この記事をまとめると
■1990年に日産から発売された「NXクーペ」を振り返る
「FFって何だよ?」時代に颯爽と登場したプリンス魂の宿る「日産チェリー」はやっぱり偉大だった
■7代目サニーのボディを流用した北米市場向けのエクステリアが特徴だった
■国内ではあまり売れなかったが北米ではヒットしたほかレースでも活躍した
北米でスマッシュヒットした”迷”クーペ
2023年にNXといえば、レクサスのクロスオーバーSUVを思い浮かべる人がほとんどだと思うが、じつは1990年代にNXの名前を冠したモデルが存在していた。それが1990年1月に日産からリリースされた「NXクーペ」である。
7代目のサニーの登場と時を同じくしてデビューしたNXクーペは、お察しのとおり7代目サニーのコンポーネンツを使用して生み出されたクーペモデルとなっており、古くから存在していたサニークーペの流れを汲むもので、実質的な先代モデルのサニーRZ-1とエクサの後継車種に位置づけられていた。
といってもサニーの名前が外れた車名からもわかるように、エクステリアデザインからサニーとの共通項を探すのは不可能なくらい個性的なルックスとなっていた。
このデザインはカリフォルニア州にある日産デザインインターナショナル(現日産デザインアメリカ)が手掛けたもので、メインの市場も北米地域がターゲットとなっていたのだった。
パワートレインはサニーと同じく1.5リッター、1.6リッター、1.8リッターの3種類となっていたが、海外仕様には2リッターモデルも設定。ルーフパネルはエクサの後継車種も担っていたため、Tバールーフ仕様も用意されていた。
このように個性的なエクステリアを持っていたNXクーペではあったが、日本でコンパクトなクーペとなると、走行性能の高いホットなモデルが人気の中心となっており、北米向けに仕立てられた、ある種”ナンパなクーペ”は人気を獲得することは叶わず、4年の販売期間で1.5万台ほどの国内販売に留まってしまった。
一方、日産がメイン市場とした北米地域ではNXクーペ(現地名NX1600/NX2000)はスマッシュヒットを記録し、スポーツカークラブ・オブ・アメリカ(SCCA)が主催するレースでも活躍を見せるなど、日本とはまったく異なる人気を獲得している。
そういった意味では、日産の目論見は見事に的中したとも言えるのだが、それではなぜまったくマーケットの異なる日本市場にこのNXクーペを投入したのかは謎のまま。
もしかしたら日産は、日本でもコンパクトクーペの市場を掘り起こしたかったのかもしれないが、NXクーペの実質的な後継車種であるルキノクーペも販売面で惨敗し、サニーをベースとしたクーペの系譜は途切れることとなった。
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みんなのコメント
未だに酷評が絶えない車だが、そのほとんどの人が乗ったこともないのに勝手に騒いでいるだけ。
この車、意外にも機敏で気持ちのいい走りだった(競技シーンではない、一般道での話)
ボディもコンパクトで、フロントの左右からの絞り込みもあり取り回しも楽。
上位グレードの走行性はなかなか良い感じでした。
グレードが低いものは”サニーのクーペ”といった感じで、まぁ雰囲気を楽しむという感じ(トヨタのサイノスよりも好感触だった)
そのパッケージングから、どうしても後席のスペースが小物置き場にしかないのが勿体なかった感じです。
4人乗りなのですが後席に2人はどうしても無理があり、1人しか乗れません。
しかも膝を抱えて上を向いてシートの上に・・という程度ww
しっかりとパーソナルクーペでした。
オートザム・クレフの9倍ぐらい売れているんだが。