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【RS3と同じドリフト機能】フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントへ試乗 後編

掲載 更新 10
【RS3と同じドリフト機能】フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントへ試乗 後編

専用の足回りに多様なドライブモード

執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

【画像】フォルクスワーゲン・ゴルフR 高性能な小型ステーションワゴンと比べる 全128枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントのドライブモード選択は、ダッシュボード中央にレイアウトされたボタン押すと表示される、インフォテインメント用モニターのメニューから。設定したいモードに触れれば、変更は終了だ。

タッチモニターの画面をスワイプしスクロールすると、メーターパネルのグラフィックも基調とする色が変化する。モードの違いは、視覚的にわかりやすい。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。R ヴァリアントでは、フォルクスワーゲン独自のDCC可変レート・ダンパーに加え、20mm車高が低くなるコイルがセットされる。

リンクマウントも改良を受け、フロントタイヤはネガティブキャンバーが強められた。ハブキャリアも、通常のゴルフ・ヴァリアントとは異なるものが組まれている。

シャシーはドライブモードの幅を受け止めてくれるが、個別に調整できる範囲は広い。インディビジュアル・モードで目前の状況へゴルフR ヴァリアントを最適化させたい場合、少々悩みそうだ。

またスポーツ・モードとレース・モード、ニュルブルクリンク・モードの間は設定の違いが限定的で、変化を実感するのは難しいかもしれない。少なくとも、コンフォート・モードとニュルブルクリンク・モードとの性格の差が大きいことは確かだが。

刺激的な音響を実際の走りが裏打ち

320psへ増強されたEA888型ユニットは、間違いなく強力。現実世界では不満ないほど鋭い加速力と、中回転域での見事な扱いやすさを両立させている。

フォルクスワーゲンによれば、0-100km/h加速は4.9秒でこなすという。これは、2018年に発売された先代のゴルフR ヴァリアント・パフォーマンスパッケージより0.1秒遅い。だが、パフォーマンスは楽しさで評価されるべきだろう。

引き出しやすい極太のトルクのおかげで、シフトダウンでの追い越し加速時など、瞬発力は常に充分以上。7速デュアルクラッチATのレシオも設定が賢明で、高いギアに入れたまま、高速道路の巡航も穏やかにこなせる。

最高速度はリミッターで249km/hに制限されるが、パフォーマンスパッケージでは270km/hまで許してくれる。サーキットやアウトバーンなど、環境も許してくれれば。

エンジンノイズはコンフォートでは控えめでマナーが良いが、レース・モードやドリフト・モードを選択すると、聴き応えのあるサウンドを響かせる。エグゾーストノートには、アフターファイヤーの破裂音も混ざるようになる。

そんな刺激的な音響を、実際の走りが裏打ちする。スポーツ以上のモードでは、レスポンシブで性格なステアリングが際立ち、よりクイックな回頭性を楽しめるはず。

電動機械式のパワーステアリングは、通常のゴルフ・ヴァリアントより操舵時の重み付けやフィーリングが増している。チャレンジングなルートでの、ドライバーの自信を鼓舞するように。

深い角度でのドリフトすら可能

新しい四輪駆動システムは、リアタイヤに軸足が置かれた駆動力配分。一層ニュートラルな操縦性を実現させた。

コーナー出口ではフロントタイヤがボディを引っ張るような印象は残っているが、リアタイヤ左右でトルク量が可変する効果で、アンダーステアは見事に抑え込まれている。しっかりラインへ食らいつくような感覚がある。

グリップ力も引き上げられた様子。試乗車のタイヤはブリヂストン・ポテンザS005で、サイズは235/35の19インチだった。

ボディロールも、アダプティブ・ダンパーと向上したボディ剛性のおかげで最小限。ただし、より小さく軽く、機敏に身をこなすハッチバックのゴルフRの方が、安定性は上ではある。

ゴルフR ヴァリアントのオーナーがサーキットなどを訪れ、バリエーション豊かなドライブモードの違いを確かめるケースは少ないだろう。しかし実際に試せば、ありえないような深い角度でのドリフトすら可能だとわかるはず。

スポーツ度の高いモードでは、案の定乗り心地が硬くなる。しかしコンフォート・モードなら感心するほど穏やかで、揺れもさほど気にならなかった。オプションの19インチ・ホイールを履いていても。

一方で、ドイツの滑らかな路面状態でも、絶え間なくタイヤからはロードノイズが響いてくる。特にフロントタイヤからはうるさいと感じるほど。他の面では優れた洗練性を感じるだけに、残念なポイントといえる。

日常的にも乗れる訴求力の高さ

8代目フォルクスワーゲン・ゴルフに追加となった、ゴルフR ヴァリアント。日常的にも乗れるドライバーズカーとして、訴求力は非常に高い。

爽快に速く、ドライバーとの一体感もあり、運転するのが楽しい。路面を問わず、高い安全性も確保している。ハッチバックのゴルフRより荷室容量は倍以上あり、実用性もすこぶる良い。買いの1台だといえる。

反面、お買い得とはいえないだろう。ドイツ価格は5万1585ユーロ(670万円)に設定され、レート換算で英国価格は4万1000ポンド(623万円)以上が想定される。さらにオプションのパフォーマンスパッケージには、2000ポンド(30万円)が必要だ。

最新フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントの英国での発売は、2022年の前半が予定されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート・パフォーマンスパッケージ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万3500ポンド(661万円/予想)
全長:4633mm
全幅:1789mm
全高:1498mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:13.7-13.9km/L
CO2排出量:164-166g/km
車両重量:1630kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:320ps/5500-6500rpm
最大トルク:42.7kg-m/2100-5350rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

10件
  • 形が悪すぎないか?
    ライトのデザインだと思う。
    眠たそうな。
    そこだけ変えればかなり良くなる。
  • 貧乏人にとってVWは夢のドイツ車だよね
    アルベルみたいな運転するやつ多いわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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