現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「世界一高い」日本の自動車諸税、ついに変えられる? カギは「国民民主党」!? 躍進で状況一変のワケ

ここから本文です

「世界一高い」日本の自動車諸税、ついに変えられる? カギは「国民民主党」!? 躍進で状況一変のワケ

掲載 98
「世界一高い」日本の自動車諸税、ついに変えられる? カギは「国民民主党」!? 躍進で状況一変のワケ

野党に“お伺い”を立てないといけなくなった与党

 自動車関係諸税の改正が、国民民主党の躍進でクローズアップされています。与党の税制調査会への“お願い”1本だった税制改正までの道のりに、野党の協力が必要になったためです。そんな中で日本自動車会議所が「税制改正に関する要望」を関係省庁などに行いました。

「世界一黒い」BMWを実見! 脳が混乱するほどの「黒を超える黒」、公道は走れるの?

 日本の自動車税制は、自動車所有者やユーザーに対していくつもの税目が重なった上に、さらに例外的な税率が課せられ、複雑かつ重くなっています。クルマにかかる税金が世界一高いと言われるほどです。

 不満はさまざまな形で発信されて、その改正が予定されていますが、2024年11月の首班指名のタイミングが特別に注目されていることには理由があります。

 新年度の税制は例年、前年度の秋から政治家によって議論されます。自民党と公明党の税制調査会が各党で議論し、12月末に新年度の方向性を「与党税制大綱」という形で合意。その内容を受けて、同月内に政府は「税制改正の大綱」を閣議決定し、翌年の国会で審議・成立させるスケジュールです。自動車関係税制の見直しは、こうしたスケジュールの中で行われています。

 昨年に決まった2024年度の与党税制大綱では、関係者の毎年の要望が実り、例年とは違った“自動車税制分け目の年”になる文言が、盛り込まれました。一部を省略して、そのまま掲げます。

「自動車関係諸税の見直しについては(中略)国・地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、受益と負担の関係も含め、公平・中立・簡素な課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う。その際、電気自動車等の普及や市場の活性化等の観点から、原因者負担・受益者負担の原則を踏まえ、また、その負担分でモビリティ分野を支え、産業の成長と財政健全化の好循環の形成につなげるため、利用に応じた負担の適正化等に向けた具体的な制度の枠組みについて次のエコカー減税の期限到来時までに検討を進める」

 ここでいう「エコカー減税の期限到来時」とは、2026年春のことです。

衆院選の結果「予測不可能」な事態に

 自動車に関係する税金は幅広いため、とても秋から冬にかけての短期間に決着できません。2024年度税制大綱では、2024年末までに税制の基本的な考え方を示し、さらに2025年末までに新しい自動車関係税制を示して、「エコカー減税の期限到来時」に間に合わせることを決めたのです。

 そこに予測不可能な事態を持ち込んだのが、先の衆議院議員総選挙の結果でした。与党が過半数の議席を獲得できなかったことで、2025年度の税制を実現させるためには、野党の協力を得なければならなくなったのです。これが政策協議といわれるものです。

 首班指名前の現時点で、前向きな姿勢を見せているのが、議席を大きく伸ばした国民民主党です。

 同党は、トリガー条項の適用でガソリン・軽油価格の引下げを主張するほか、玉木雄一郎代表が関係省庁を訪れる形で自動車窃盗問題に取り組むなど、所有者や利用者目線に立った活動を続けてきました。税制の改正は自動車関係団体選出の議員が多く所属する点で、外せない重要課題でもあります。

 自公両党で構成する与党に過半数以上の議席があれば、自動車の所有者や利用者が望む方向に検討が進んだとしても、厳しさが残ることは否めません。後述する「当分の間税率」による重課税、燃料税に消費税を二重課税するなどの税制は、与党税制の検討の積み上げで決まったことです。これを変えるためには、長期に及ぶ税制を変えるだけの理由や代替の財源が明示されている必要があります。

 ここで、国民民主党のような考え方の野党が政策協議に加わるとすれば、自動車の所有者や利用者の目線に、より内容が変わる可能性があります。

新しい自動車関係の税金、その改正ポイントは、シンプルではっきり!

 前出した日本自動車会議所は10月29日までに、2027年度の税制についての要望を経済産業省、国土交通省、環境省の3省に実施しました。会議所は自動車関係162団体を会員に、学識経験者で構成される要望・提言の団体です。新しい自動車税制の内容は、ここから推測することができます。

 現在の自動車税制改正の問題点は、税体系や課税根拠が環境変化に適応できていないことです。そのため日本自動車会議所は抜本的な見直しが必要と主張しています。

 自動車税に関する基本的な考え方は、単純な課税です。自動車の税金は大きく分けて、クルマを所有した時に発生する「取得時課税」と、保有し続けることで発生する「保有課税」があります。いくつもある自動車の税金を、大きくこの2種類に整理します。

・取得時課税は、消費税に一本化する
・保有時課税は、「重量」+「環境性能」に応じた課税
・軽自動車税は「定額」+「環境性能」

 さらに、課税の方法について提言します。

・重量税の「当分の間税率」の廃止
・燃料課税の「当分の間税率」の廃止
・ガソリン、石油課税の「当分の間税率」の廃止
・ガソリン、石油課税にかかる消費税の解消

 当分の間税率とは、文字通り「当分の間」とりあえず税率を引き上げて、時期を見て改めて税率を考えようと始まったはずが、50年間も続きました。

 会議所の要望書には、もっと細かく多くの要望が掲げられています。このなかには、環境適応のために50ccエンジンバイクがなくなることで、税金値上げの瀬戸際にある新基準原付への課税も含まれています。

 新しい自動車税制についての要望が、どこまで実現するかはわかりません。ユーザーが負担する自動車関係諸税は約9兆円ありますが、抜本的な見直しを断行するならば、自動車所有者のみが税負担する仕組みから、受益者全体の公平な負担に、課税の対象を広く拡大していくことを考えなければなりません。

 いずれにしろ、はっきりとした全体像が国民に示されるのは、2025年12月末です。ただ、その前にどこまでの見直しがなされるかの方向付けは、今まさに議論が始まろうとするところです。締め切りは2024年12月末です。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【アイルランド】トヨタ新「ランドクルーザー」登場! “大きなサンルーフ”もある! カクカクデザイン×全長5m級ボディの「本格SUV」 全国耕作選手権に展示の反響は?
【アイルランド】トヨタ新「ランドクルーザー」登場! “大きなサンルーフ”もある! カクカクデザイン×全長5m級ボディの「本格SUV」 全国耕作選手権に展示の反響は?
くるまのニュース
年末年始がもうそこまで…渋滞に巻き込まれたときに気をつけたいこと
年末年始がもうそこまで…渋滞に巻き込まれたときに気をつけたいこと
バイクのニュース
全国で「なんで入るの?事故」多発!? 違反で危険! 遮断器降りた踏切に侵入で列車と衝突… ドライバーは何を注意すべき?
全国で「なんで入るの?事故」多発!? 違反で危険! 遮断器降りた踏切に侵入で列車と衝突… ドライバーは何を注意すべき?
くるまのニュース
スズキ、CO2排出量70%削減のフロアマット共同開発…純正用品に採用へ
スズキ、CO2排出量70%削減のフロアマット共同開発…純正用品に採用へ
レスポンス
【MotoGP】アプリリア、2024年失速の原因は特定済み? 「何を欠いていたのか理由を理解している」とチーム代表
【MotoGP】アプリリア、2024年失速の原因は特定済み? 「何を欠いていたのか理由を理解している」とチーム代表
motorsport.com 日本版
車中泊ファン必見! 夕日の絶景や温泉旅館併設など、特徴的なRVパーク7か所が新規認定。
車中泊ファン必見! 夕日の絶景や温泉旅館併設など、特徴的なRVパーク7か所が新規認定。
くるくら
年末年始の帰省やドライブ旅行に痛手、レギュラーガソリン、1年3か月ぶり180円台に高騰[新聞ウォッチ]
年末年始の帰省やドライブ旅行に痛手、レギュラーガソリン、1年3か月ぶり180円台に高騰[新聞ウォッチ]
レスポンス
トヨタ、2025年モータースポーツ計画を発表…人材育成に注力
トヨタ、2025年モータースポーツ計画を発表…人材育成に注力
レスポンス
トヨタ「アクア “小さな高級車”仕様」がスゴい! クラス超えた「上質ブラウン内装」×斬新2トーン採用の「新ラフィネ」設定! 「暖色コーデ」がオシャレな“特別仕様” どんなモデル?
トヨタ「アクア “小さな高級車”仕様」がスゴい! クラス超えた「上質ブラウン内装」×斬新2トーン採用の「新ラフィネ」設定! 「暖色コーデ」がオシャレな“特別仕様” どんなモデル?
くるまのニュース
ド直球なモデル名「マスター・オブ・スピード」!! CFMOTOが最高出力212hpを発揮するV4エンジン搭載のコンセプト車両を発表
ド直球なモデル名「マスター・オブ・スピード」!! CFMOTOが最高出力212hpを発揮するV4エンジン搭載のコンセプト車両を発表
バイクのニュース
[15秒でニュース]「スイフトスポーツ・ファイルエディション」発売と「スイスポ」の生産・販売終了時期
[15秒でニュース]「スイフトスポーツ・ファイルエディション」発売と「スイスポ」の生産・販売終了時期
レスポンス
土屋圭市さんや中島 悟監督もやってくる! 2025年2月24日はモビリティリゾートもてぎで開催される「Modulo THANKS DAY 2025」に集まれ
土屋圭市さんや中島 悟監督もやってくる! 2025年2月24日はモビリティリゾートもてぎで開催される「Modulo THANKS DAY 2025」に集まれ
WEB CARTOP
マツダ ロードスターとロードスターRFに生誕35周年記念特別仕様車を設定。1000台限定で発売
マツダ ロードスターとロードスターRFに生誕35周年記念特別仕様車を設定。1000台限定で発売
Auto Prove
日野、エンジン認証不正でのオーストラリアの集団訴訟 85億円で和解が成立
日野、エンジン認証不正でのオーストラリアの集団訴訟 85億円で和解が成立
日刊自動車新聞
スズキの斬新「“4人乗り”軽トラ」が楽しそう! ちょっと懐かしい「マイティデッキ」が凄かった!「マイティボーイ」を彷彿させる? どんなコンセプトだったのか
スズキの斬新「“4人乗り”軽トラ」が楽しそう! ちょっと懐かしい「マイティデッキ」が凄かった!「マイティボーイ」を彷彿させる? どんなコンセプトだったのか
くるまのニュース
いま注目のオールシーズンタイヤの実力は? コンチネンタルタイヤ「AllSeasonContact 2」前編
いま注目のオールシーズンタイヤの実力は? コンチネンタルタイヤ「AllSeasonContact 2」前編
AutoBild Japan
マツダ『ロードスター』、35周年記念車を発表…赤いボディにタン内装
マツダ『ロードスター』、35周年記念車を発表…赤いボディにタン内装
レスポンス
120万円安い! トヨタが「アルファードX」発表! 8人乗りの「新たな最安モデル」が改良で登場! 「インテリア」はどんな感じ? 上級モデルとの“違い”とは
120万円安い! トヨタが「アルファードX」発表! 8人乗りの「新たな最安モデル」が改良で登場! 「インテリア」はどんな感じ? 上級モデルとの“違い”とは
くるまのニュース

みんなのコメント

98件
  • pon********
    自民党政権は何から何まで税金と増税で巻き上げたお金を外国人には無料でばら撒く様な使い方をして、本当に必要な日本人には使わせない様な仕組みで政治家と外国からの入国者に有利な使い方しかしない政権は早く政権交代し野党にて無駄な自民政権下の要らぬしがらみや仕組みをリセットしてもらいたい。
    国民はそれを願って今回の結果に繋がったのです。
     国家公務員の私ですらそう感じる、今の今回の選挙までの自民党政権はダメでしたね。
     一度自民党政権は崩した方が日本はよくなります。
  • ECO 8931
    揮発油税やら暫定税率なんか無くしてしまえ!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村