Aクラスより小回りがきくSクラス
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
最新のメルセデス・ベンツSクラスが発表された。メルセデス・ベンツの量産モデルとして、最も先進的な技術を搭載したという。コードネームW223を名乗り、英国での販売は、2021年初めが予定されている。
Sクラスのボディ構造は全面的に再設計を受け、剛性を高めつつ、先代より60kgも車重を削減した。また、レベル3の自律運転や、ガソリンエンジンによるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の性能向上も注目点だろう。
最新のPHEV版、S580eでは、EVモードでWLTP値99kmの航続距離を実現。先代のS560eと比較して、倍以上の航続距離を得ている。
一方で、1992年からの伝統でもある、大排気量エンジンも継続。ツインターボで過給される、6.0LのV型12気筒ガソリンエンジンは、マイバッハで選ぶことが可能となる見込み。
新しいSクラスは4ドアサルーンのみで、ホイールベースは通常版とロング版がラインナップされる。AMGやマイバッハ、プルマンなど上級派生モデルも登場予定。現行のSクラス・クーペとカブリオレは、モデルチェンジの予定はない。
Sクラスには、2種類の後輪操舵システムが用意される。最も小回りがきく設定では、リアタイヤは最大で10度も向きを変える。
これにより、先代のSクラスより1.9mも小さい最小回転直径を叶えている。ハッチバックのAクラスより小回りがきく。また、高速域での安定性も向上させている。
レベル3の自律運転システムを搭載
59km/h以下の速度域で、レベル3に相当する自律運転を実現していることも特長。メルセデス・ベンツ製のモデルとしては、初めてだ。
ドライブ・パイロットと呼ばれるシステムで、複数のセンサーと同時に、レーザー光によるライダー(LIDAR)を採用する。こちらは少し遅れて、2021年後半からの導入予定となっている。
メルセデス・ベンツによれば、渋滞時や高速道路での適切な条件下において、ハンズオフでの走行が可能だという。ステアリングホイールにはLEDライトが内蔵され、ドライバーへ運転の交代が必要になった場合は、点灯して知らせる。
ドライブ・パイロットとして、レベル4相当の自律運転技術を採用したインテリジェント・パーク・パイロットという機能も搭載している。利用が許可されている国では、ドライバーはスマートフォンを用いて、クルマの外からリモートでSクラスの駐車操作が可能だという。
さらにSクラスの新技術で取り上げたいのが、オプション装備となるデジタルライト機能。片側で130万画素の高精細な光を照射するLED3灯によるヘッドライトで、安全性を高めるために、路面へ警告記号などの投影が可能となっている。
新しいSクラスは、無線でのソフトウエア・アップデート機能も搭載する。また、純EV版となるEQ Sも登場予定。テスラ・モデルSや、間もなく登場予定のBMW i7などと競うことになる。
大きくなったグリルに、滑らかなボディライン
最新のSクラスは、全面的にデザインが新しくなった。流れるようなCピラーの造形は先代と重なる雰囲気ながら、ボディはスムーズさを増している。
フロントグリルは大きくなり、ヘッドライトはスリムに。水平基調のテールライトは、テールゲートにまで伸びている。雰囲気はCLSにも似ていると思う。
ボディサイズは、ロング・ホイールベース版で全長が34mm伸び、5255mm。全幅は55mm広くなり1954mm、全高は12mm高くなり1503mmとなっている。荷室容量は20L増え、550Lだ。
ドアハンドルは、標準ではボディに固定されたグリップタイプだが、オプションで電動のポップアップ・ハンドルも選ぶことが可能。通常はボディ表面と一体となり、滑らかなボディラインを強調してくれる。
空気抵抗は向上しており、先代のCd値0.24から、0.22へと小さくなっている。
インテリアは、新デザインのダッシュボードに、4つの送風口が並ぶ。メーターパネルは12.3インチのモニター式で、オプションで3D機能も選べる。センターモニターは、11.9インチの縦長タイプ。タッチモニターで、エアコンの操作もモニター上で行う。
リアシート用として、11.6インチのタッチモニターをフロントシートの背面に取り付けることも可能だ。
当初Sクラスにラインナップされるエンジンは、先代の6代目からキャリーオーバーとなる2種類の6気筒。モデルグレードとしては、4種類が用意される。
当初は3.0Lガソリンと2.9Lディーゼルから
3.0Lターボガソリンはマイルド・ハイブリッドで、S450では367ps、S500では435psを発揮。スターター・ジェネレーターが21psをアシストし、燃費を向上させてくれる。トランスミッションは、9速ATが組み合わされる。
また2.9Lのターボディーゼルも用意され、S350dで386ps、S400dで329psを生み出す。S350dでは後輪駆動が選べるが、ほかのグレードは四輪駆動が標準となる。
PHEV版のS580eは、3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジンに、トランスミッション内臓のモーターを結合。システム総合での最高出力は517psを得ている。バッテリーは28kWhのリチウムイオンだ。
4.0L V8ターボエンジンにマイルド・ハイブリッドを組み合わせ、507psを発揮するS580も追って登場する。メルセデスAMG版も、もちろん控えている。S63e 4マティック+とS73e 4マティック+となる予定だが、2021年半ばまでは英国への導入はないだろう。
詳細は未定ながら、AMG版には4.0LのツインターボV8ガソリンエンジンが搭載されることを、AUTOCARでは確認している。そこへ電圧400Vで稼働する電気モーターと、20kWh程度のリチウムイオン・バッテリーが組み合わされる。
システム総合での最高出力は、S63eで700psに近いようだ。またS73eでは、816psになる模様。これまでで最も強力なSクラスになるだろう。
V型12気筒のマイバッハは、11月に中国での発表が予定されている。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント