~9999ポンド(約185万円)

装備が充実した前期型を、英国では選べる価格帯。走行距離は少し短くなるが、コンディションは入念に確認したい。

1万ポンド(約186万円)~1万4999ポンド(約278万円)

2005年式以降のカイエンを選ぶなら、この価格帯から。走行距離は短くなる。フェイスリフト後のモデルも含まれる。

1万5000ポンド(約279万円)以上

初代カイエンで状態の良い例を探すなら、この価格帯まで奮発したい。GTSやターボも、選択肢が増える。

英国で掘り出し物を発見

ポルシェ・カイエン S ティプトロニック 登録:2006年 走行距離:13万8400km 価格:6250ポンド(約116万円)

ブラックの塗装が魅力的な、カイエン S。走行距離は長すぎず、状態は悪くなさそうだ。整備記録が揃い、キーは2本付く。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
AUTOSPORT web
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
motorsport.com 日本版
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
くるまのニュース
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
VAGUE
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
WEB CARTOP
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
レスポンス
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
ベストカーWeb
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
くるまのニュース
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ルーミーって…なんでこんなに売れてるの? どこがいいの???
ベストカーWeb

みんなのコメント

1件
  • kmq********
    ここまでウィークポイントあると、ポルシェじゃなけりゃ即廃車です
    直しながら乗る、安物買いの銭失い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1230.01605.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01850.0万円

中古車を検索
カイエンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1230.01605.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01850.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村