最新モデルは内外装を洗練。アドバンストコンフォートシート新採用
シトロエンC3がマイナーチェンジした。C3は、プジョー208、ルノー・ルーテシアとともにフランスを代表する小型ハッチバック。現行3rdモデルは2017年に日本デビュー、今回が初の改良となる。
C3のこれまで3年半の日本での販売台数は7625台。7年弱で6482台だった2ndモデルをすでに上回り、個性派のシトロエンで最大のヒット作となっている。人気の大きな理由は、ポップでありながら優しさも感じる、シトロエンならではのデザインである。
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好評のスタイリングはいちだんと洗練された。フロントは中央の「ダブルシェブロンエンブレム」から伸びるモール処理を変更。ヘッドランプはフル LEDを新採用した。サイドは「エアバンプ」が従来の7つの小さな正方形から、3つの横長の長方形に変更された。改良点はどれも大きいとはいえないが、新旧を比較すると、確実に新しく、フレッシュに見える。
グレードは従来どおりフィールとシャインの2タイプ。上級となる後者は2トーンカラーが標準になる。4色のボディに対しルーフも4色から選べ、フォグランプ周辺やエアバンプの一部にアクセントカラーが入る。ファッショナブルさは健在だ。ボディサイズは全長×全幅×全高3995×1750×1495mm。試乗車はシャインのエメラルドインテリアである。
内装は名称どおり、各部にエメラルドのアクセントカラーを配した、お洒落な仕様である。
室内各部は、とくに高級な素材を使っているわけではない。だが実に居心地がいい。インパネにステッチの入ったソフトパッドを使い、ドアトリムには旅行カバンのようなハンドルを装着、ドアポケット内部をアイボリーとするなど、こだわりのディテールで上質感が表現されているからだろう。このあたりの仕立ては「さすが」だ。
前席はエメラルドインテリアに限り、C5エアクロスで採用され好評のアドバンストコンフォートシートを採用している。スポンジの厚みが従来の2mmから15mmに大幅にアップしており、かなりソフトな掛け心地だった。このシートだけでもフランス車を感じる。実に魅力的だ。
安心感のある優しい走り。抜群に運転しやすい!
今回はマイナーチェンジなので、プラットフォームやパワートレーンに大きな変更はない。ただし1.2リッター直列3気筒ターボ(110ps/205Nm)は、エンジンマネジメントの最適化を通じて、カタログ燃費がJC08モードで従来の18.2km/リッターから21.0km/リッターに向上。WLTCモードでは17.2km/リッターをマークする。燃費は世代が新しいプジョー208を凌ぐレベルだ。
パワートレーンの印象は従来どおり。どんなシーンでも必要な加速がストレスなく手に入る。実用車の模範といえるレベルにある。ATは6速。その関係で加速時には3気筒サウンドが響く場合もあるが、100km/h時の回転数は約2000rpmに抑えられるので、快適に高速巡航がこなせた。
安全・運転支援システムは、ブラインドスポットモニター、レーンデパーチャーウォーニングなど標準。クルーズコントロールは、一定速維持タイプ。それでも、空いた高速道路では不満はなかった。
市街地で好印象だったのは、台形で水平基調のフォルムが、車両感覚を把握しやすくしている点だ。車庫入れでも平行に止めやすい。コンパクトカーとしてはインパネに奥行きがあり、サイドウィンドウの下端が低いので、サイズ以上の開放感がある点もよかった。
ゆったりした乗り心地。伝統の味わいが楽しめる
乗り心地は、ゆったりした上下の揺れが印象的。デザインとともに、最もシトロエンらしさを感じる部分だ。無闇にスピードを高めようという気持ちにはならず、適度なペースで、心地よさに身を任せながら走って行きたくなる。路面段差や継ぎ目は相応に伝えるが、これは昔からのシトロエンのテイストだ。
フットワークは前輪で操舵と駆動の両方を担当していることが強く伝わる。意図的な鋭さや曲がりやすさの演出はない。それが安心してドライブできる要因になっている。前輪駆動を長年作ってきたブランドならではの哲学が伝わってくる。
インターナショナルなクルマ作りが主流になる中、最新C3はフランス車らしさ、シトロエンらしさにあふれていた。乗るほどに、ブランドの個性と魅力が味わえる。愛すべき「小さな大物」だ。
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みんなのコメント
多分、一目見てシトロエンとわかるから、目に飛び込んでくるようになったのだろうと思う。
最初は奇妙なデザインだなあと思っていたのだがね。
プジョーも旧型208&2008へ流用したが、DSとオペルに続いてCMPへ変更済。
自社設計最後となるこのシャシーによほど愛着があるのだろう。