高性能レーシングマフラーで有名な「AKRAPOVIC」の工場見学
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
EWC世界耐久選手権の前に、私はスロベニアという国に行っていました。
皆様スロベニアと聞いて、どのようなイメージをお持ちになりますでしょうか?正直私は、あまり馴染みのない国でした。しかし意外と言っては失礼かもしれませんが、物作りの得意な国だったりします。
その昔、ユーゴスラビアの一部だったスロベニアですが、1990年代に独立をして今はEU(ヨーロッパ連合)の一員となっています。
ユーゴスラビアは軍事産業が盛んな国だったこともあり、そのDNAをしっかりと受け継いでいる国。またオートバイパーツを数多く作っている国でもあり、今回は知り合いの紹介で2つの会社の工場見学ができたので、その事を書いていきたいと思います。
まずは世界的に有名なマフラーメーカー「AKRAPOVIC(アクラポビッチ)」。
この世界的に有名で、ロードレースの世界でも数多くのファクトリーチームが使っているだけでなく、多くの世界チャンピオンを獲得してきたマフラーですが、実はスロベニアのメーカー。
1990年に創業した比較的新しいメーカーで、創業当初は「スコーピオン」という名前で活躍していました。
メーカーとしては、1993年にドイツで行われたスーパーバイク世界選手権で世界選手権デビュー。なんと、そこで表彰台を獲得し、世界に高い性能をアピールすることができました。
しかもAKRAPOVICを搭載したマシンでの世界選手権初優勝は、日本人ライダーの手によって成し遂げられました。
そんな経歴を持つマフラーメーカーですが、今や1500人を超える社員を抱えるスロベニアの大手企業となっています。
残念ながら工場内の写真撮影は禁止とのことで、写真をお見せできないのは残念ですが、それはもう大きな会社という印象。
私は小屋で職人さんがマフラーを作っているような企業をイメージしていましたが、かなり大きな工場にレース部門、テスト部門、生産部門と大きく3つに分けられた大規模な製造工場で、レース部門では過去に世界タイトルを獲得したマシンがずらりと並べられており、その中にはMotoGPマシンもありました。
レースで使用されるマフラーは、このレース部門で作られているとのことで、今年私が所属している「チームエトワール」のマフラーも、ここで作られていると考えるとワクワクが止まりませんでした。
また、テスト部門ではシャーシダイナモにマシンと、それを操縦するロボットまで設置。これは耐久テストのために使用するとのことで、人では限界があるものをロボットの力を借りて、より正確なテストを実行しているとのことです。
また、そのデータを元に新たなマフラーを開発するなど、かなりの衝撃を受けました。
スロベニアのバイクタイヤメーカー
次にご紹介するのは、「Mitas」というスロベニアのタイヤメーカー。
名前を聞いたことがある方は、ほとんどいらっしゃらないと思いますが、こちらも実は日本と繋がりのあるメーカーだったりします。
実はこのタイヤメーカーは、「Yokohama TWS」の傘下にあるメーカーで、昨年からその関係がスタートしたとのこと。
近年の横浜ゴムにオートバイタイヤのイメージがないだけに、この事実にはかなりビックリ。
Mitasでは既にいくつかのオートバイタイヤの製造をしており、その中ではスーパースポーツ世界選手権の元チャンピオン、ランディ・クルメナッハ選手の元で、サーキット走行を目的としたスポーツタイヤを開発。
また今後はレーシングスリックタイヤの開発もしていきたいとのことで、レース参戦も視野に入れていると話してくれました。
私自身も、10月に行われるmotoRC(ルーマニア選手権)のS1000クラスに参戦する際は、Mitasのスポーツタイヤを使用する予定なので、どんなタイヤなのか今から楽しみで仕方ありません。また、少しずつではありますが、今後私もタイヤ開発のテストに参加させて頂く予定です。
さらに、スロベニアはとてもワインが美味しい国で、辺りを見渡すと葡萄畑を楽しむことができます。工場見学の後は知り合いのワインを製造している場所にいき、実際にワインを飲んでみましたが、とても飲みやすくお気に入りのワイン国家の1つとなりました。
また次回は、スロベニアでツーリングした記事を書きたいと重いので、楽しみにしていてください!
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みんなのコメント
となるが何だかんだでイタリアのとなり、
最近はプロ自転車レースでは強者多数
二輪四輪共にアクラボに関しては既存のマフラーメーカーが人気をもっていかれた感じ