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マツダCX-5 2.2ℓディーゼル試乗記 「注目ゆえの憂鬱」とは? ティグアンを例に

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マツダCX-5 2.2ℓディーゼル試乗記 「注目ゆえの憂鬱」とは? ティグアンを例に

■どんなクルマ?

「良識のセンスが凝縮されている」

マツダ「CX-8」を年内発売 3列シートの新型SUV 300万円台前半~

クロスオーバーのマツダCX-5が改良され、新しくなった。英国では初のテストとなる。

それほど強調されてはいないが、スタイリング、装備のアップデート、剛性強化が今回の変更の特筆事項である。

いっぽうでこのクルマの造形を、シンプルかつ際立たせるために施された意匠の変更によるプロポーションは全面に押し出されている。

大きく口を開けたグリル(うまく馴染んでいる)と睨みつけるようなヘッドライトが、先代モデルよりも印象を強める。しかも、遥かにカッコいい。

そんな外観の下には、良識のセンスが凝縮されている。

車体に施された綿密な改良により、ねじれ剛性は15%向上し、シャシーの見直しと新しいトルクベクタリングシステムの導入により、動的運動性を改善しているそうだ。

トレッドも少しだけ拡大され、車高は先代に比べて35mm低くなった。他方、プラットフォーム(つまりホイールベース)と強力な2.2ℓディーゼルを中核とするエンジンラインナップは不変である。

われわれのテスト車は、最もパワフルな175psを発生するエンジンを搭載するモデルで、アダプディブ4WDと6速マニュアルを標準で装備していた。


■どんな感じ?

ドイツ勢と比べていいだろうか?

外観と同じく、CX-5のインテリアにも改良が施されている。構造的には、不変であるが、インフォテインメントの画面は、独立して設置され、センターコンソールの高さは見直されている。トリムの素材も同様。つまり、全体的に質感は認識できる水準で向上している。

マツダは、ドライバーの目や指先に気を遣うのと同等の時間やエネルギーを、耳のために費やしているという。室内の静粛性を突き詰めるために施された改良項目は、多岐に渡り、その多さには目を見張るだろう。

たしかに新型CX-5は、先代モデルに比べて静粛性に秀でている。しかし、フォルクスワーゲン・ティグアンの水準には至っていないのもまた事実。

いっぽうマツダは、同社のクルマがどう走るのかという事にかなりの力を注いでいる。


走らせて感心する

とくに強固な車体の恩恵を受けていると感じる。ロールとピッチは、うまく抑えられ、少し違和感のあるステアリングの応答性は忘れるとしても、このクルマは、あなたがメインストリームのクロスオーバーに期待する程度の操舵性を備えている。

(スコットランドの悪天候下であっても)直進性の向上は、はっきりと識別できる。4気筒エンジンから発揮される42.8kg-mのトルクは同じくらい素晴らしい(38.7kg-mを発揮するデチューンされた普及機に比べ、遥かに優れている)。

しかし不安定な低速域の乗り心地は改善されていない。特にFFモデルでは。反面、4WD仕様の、ある種の「おおらかさ」は、高速道路において、明確に賞賛に値する。


■「買い」か?

まずはライバルを封じ込めよ

機能面において、否定する材料はない。エンジンの大きな変更が不在であることを除けば、CX-5のフェイスリフトは、称賛に値する。

エンターテインメントというほどではないが、乗り味の熟成は相当なものである。むろん内外装の効果的な刷新も褒めたい。サイズも適当であり、実用性にも長けている。

マツダ車に共通する現実的な問題は、クルマ自体にではなく、その価格にある。

ここ英国では、多くの人が求める£31,395(447万円)の4輪駆動の「スポーツ・ナビ」というグレードのCX-5とDSGオートマティックを備える、190psを発揮する2.0ℓTDI 4Motion SEティグアンの間に大きな価格の差はない。

感覚的な喜びを持ち出しても、この2車の間に大きな差はなくなりつつある。しかし、CX-5の憂鬱は、その出来に反して、クラスリーダーと競うのではなく、その他大勢のライバルと競わなければいけないことであろう。まずは。

マツダCX-5 2.2D AWD スポーツ・ナビ

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