この記事をまとめると
■2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーでまるも亜希子さんは三菱デリカミニに10点を投じた
プリウスのデザインと走りを際立たせたモデルチェンジが画期的! 2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーで10点を入れたクルマとその理由【岡本幸一郎編】
■歴代デリカから受け継ぐディテールを盛り込んだデリカミニのデザインを高く評価した
■マイナーチェンジの域を超えて改良を施し、デリカの名に恥じない高い悪路走破性も好印象だった
個人的にはデリカミニが大賞とデザインの2冠
その年の「顔」となるべき最高のクルマを選ぶ日本カー・オブ・ザ・イヤー。長い歴史がありますが、2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーは圧勝ともいえる強さで、トヨタ・プリウスが獲得しました。プリウスとしては、史上3度目の大賞となります。さすが、世界的にハイブリッドモデルの普及を牽引してきたモデルですね。
今回から選考委員による最終選考の配点方法が変わり、10ベストカーに選ばれた10台のなかから、1位だと思うクルマに10点、2位に4点、3位に2点を配点することになりました。私はプリウスに2点の票を投じましたが、選考1位となる10点を投じたのは、三菱デリカミニ。デリカミニはふたつある部門賞のうち、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーに輝きました(もうひとつのテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーは日産セレナ)。
もちろん、デリカミニの大ヒットの大きな要因は、なんといってもデザインです。だから私は、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーのほうもデリカミニに投票しました。あのデリカミニのデザインは、初代からこれまでの歴代デリカに受け継がれるデザイン要素を、少しずつ取り入れているというのが印象的。無骨だけどどこか温かく、頼りがいがあってちょっとだけワイルドな、デリカの一員としてのDNAがあるところが素晴らしいですね。
しかも、ヘッドライトの曲線はミリ単位で調整しながら、「やんちゃ坊主」のイメージで仕上げていったそう。かわいいけど、かわいいだけじゃない、絶妙な愛らしさになっていると思います。
デリカミニの化身だという「デリ丸。」がまたかわいくて、あのテレビCMのおかげでデリカミニにも命が宿っていまにも喋り出すんじゃないか、みたいに思えるところがまた、いいですね。擬人化するわけじゃないけど、愛車も家族の一員という気持ちが強くなるクルマというのが、個人的にすごく好きです。
しかし、デリカミニに10点を入れたのはデザインだけが理由じゃありません。軽自動車という、とても制約の多いモデルであり、日産自動車との共同開発である上にマイナーチェンジであるということで、普通に考えればなるべく見た目だけの変更にして、中身にはあまりコストをかけないようにすると思うんですね。
でもデリカミニは違いました。聞けば、デリカという名に恥じない、タフでおおらかな走りを実現するために、4WDモデルはわざわざタイヤ径を大きくするという、めちゃくちゃコストがかかることをやっているんです。
走りもしっかり「デリカ」しているデリカミニ
それに、日産との共同開発なので日産のテストコースで開発を進めていたそうなのですが、4WDモデルだけは三菱のテストコースに持ち込んで煮詰めたいということで、オフロード走行も含めて、本家デリカD:5の開発者たちまで加わって仕上げていったというから驚きました。
走らせてみると、オンロードではストロークが深めで、少し柔らかいかなと感じる乗り味。カーブでも沈み込みが大きめでありながら、最後はガシッとしっかり踏ん張ってくれるところなど、ちょっとフランス車っぽいと感じたほどでした。それが砂利道に入ると、ハンドル操作がとても自然な感じで挙動にも安定感があり、何も気を使うことなく運転できることに感心。これなら雪道などでも頼もしく走れるだろうなと、さすがはデリカファミリーの一員だと実感したのでした。
実用性を重視しつつもメーカーとしてのこだわり、伝統やイメージをしっかり反映させている軽自動車であること。これがデリカミニの素晴らしいところです。
ちなみに2位となる配点に選んだのは、ホンダZR-V。こちらもデザインからして、HondaのDNAであるスポーツカーを彷彿とさせるグリルが既存のSUVとは一線を画し、乗ってみても爽快な走りに感心した1台です。
次の日本カー・オブ・ザ・イヤーに向けては、すでに2023年11月以降に発表されたクルマから権利が発生しています。たくさんの魅力的なクルマの登場を楽しみにしています。
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