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自動運転へ向け最先端を走る。BMWが日本初導入した「ハンズ・オフ機能」を試す

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自動運転へ向け最先端を走る。BMWが日本初導入した「ハンズ・オフ機能」を試す

渋滞時の疲労軽減を目的としたハンズ・オフ機能を搭載したM850i xDrive カブリオレを首都高速道路の渋滞で徹底テスト。最先端の自動運転技術は果たして、効果的に使えるものなのか?(Motor Magazine 2019年10月号より)

3眼カメラの採用で手放し運転を実現
BMWのハンズ・オフアシストは型式認定の国際的な合意事項をベースに国土交通省が認可したもの。もっとも、約束事として決められているのは「ドライバーがハンドルから手を離して15秒が経過したら警告する」という内容で、現状では手放し運転を積極的に推奨しているわけではない。

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ただしこの合意事項を発展的に解釈すれば、一定条件下で手放し運転が可能になるかもしれない。そう考えたBMWが国土交通省と調整を重ねてようやく実現したのがこのハンズ・オフ機能なのだ。

このためハンズ・オフ機能を動作させるには(1)高速道路を走行中、(2)車速60km/h以下、(3)前走車が存在する、という3つの制限条件がかけられている。

ハンズ・オフ機能を実現するうえで重要な役割を果たしたのが、250m遠方まで検出する能力を持つ3眼カメラのトライカム。仮に車両が60km/hで走行していたとすると250mを走るのに必要な時間は15秒間。つまり、この15先秒間の安全は確認されており、この状態が連続的に繰り返されることで手放し運転への警告を免除したのがBMWのハンズ・オフ機能と言っていいだろう。

動作を高速道路に限定したのは、交差点がなく、歩行者がいないなど交通環境の複雑性が低いため。前走車の存在は前方に差し迫った危険がないことも示している。

さらにドライバーが前方を注視していることをメーターパネル内の赤外線カメラで監視。ドライバーがハンドルを握っているかどうかの判断は、操舵力を検知する従来の方式ではなく、ハンドルに手を触れているかどうかで検知するタッチセンサー式を用いて、国土交通省の認可を得た。

使用は限定的ながら手を離してもスムーズに走行
ハンズ・オフ機能を使うには、まずステアリング・レーンアシストコントロールとアダプティブ・クルーズ・コントロールをオンにする必要がある。そのうえで、前述の条件を満たすとメーターパネル上に「ASSIST PLUS READY」と表示されるので、ここでハンドル上のMODEスイッチを使ってASSIST PLUSを選択。すると、ハンズ・オフ機能が作動する。

システム動作中はメーターパネル内の走行車線が緑色に変わるほか、ハンドルスポーク内のLEDストライプが緑色に点灯するため判別できる。なお、動作条件が満たされなくなると、LEDストライプが黄色に変わって注意を促し、それでもドライバーがハンドル操作を開始しなければ赤色に変わって車両は減速を開始。最終的には同一車線内で停止する。

システムの動作はスムーズで、何の不安も覚えない。LEDストライプなどの表示も適切で、よく練られていると思う。ただし、冒頭で述べた3条件を満たす機会はさほど多くなく、システムの恩恵にあずかれるチャンスも限定的。それよりもハンドルに触れているだけで操舵中と判断してくれるタッチセンサーシステムは、ステアリングレーンアシストの動作中ずっと活躍してくれるので、ドライバーの負担軽減という意味ではこちらの方が役に立つような気がした。

もっとも、システムとドライバーの役割分担についてBMWのハンズ・オフ機能が従来のレーンキーピングより高度な内容を含んでいるのは明らか。つまり、ユーザーが将来的なレベル3の自動運転を受け入れる準備を整えるためにも、ハンズ・オフ機能は重要な役割を果たすと考えられるのだ。

試乗した最新の8シリーズはオープンでも頼りなさは皆無。快適性の高い足まわりのおかげで、ゆったり流しても楽しめるコンバーチブルに仕上がっていた。

ハンズ・オフ機能を搭載できるのは現時点で新型3シリーズ、新型8シリーズ(クーペとカブリオレ)、新型X5の3モデル。納車済みの場合でも、正規ディーラーでソフトウェアをアップデートすることで使用可能になるという。(文:大谷達也)

[ アルバム : BMWハンズ・オフ機能 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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