現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新エンブレム第1弾! プジョー新型「308」は輸入車代表モデルのVW「ゴルフ」を超えたのか?

ここから本文です

新エンブレム第1弾! プジョー新型「308」は輸入車代表モデルのVW「ゴルフ」を超えたのか?

掲載 10
新エンブレム第1弾! プジョー新型「308」は輸入車代表モデルのVW「ゴルフ」を超えたのか?

■秀逸なデザインで立派に、高級に見えるスタイリング

 9年ぶりにフルモデルチェンジを受けたプジョー新型「308」に試乗しました。

【画像】プジョーの新ロゴがカッコいい! 新型「308」を画像で見る(34枚)

 プジョーの30X(一桁目の数字は世代によって異なる)といえば、Cセグメントのハッチバックを意味しています。

 日本でも1990年代に「306」がヒット作となったので、記憶している人も少なくないでしょう。かくいう私も「306スタイル」を個人的に購入し、長く愛用していました。

 もっとも、輸入車のCセグメントといえば定番中の定番であるフォルクスワーゲン「ゴルフ」が長くトップの座に君臨していて、プジョーの30Xやフォード「フォーカス」、オペル「アストラ」といったモデルはその対抗馬として捉えられてきたように思います(フォードとオペルはその後、相次いで日本市場から撤退。ただしオペルには復活の兆しが見られますが)。

 たしかに、ゴルフは落ち着いた操縦性、快適な乗り心地、優秀な燃費、広々としたスペース、優れた信頼性や質感といった要素がいずれも高い水準でバランスされていて、ライバルたちにつけいる隙を与えませんでした。

 そうしたなか、306はピニンファリーナの美しいスタイリングや広々とした室内、さらには圧倒的な快適性などでゴルフに肉薄しましたが、パワートレインの完成度ではゴルフに及ばず、室内のクォリティ感でもゴルフに大きな差をつけられていました。

 そんな時代から20年以上を経て誕生した新型308がどんな仕上がりだったかを、私の記憶のなかにある最新のゴルフと比較しながらリポートすることにしましょう。

 まず、エクステリアデザインはなかなか力強く、そして現代的ですが、それ以上に印象に残るのが質感の高さです。

 クルマのデザインは不思議なもので、たとえ同じ形をしていても、安っぽく見えることもあれば高く見えることもありえます。

 その秘密は、ボディパネルをプレスするときに使われる“型”にあるようです。この型が高精度に作られていると、できあがったパネルの面も美しく、キャラクターラインはシャープになります。その逆は……、いうまでもありませんよね。

 そして新型308を見てすぐ感じたのが、「きっと高い型を使ったんだろうなあ」ということでした。

 もちろん、キャビンをやや後ろ寄りにしたデザインはダイナミックな走りをイメージさせてくれるし、タイヤを覆うフェンダーの抑揚もなかなか見事です。けれども、新型308はこの型のできがいいおかげで、実際のボディサイズを超えて立派に、そして高級に見えます。これが、新型308の「第1の推しポイント」です。

 そのままドアを開けて室内に入ると、ちょっと未来的なデザインのインテリアが目に飛び込んできます。同じプジョーの「208」もこれと同じ路線ですが、当然のことながら308のほうがより広く、そして高級に見えます。

 それ以上に印象的なのが、ほかのブランドでは決して見ることのない独創的な色遣いや素材の使い方にあります。

 今回試乗した308アリュール(1.2リッター直列3気筒・ガソリン)と308GT BlueHDi(1.5リッター直列4気筒・ディーゼル)の内装は黒基調でしたが、ここに組み合わされるグレーの色調がなんともオシャレだったほか、要所要所にアルミパネルが組み合わされていたり、差し色のステッチが入っていて、どこか気分を明るくしてくれるようなデザインに仕上がっていました。また、パーツ類の精度感が高いことも印象的。

 さらにタッチディスプレイを用いたインターフェイスも現代的ですし、インフォテイメント系だけでなく運転支援装置(ADAS)もひととおり揃っていて、機能的にもまったく不満を抱きません。ひと昔前のフランス車ファンが見たら、きっと大いに驚くことでしょう。これが、新型308の「第2の推しポイント」です。

■締まった中にも往年のフランス車を思い起こさせる乗り心地

 足まわりのチューニングが巧みなのはフランス車の伝統ですが、そうした美点もしっかりと引き継がれています。

 乗り心地の「硬い」「柔らかい」でいえば、かつてのフランス車に比べていちだんとソリッドに感じられますが、それでもうねった路面をなめるようにして捉え続けるロードホールディング性の高さは、いかにもフランス車らしいもの。

 308アリュールと308GT BlueHDiを比べると、よりファミリーカー的な位置づけの308アリュールのほうが硬めに感じられたのは意外でしたが、これは事前の走り込みが不十分だった可能性も考えられます。

 いずれにしても、硬いといってもドイツ車でいえば標準的な範囲で、決して不快なわけではありませんし、むしろ308アリュールを好むという人がいても不思議ではありません。

 一方の308GT BlueHDiは往年のフランス車を少しだけ思い起こさせる、ゆったりとしたサスペンションの動き方が印象的。それでいて、ワインディングロードでのコーナリングも難なくこなしてくれました。というわけで、個人的には308GT BlueHDiのほうが気に入りました。

 それにも増して特筆しておきたいのが、2台の308のボディがじつにしっかりと作り込まれていたことにあります。

 おかげで、足まわりに大きなショックが加わっても、ボディのどこかが細かく振動したりすることはなく、非常に頼もしい印象を抱きます。

 じつは、最新のゴルフは意外にもここが弱点で、タイヤのドシン! という衝撃が加わると、足まわり周辺のボディがかすかに振動しているように感じられます(一部例外あり)。というわけで、ボディのしっかり感でいえば、新型308がゴルフを上回っているように思いました。これが、新型308の「第3の推しポイント」です。

 308のガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、どちらもスムーズで気持ちよく吹き上がってくれます。もともと振動やノイズの点で不利なディーゼルだけでなく、ガソリンとはいえ3気筒を用いるもう一方のエンジンでも非常に高い静粛性と滑らかさを実現していたので、ここは高く評価できるでしょう。

 ただし、今回、おもに試乗した箱根周辺のワインディングロードでは、2台ともややトルク不足に感じました。もっとも、実際に不足していたというよりも、「もう少しトルクが豊かだったらなあ」という印象を持った程度の話ですが……。

 この点、ゴルフは1リッターガソリンエンジンでもマイルドハイブリッドを備えているため、こういったトルク不足の印象はより薄かったと記憶しています。また、同じゴルフのディーゼルは排気量が2リッターなので、やはり308のディーゼルより力強く感じました。この点は、僅差でゴルフが勝っていると思います。

 ただし、今回は上り下りの厳しいワインディングロードで試乗したことは付け加えておくべきかもしれません。おそらく、平坦な市街地や高速道路でおとなしくドライブしていたら、そうしたトルク不足は感じなかったでしょう。したがって、このあたりは使い方によって印象が変わってくるともいえます。

 というわけで、デザイン性、足回りやボディの完成度では新型308が有利で、エンジンの力強さのみゴルフが有利、ただしその差はごく小さいというのが私の結論です。

 ちなみにガソリンエンジン搭載のベーシックグレードが300万円強、ディーゼルエンジン搭載の装備充実グレードが400万円弱という価格設定は、308とゴルフで見事に一致しています。また、308のワゴン(308SW)は2022年8月頃、プラグインハイブリッド版は同年9月以降に導入される見通しなので、こちらも楽しみです。

Peugeot 308 GT BlueHDi
プジョー308GT ブルーHDi

・車両価格(消費税込):396万9000円
・試乗車オプション込価格(消費税込):397万9670円
・全長:4420mm
・全幅:1850mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2680mm
・エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
・排気量:1498cc
・駆動方式:FF
・変速機:8速AT
・エンジン最高出力:130ps/3750rpm
・エンジン最大トルク:300Nm/1750rpm
・車両重量:1380kg
・WLTCモード燃費:21.6km/L

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース

みんなのコメント

10件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

318.3356.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.2349.0万円

中古車を検索
208の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

318.3356.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16.2349.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村