毎月足しげく新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回はマツダの新型SUV CX-60受注絶好調、トヨタ新型シエンタの受注内訳、日産エクストレイルはFF仕様の発売を延期、トヨタハリアーにビッグマイナーチェンジの予定?……などなど、国内自動車メーカーの最新動向をお届け!!
新型CX-60受注絶好調! シエンタの「売れ筋仕様」は? エクストレイルFF発売延期!? ほか 国内メーカー最新動向
●トピック
・トヨタ 新型シエンタは2列シート5人乗り車の人気が高い
・マツダ 新型CX-60 受注絶好調!
・新型エクストレイルのFF車は2023年春以降へ発売延期
・ハリアーは2024年に大幅なマイナーチェンジ予定
・トヨタ カローラクロスの1.8Lガソリン車が廃止か?
・マツダ、CX-8を大幅改良。CX-5も一部改良
・ホンダ 新型ステップワゴンとヴェゼルの納期に差が?
・スズキ スイフトは来春にフルモデルチェンジか?
※本稿は2022年10月のものに適宜修正をしています
文/遠藤徹、予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年11月10日号
■トヨタ 新型シエンタは2列シート5人乗り車の人気が高い
トヨタが2022年8月に発売した新型シエンタは堅調な受注推移を見せています。9月下旬現在の納期は2023年3月で6カ月待ちとなっているのです。
そのなかでも、先代モデルではシリーズ全体の20%に過ぎなかった2列シート5人乗り仕様車の販売構成比が、新型では約半分と好調に売れているのが特徴です。
グレード別の販売構成比は大部分が最上級のハイブリッド「Z」で占められます。ボディカラーはパールホワイトが一番人気となっています。
なお、購入のための初回交渉での条件提示は、車両本体からの値引きが5万円で、オプションの値引きも5万円程度と引き締められています。
■マツダ 新型CX-60 受注絶好調!
マツダの新型SUVであるCX-60の売れゆきが好調。代替え車の内訳はCX-5やCX-8が57%を占めていて、マツダSUVからの乗り換えが多い
マツダが9月15日に発売した新型SUVのCX-60が好調な受注推移を見せています。
6月24日から先行予約を開始しており、約2カ月半で8726台を受注しました。9月下旬現在の納期は2023年2月で、5カ月待ちとなっています。
なお、CX-60は3.3Lディーゼルエンジン+マイルドハイブリッド車が先行発売され、プラグインハイブリッド車やディーゼルエンジン車、ガソリンエンジン車は12月以降の発売を予定しています。
パワーユニット別の予約受注台数の比率は、3.3Lディーゼルエンジン+マイルドハイブリッド車が43%と最も多く、次いでディーゼルエンジン車が37%、ガソリンエンジン車が15%、プラグインハイブリッド車が5%という順になっています。
月販計画は2000台ですが、これを大きく上回るペースの受注になっています。
■日産 新型エクストレイルのFF車は2023年春以降へ発売延期
日産は2022年9月に予定していた新型エクストレイルのFF車の発売を2023年春以降に延期しました。先行投入した4WD車の販売が好調で、納期が2023年8月以降と延びており、生産が間に合わない状況にあるためです。
これまで1.5Lターボハイブリッドe-POWERの4WD車と同時にFF車も受注を受け付けていましたが、今後は当面オーダーストップするものと思われます。
エクストレイルは納期の遅れとともに、今後は販売実績も次第に下降傾向になる可能性があります。
■トヨタ ハリアーは2024年に大幅なマイナーチェンジ予定
トヨタは2022年10月4日にハリアーを一部改良しています。しかし納車についてはこれまでのバックオーダー分もあるため、今後新たに購入を申し込むユーザーへの納期は2023年10月以降になると伝えています。1年以上の納車待ちになっているのです。
さらに、ハリアーは2年後の2024年秋頃に大幅なマイナーチェンジが行われる計画です。そのため1年かかる納車待ちが解消されないと、今後の受注分は途中でマイナーチェンジ車に切り替えられる可能性も出てきます。
なお、2024年秋のマイナーチェンジではフロントマスクのデザイン変更や、新デザインのアルミホイールの採用、ボディカラーの再編など、比較的規模の大きい手直しとなると思われます。
■トヨタ カローラクロスの1.8Lガソリン車が廃止か?
現在カローラクロスのパワーユニットは、1.8Lエンジンと1.8Lハイブリッドが用意されているが、1.8Lエンジン車は廃止になる可能性がある
トヨタは近い将来、カローラクロスに設定している1.8Lガソリン車の発売を廃止する方向で検討しています。
カローラシリーズでは改良時に1.8Lエンジンを1.5Lエンジンに切り替えて、廃止しています。今後改良予定のカローラクロスも同様の対応をするのか、または1.8Lエンジン車を廃止して1.8Lハイブリッドのみにする可能性もあります。
■マツダ、CX-8を大幅改良。CX-5も一部改良
マツダは2022年11月2日にCX-8を大幅改良、遡って10月18日にはCX-5の商品改良も発表しました。
CX-8は、フロント&リアバンパー・フロントグリル・前後ランプなどを、マツダ最新のデザインへ変更、また、マツダ独自の塗装技術「匠塗TAKUMINURI」による外板色「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を追加。さらに、家族とさまざまな場所に行きたい人のための特別仕様車「Grand Journey(グランドジャーニー)」と、精悍でスポーティな世界観を求める方のための機種「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」を追加。美しさやつくり込みにさらなる特別感を加えた「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」と合わせて、テイストの異なる3つの世界観を表現しています。予約の受付はすでに始まっており、発売は12月下旬からスタートさせる見込みです。
なお、フルモデルチェンジによる世代交代は2年後あたりになる見通しです。
一方、CX-5の商品改良ではCX-8と同様に特別塗装色「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」を追加。また「マツダコネクト」に「Apple CarPlay」ワイヤレス接続機能とUSB Type-C端子を追加、利便性を向上させています。発売は11月中旬を予定しています。
■ホンダ 新型ステップワゴンとヴェゼルの納期に差が?
新型ステップワゴンは2022年5月下旬に発売され、ヴェゼルは1年前の2021年4月に一新しましたが、この9月下旬時点での納期は、ステップワゴンが2023年6月なのに対して、ヴェゼルは1年待ちの2023年10月と差が見られます。
これは、ステップワゴンのフルモデルチェンジが上級シフトだったため、旧型ユーザーの代替えが充分に進んでいないことが要因としてあるようです。
ヴェゼルは納期の遅れが収まる気配がなく、その影響によって販売実績が頭打ち状態になっています。
■スズキ スイフトは来春にフルモデルチェンジか?
スズキは2023年5月にスイフトをフルモデルチェンジする方向でスケジュール調整をしているようです。この9月下旬現在では生産調整などの動きはまったくなく、通常ペースで販売していますが、販売店筋では世代交代の時期が近いと考えているようです。
スズキ 新型スイフトの予想CG。基本的なフォルムは変わらないものの、上質感は大きくアップしそうだ。1.2L NAと、そのマイルドハイブリッド搭載か?
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みんなのコメント
ロシアの通貨が価値なくなればロシア向けだけでも減らせるのに、それも叶わず結局儲け重視で海外に流れる。
次は何が不足して何が高騰するのか?