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【宮田莉朋F2密着】大きな課題は「速く走るための感覚の違い」。日本の経験はリセット、チームは順応性を高く評価

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【宮田莉朋F2密着】大きな課題は「速く走るための感覚の違い」。日本の経験はリセット、チームは順応性を高く評価

 いよいよ、FIA F2選手権の2024年シーズンが開幕する。直前に行われたプレシーズンテストでは最終日に3番手タイムを出した宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)。バーレーンでのプレシーズンテストを次のように振り返った。

「新車のシェイクダウンは僕がデイトナ24時間でレースをしていた関係で行っておらず、バーレーンでのプレシーズンテストで初めて新車を走らせました」

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「新車だけでなくバーレーンも初めてで、しかも初日は雨でした。そんななか2日目にチームメイト(ゼイン・マロニー)がトップタイムを出したことで、自分に何が足りないのか分かりました。その部分を修正した結果が3日目のタイムにつながったと思います」

「ウエットコンディションも経験できましたし、ポジティブなかたちでテストを終えることができたのは良かったです」

 ただし、テストをしての課題も見えてきたと宮田は語る。

「課題はたくさんあります。そのなかでも大きいことが、速く走るための感覚の違いです」

「クルマを速く走らせるためには、どこでブレーキングをして、どこでアクセルを踏むかというのは日本にいるときはコースごとに体で分かっていて、データを見なくても自然にできていました」

「ですが、今はまだ走り終えた後にデータを見ながら、擦り合わせているという状況です。結果を求めようと焦らずに、ステップ・バイ・ステップでやっていくしかないです」

 なぜ、FIA F2ではクルマを感覚的に操ることができないのか。宮田はその理由をコースとタイヤだと言う。

「日本との違いはタイヤもそうですが、コースです。例えば日本のコースは路面が綺麗でどのサーキットへ行っても、ある程度はグリップします。タイヤもデグラデーション(性能劣化)はありますが、セットアップやドライビングでなんとかできます」

「でも、ヨーロッパや中東のサーキットは日本での経験が役に立たないほどグリップしないことがあります。日本での経験をリセットしなければならないほど大きな違いです。なので、タイヤの使い方も難しいですし、コースに対する走らせ方も難しいという印象です」

 そのような状況だが、チームは宮田の順応性を高く評価している。

「チームはそのあたりの状況を理解してくれています。プレシーズンテストではもう少し苦戦すると思っていましたけど、3番手タイムを出したのでとてもポジティブなんです」

「自分ではまだまだ行けると思っているのですが、チームは結果だけでなく、走りも含め、全然大丈夫と言ってくれています」

「(チームが)あまりにポジティブすぎて逆に僕の方が不安です。僕はデータを見て、客観的に分析しながら詰めていくタイプなんです。でも、チームから信頼されているという点では、良い関係が築けていると思います」

「あとは、何かを掴むことができれば“イケる”という感じはしています。昨年12月のアブダビテストのときより手応えを感じています。ただ、バーレーン以降はすべてのコースが初めてなので、必ず壁が出てくると思っています。限られた時間ですが、その壁を乗り越えられたらいいなと思っています」

 宮田は、2024年のFIA F2選手権でどんな目標を掲げているのだろうか。

「最初から良いレースが簡単にできるとは思っていませんが、ドライバーとして常に持っている目標はポールポジションと優勝なので、それを忘れずに戦いたいと思います」

「また今回、このチャンスを与えていただいたモリゾウ(トヨタ自動車豊田章男会長)さんとトヨタ関係者の皆さん、そしてロダン・モータースポーツには本当に感謝しているので、皆さんの期待に応えられるよう頑張りたいと思います」

 2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGTの両カテゴリーで王者に輝いた宮田。新たな挑戦がいよいよ始まる。

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